2010-10-23

さようなら半ズボン2010

異常気象(猛暑)に見舞われた2010年の夏も終り、肌寒さを感じる今日この頃…。

毎年、ヤリイカの釣果が耳に届くと船釣の世界は冬の釣物へと衣替えして行きますが、今週、私も半ズボンから長ズボンへの衣替えとなりました(涙)。

とは言っても、私の半ズボンはなかなかの優れ物。
元々は膝から下の裾が切り離せるセパレート機能付きなので、裾さえ合体させればもう暫らくの間は履けるだろうと思いきや、私の知らない恥ずかしい事実が発覚した!


ここ2年裾を合体させたことが無く、半ズボンとして使用、洗濯、使用を繰り返していたら、すっかりパンツ部が色褪せてしまい、裾と別物になってしまいました…。

写真で見ると「左程でもなく」見えるのですが、実際に履くと、どうにもカッコ悪い…。
これを履いて釣行すれば、同じ船の乗船者に限らず、立寄るコンビニの店員や、港の近くで屯しているヤンキー(死語か?)にも失笑をかうのは避けられない。

人間としてこんな小さな事は気にはせず、逆に皆さんに「笑いを提供した」くらいの寛大さ・大らかさが備わっていたなら、人生もっと違う生き方をしていたのかもしれないが、少しセコイ人間でもいい、このズボンは履きたくない!というのが私の本音。

仕方なく久々にレイリー(サロペット)を携えて訪れたのは大原です。
狙うは、ひとつテンヤならぬ「ふたつカットウ」で挑む "ショウサイフグ" 。

そうなんです。
また「おフグ様」なのです。
実のところ、過日のフグが親父さんの店で大好評!
すぐに品切れてしまい「またお願い」というメッセージが私の手元に届いていたのです。

う~、親父さんの頼みとあっちゃーしようがないか、"気になる釣宿" が逃げていなくなる訳じゃないし(と都合のよい言い訳。本当は数釣りしたいだけ…)。

だけど今回は少し難しい条件が1つ…。
お魚の旨味は皮と身の間に詰っている。
これは皮を剥いでしまうショウサイフグでも同じで、身の表面が美味しいわけだが、型が大きいと切り分けの関係で美味い部位と不味い部位(当たり外れ)が出てしまうそうで、お店で使うには型が小さい方が勝手がよいそうなのだ。

そこで、前回、大型が混ざった鹿嶋港には行かず、選んだのが大原という訳だ。
洲崎に行かなかったのは、釣果速報、勘、大原でフグを釣ったことがないといったとこ。

今週お世話になったのは、勿論はじめてとなる鈴栄丸さんです。
船宿に着くと、船長らしき方が軽トラに荷物を積んでいる…。
ガタイがよく、丸坊主だ。
少しおっかなそうに見えるその人の顔は、目がクリックリッとしていて、どことなくフグに見える。
おーこれは釣れそうだ!
と訳の解らぬ自信をもち、出船したのである。

ところが港を出た直後から海はウネリ、波は高いわ、で湾フグ出身者の私の自信は早くも揺らぎ始める。
「こんなんじゃアタリは取れねぇ」っと。

しかし、フグ船長(本当に失礼するが、ここではこう呼ぶことにする)は伊達じゃなかった。
直ぐに大きな反応にブチ当てる。
そして御題目だ。
「空アワセだよ、空アワセ!」

どうやら湾フグで痛い目ばかりみていた私の先入観は、外房や茨城では杞憂だったようだ…(今ごろ気付くな!)。
ゼロテンだけ取っていれば、アタリは手感度で取れ、アワセも十分に間に合うのだ。
更に穂先のアタリも視認できれば言うことはないが、何しろ波は3mもあるので大塚プロでもアタリを視認することは無理だろう。

そんな大原の群れの濃さに助けられ、蓋を開ければ小型80尾の規定数。
5時出船、9時に早上がり(沖上がり)で、親父さんの店のお客様に幸せを提供することに成功した。


それにしても、港の独自ルールって情報開示が進まないものか?
三浦ではコマセは3kg(人)まで&イワシの泳がせは駄目、外房ではイサキは50尾(人)まで&ビシはFL(黄色)等々。
大原(九十九里)ではフグは80尾までだそうだ。

逆に昔は今ほど情報化が進んでおらず、釣り人は常宿にしか通わなかったから、船長さん達は知っていて当然と、プライオリティを低く判断しているのだろう。

今回の9時早上がりも最初は港のルールなんだろうな、と勘違いしていた私…。
フグ船長の資源保護を意識した判断だったことに後から感服した。
だが、暫定竿頭の私としては、その一寸先が知りたいところでもあるが…。

P.S.
洲崎では同日「束」だったそうな…。
勘は当てにならん!
今回の私のショウサイフグ・インフレーション値 @118.75-/尾

2010-10-14

気になる釣宿。

12年前に他界した父は、石鯛(釣り)に拘りつづけた人でした。

いつ頃からどんな理由で釣りを始めたのか、釣目の遍歴など聞いたことがありませんが、私が物心が付くころには日曜と言えば石鯛を釣りに出掛けている人でした。

三宅島や八丈島に出掛けるときは、土曜の夜19時位に竹芝桟橋から大きな背負子を担いで東海汽船に乗り込みますし、伊豆方面へ出掛ける時も同じような時間に車で出発していたと思います。
但し、ホームとして圧倒的な釣行を重ねたのが房総で、取り分け鴨川付近の沖磯に渡っていました。

恐らく「子供の面倒もみないで…」という母の苦言に苦虫を噛んでのことでしょうが、真相は不明ながら房総への釣行にはごく稀に幼い私(当時5~6歳か?)を伴ない出掛けました。

当時(ですから35年程前になる)は、千葉方面への高速は武石くらいまでしか開通しておらず、鴨川方面へ行くには京葉工業地帯を横目にズ~と下道をひた走り、姉ヶ崎から山間部を縫って鴨川有料道路を抜け、鴨川に辿り着くというルートです。
鴨川に着くと、駅の改札横にある「両国」という立ち食い蕎麦屋で「月見そば?」を食べるのがお決まりのコースだったと思います。

当時、この蕎麦屋が24時間営業だったかは不明ですが、未明の時間から店は開いていました。
因みにこの蕎麦屋さん、場所は変わりましたが今も鴨川駅の側(エネオスの裏)で営業を続けています。

今、考えると父は途轍もなくタフな人だったんだなーと関心するばかりです。
だって、週休2日なんて無い時代、車だってマニュアル、重ステ、エアコン無しの条件で毎週釣行していたのですから…。

私は私で、釣りに連れていって貰えると、何時もなら起きていてはいけない(存在が許されない)時間に、公に存在することが許される何とも言えぬ高揚感と、東京から異次元に迷い込んだかのように、漆黒の中に浮かび上がる工場の明かりを眺めているのが堪らなく好きでした。

そんな父が当時、足繁く通っていたのは小湊寄浦港です。
父は「竜宮会」なる磯釣り同好会に所属しており、親組織である「全日本磯釣連盟東日本支部」の指定宿がこの港にある "新傳丸(しんでんまる)" さんでした。


鴨川から至近の小湊湾ですが、父は朝マズメには沖磯で糸を垂れていたいのです。
夏場であれば、4時過ぎには船に乗り込み出港します。

幼い私もオレンジ色の救命胴衣をつけて船に乗るのですが、元来、船には弱かったようで、15分もすると気持ち悪くなって吐いてしまいます。
それを眺めていた船長はいつも私に気遣ってくれましたし、帰港すると、港に船長の息子さんを連れてきて、「こいつに教えてもらえ」とシッタカやマダコを採らせてくれました。
中学になって、自転車で房総1周したときにご自宅の離れで1泊させて貰ったこともあります。

ところが、マーケットや経済と同じで「不変」というものは世の中には滅多に存在しません。
それがコマセ釣りの到来によってか、体力的に石鯛を狙うのが辛かったのか、経済的な理由か、はたまた余りにも釣れない石鯛に嫌気がさしたのかは不明ながら、父は石鯛釣りから足が遠のいてしまい、必然、新傳丸さんへ通う回数も減ってしまったのです。
そんな父の晩年は、コマセ真鯛やイサキ釣りに興じていました。

そうして今、父の使っていたクーラーを背負い、父に買ってもらったお古のデッキブーツ(安物)を履いた私が頻繁に海に出ています。

35年を経て、世の中は情報化され、新傳丸さんが今も沖渡しや乗合船を出されていることは予てから知っていましたが、何とも言えぬ後ろめたさがあり、再訪を躊躇っていました。
実のところ、過日の鬼カサゴ船の検索時にも新傳丸がヒットしました。

でも、もうここらで蹴りを付けましょう。
電話を入れて、挨拶をして(女将さんは我ら親子ことを覚えているかな?)、地元の銘菓でも携えて小湊に向かい、船に乗せてもらいましょう。
きっと操船するのは、私にタコ捕りを教えてくれた息子さんです。
そして、今の釣物はフラッシャー(黒ムツ)&鬼カサゴかスルメイカのリレーです。
私の大好きな釣目じゃないですか!

2010-10-12

職漁と化した1日

私は根っからのお馬鹿のくせに格好付けという体たらくだ。
以前はフグの味についてもロクな見識もないくせに「フグなんて雑炊を食うための贅沢だ」なんてほざいていた。

これは手の指で余る程度に河豚料理店にお邪魔して、定番の お通し・てっさ・白子・てっちり・雑炊・鰭酒 コースをいただき、毎回その料金に青褪めた経験からだ。

こんな馬鹿でも歳を取ると少しは賢くなることもあるようだ…。
今ではフグを「こんなに美味しいものはない」という認識を持つまでに至り、諳んじることができるメニューだけで 干物(塩・醤油)、唐揚、刺身(皮剥の肝和え)、塩焼、てっぴ、タタキ、握り、白子焼き、煮こごり、フグ飯、骨ラーメン、骨せんべい と、まずますの数だ。
(河豚屋もコースを止めて大衆的なフグ料理に切替えればいいのに…)

これもそれも釣人になったことの恩恵なのだが、料金に対する認識は改まらない。
何しろ、私が乗ったフグ乗合船で最も安いのが吉野家さんで8,900円(餌1パック込)。
最低釣果は2尾(これも吉野家さん)。

除算すれば1尾が何と4,450円となる。
これは高か過ぎる!
しかも釣ったフグがトラならまだしも、これはショウサイの料金なのである。

このフグによるインフレーション(私の釣り下手さ)も徐々に改善に向かいつつあるが、それでも甚だしく不経済だ。
何としても改善を急ぐ必要がある。

そんな美味しくも贅沢なフグを愛する1人の料理人がいる。
自からも釣りに出掛け、釣ったフグを店の献立に並べるこの御仁は、私が行き付けている割烹の親父さんだ。(因みにフグ免許はご子息が取得・登録されており問題ない)

彼の親父さん、フグ釣りは今まで同じ浦安から出ていたものだから(所謂「湾フグ」)数は期待できない。
そこに過日の私の爆釣を知ったもんだから「外房に行けばそんなに釣れるのか?」とテンションが弥が上にもあがり、今回の釣行が決まったのである。

そういった意味でこの釣行は私のレジャーという位置づけから外れ、職漁となったのだ!
何しろ献立に「フグ」という文字を並べる "義務" が生じたのだから、お客様の至福のひと時は私が半分担ったわけである。

こうなるとなり振り構ってられない。
日帰り可能で、高釣果・良型で安定している宿を厳選しなければならない。
そこで選択したのが鹿嶋港・幸栄丸(こうえいまる)さんだ。

初めての釣宿、初めての茨城釣行(道に不案内)のため、早目に出発したせいで現着は4時。
出船5時まで1時間あるが、周りは車、車、車…。
さほど大きいとは思えない港は、剱崎・松輪港を彷彿させる釣人で溢れている。

ご当地の方には失礼だが、茨城の港=鄙びた少しルーズな港という先入観があったが、全て裏目だ。
釣座を確保しようとしたら、今日のフグは4艘出すと言うし…。
女性アングラーが同じ船に4人も乗っていたし…。
ガンガン移動して活性の高いポイントを捜す操船だし…。

とにかく4艘にはビックリした。
ひとつの釣物に同じ宿から4艘なんて聞いたことがない。
小さな船ならいざ知らず、4艘のうち3艘は大型船だ。
どうやってこの人数が釣ったフグを捌くのだろう…?
そんな疑問を抱きながら幸栄丸さんは定刻に岸払いしたのだった。


当日は、晴れ、東南東の微風、中潮 水温21度 超澄み潮 波1.5m 潮流れず 右舷艫から3~4番という条件。
べた凪だったお陰で穂先に集中し易かった反面、船頭曰く「潮が澄み過ぎなので船の影が底までとどき喰いが悪い。反応はあるのになぁ~」という状況。

20t前後の大型船を大きな生命体とフグが勘違いするなら、クジラ位なものだろう。
クジラはフグを喰うのだろうか?
などとくだらん事を連想するが、フグのプレッシャーを感じさせないところまで仕掛を遠投することも出来ず、丁寧に船下を狙うしかない。

何しろ当日は職漁でもあるし、インフレを少しでも脱却しなければならない。
竿先の僅かなモタレも見落とせば、お客様の幸せと、フグ貧乏からの脱出ができない。
が、この集中が後で仇となる。

喰いが悪くも流石に連日の釣果速報は伊達じゃない。
湾フグで俄ボウズに馴れているせいか、鹿嶋の海はアタリの宝庫である。
"ぷッ" でアワセを入れポツポツと拾うのだが、なぜか私に釣れるのは13cm程度の小振りなフグばかりで、お隣りさんと親父さんは25cm程度の良型がたまに掛かる。

あまりにも私に小型ばかり続くので、ツ抜けした頃に何でだろう?とお隣りさんを拝見する。
「あっ!(アタリ)、あぁ~あ、もう遅いか?」と思っていた瞬間、ガッガッガッとでかいアタリが襲来。
すかさずアワセ。
良型のフグが上がってくる。

鹿嶋のフグはサイズの良さとアタリのデカさが比例しているようだ…。

竿を取り、大きなアタリが出るまで待つと確かにでかいフグが掛かってきた。
「しめしめ、読み通りじゃ!」
何~んてニヤニヤしていたらこれを境にアタリが遠のいてしまったのです(涙)。
間もなく「はい上げてぇ~、大きく移動するよぉ~」と虚しいアナウンスが入る。


船長が言うように陽が高くなると、潮が澄みすぎて仕掛は10m下まで視認できるような状況に…。
こうなると船中音なしで、アタリが無ければ、集中の糸も切れてしまう。
沖上がり間近に盛り上りがあるも、中弛みの時間が長く数伸びずにタイムアップ。


私の釣果は(職漁のくせして)28尾。
親父さんが17尾釣ってくれたお陰で、合計45尾で、お店には何とか面が保てました。
そして私のインフレ値は@375-/尾と、こちらも何となく高いようで、安くなったようで…の半端な値。
いやいや、これは湾フグじゃないので、まだまだ赤点ですな。
しかも竿頭48尾で、ダブルスコアに近いし…。

それでも、沖上がり間近の盛り上がり時にお隣りさんが「これが何度もないと駄目なんだよ~」と呟いていたし、隣りの隣りのお姉さんが「こんなに釣れない日は私はじめて~」と笑っておられました…。

聞き漏らしようのないこの発言。
過日の私の爆釣は、鹿嶋港では周年あたり前のことなの?
洲崎のフグは概ね15cmアベレージだったけど、それが鹿嶋サイズだったらどうなんの?
な~んて妄想が腹の中に渦巻いたのは言うに及びませんね…。
近いうちにまた訪れることにしましょう。

因みにここの船長さん、口はちょっと悪いですが、気さくで腕のいい船長ですね。
私に対してだと思うんですが、
アタリなんて取ってんじゃねぇーよ、空アワセだよ!空アワセ!
と何度か怒鳴っていました(笑)。
が、残業サービスもしてくれました。
次は竿頭になってお礼をしたいと思います(竿頭賞は1回分の乗船券だそうですし$)。

2010-10-10

優れもの(その3)

今日は私のフグ仕掛用のケースについて紹介しようと思います。

過日のレポートにもありますが、カットウ仕掛のハリスは糸癖のない「シャキッーン」と張った状態が理想。
とにかく糸癖を付けずに現場へ持参したい。
然れど、カットウ仕掛け 長いんです…。

湾フグなら未だしも(ハリス10cm程度)、外房や茨城のカットウ仕掛のハリスは凡そ25cm。
更に錘が結ばれ、仕掛全長は35cm位になる。
当然のことながら、カットウ針(餌針にテンヤ針)は鋭く、むき出しの状態で持ち運ぶことは憚られる。
そこでフグ師の皆さん、仕掛ケースにひと工夫するわけです。

まずはケース探し。
仕掛の全長35cmとは言っても、仕掛を止めるためのフックも必要となるので、内寸40cmは必要となる。
また、カットウが潰れないような深さ(厚み)も必要となる。
こんなケースはなかなか見当たらない。

湾フグでは、プラの書類ケースにスポンジを貼って吊っている人、パスタ保存用の長いタッパに入れている人、塩ビの仕掛ケースなど色々とお見掛けするが、最高にフザけた方の話で少し脱線…。


ある朝、珍しく早起きでき、出船1時間前に船に乗り込んだ(通常、出船5分前が私の定番)。
フグの仕度は、喰わせ仕掛けを使う方がエサの準備で忙しいくらいで(皮剥のアサリ剥きみたいなもの)、カットウ仕掛を使う場合、準備なんて5分もあれば充分だ。
何もすることがない…、暇だ。

そこでタバコを吹かしてボケッーと周りを眺めていると、お隣さんが乗り込んできた。
電車釣行なのか、竿袋にリュックという出で立ちだ。
「お早うございます。宜しくお願いします」とまずはご挨拶。

おもむろながら手際よく仕度を進めていく。
そして私の注目する瞬間が近づいてきた。
ガイドにリーダーを通し終り、ガサゴソとリュックに手を入れたのだ。

リュックに伸びた手が目当てのものを探りあて、抜き取られる。
そこに握られていたものは プリングルス だ。

おいおい朝からお菓子かよ、せっかく期待して待ってたのに…。
朝食でサンドイッチとかだったら解るが、ポテトチップはねぇ~だろうが!

更にゴソゴソ。
(私)んっー?
今度は違う味(缶の色が違う)のプリングルスが出てきた。

ありゃりゃぁ。
君は余程のプリングルスフェチだな…。
「朝のポテチィ」は百歩譲るとしてもだ、味比べまでされちゃーもう何も言えん(心の中で)。
好きにして下さいと、そっぽを向いた。

そう、勘の良い諸兄はもう気付かれている筈だ…。
プリングルス(円柱の缶)の中味はカットウ仕掛が所狭ましと吊り下がっていたのだ。
私がそれに気付いた瞬間、目はまさに "点" 。
まるでタッセルだ!

心の中で「プリングルスフェチ」などと罵ったことを詫びつつも思った。
幾らなんでも仕掛ケースにプリングルスはねぇ~んじゃね と。
(きっとプリングルスフェチは本当のことで、コンビニに行けばプリングルス、家でTVを観ててもプリングルスなんだ。 きっと…)


本題に戻ろう。
フグの繊細で微かなアタリを見極めるために、フグ師達はそんな涙ぐましい努力・工夫をしている訳だが、御多分に漏れず私も知恵を絞り、工夫をした。
釣具屋、ホームセンターを問わず、日常生活の中でも長いケースには目を光らせ、売場では女性の買物より長い時間あれこれと悩みに悩んだ。

とにかく要件を満たすものが有るにはあっても、サイズが大き過ぎたり、使い辛そうだったりして気にくわないのだ。

そこで悩む…。
愉快なところでは、生地やビニールを巻く反物の芯を切って仕掛を1本づつ収納する。
ホームセンターで木材を購入して作ってしまう(蓋は薄いベニアで構わないのでそんなに重くはならない)等々。

結果としては灯台下暗しで、ロッドケース(新品ロッドが入っている)をチョン切ったものがベストマッチ。
出来上がったのが "これ" 。


カットウ仕掛をフックしているのは、イカ用の掛枠で、「これ長いなぁー」と使っていなかった物がサイズ的にジャストフィット。
隙間が無いので、ガタつきもない。
渾身の自信作なのだ。

2010-10-06

親父さんの野望

過日のショウサイフグ爆釣を知った親父さん、俄然やる気モードです。

湾フグには少し後ろめたいのですが、行っちゃいますね、外房or茨城…。
次の祭日(月)です。

2010-10-04

酔っ払いの思考

先週のある晩、酒を呑んでいて閃いた!

雑誌か何かで外道で釣れたサバを餌にしたら爆釣という記事が発端だ。
そう言えば、東京湾でフラッシャーを垂らしたら、何も考えずサバが乱舞してきた。
フラッシャーさえ持っていればサバは釣れる=新鮮なサバ餌をいつでもGetできる私は、状況が悪くてもひとりで爆釣かぁ~!

食いしん坊の私の夢想は広がってゆく…。
サバ餌で釣る旨いお魚はっ、アカムツ、鬼カサゴ、キンメダイ、アコウダイ、etc。
頭の中は赤いお魚の姿でいっぱになってゆく。

だが、困ったことに深場用のタックルは持ち合せていない。
中深場までならイカ竿や青物竿でなんとかなる=行っちゃうかぁ~鬼カサゴぉ!

早速、Netで情報収集すると、何と、いつもお世話になっている萬栄丸さんが「ワラサがイマイチ」という理由で出てるじゃないの "鬼カサゴ" 。

これは神様の思し召しだ…。

よ~し、結んじゃうぞ「ムツ針17号」と、いそいそ準備にかかる。
この手の仕掛けは単純だから、幾ら酔ってても5組ほど仕掛けがすぐに完成。
天秤、錘、リール、バッテリー、竿、ロッドホルダーもチェックして不足品は無さそうだ。

そうしてこのアイディアをサバサバ大作戦と銘打ち、今度は釣った後のことを夢想する。
しゃぶしゃぶ、鍋(頭の出汁がぁぁぁ)、刺身(昆布締めも絶品)、焼き、干し、etc、鬼は何をやってもマイウ~。
更に鰭は干して、炙って、酒に入れる…。
のっのっのっ呑みてぇ~。
と吠えながら(どうやら鬼は2kgクラスを釣ったつもりになっていたらしい…)眠りに落ちたのだった。

次の日の電話。
「はい萬栄丸でぇ」(といつもの女将さんの声)
「あっ、うめ○○ですが…」
「毎度ありがとうございまぁ」
「日曜に鬼に乗りたいんだけど、1人です」
「…、えーと鬼カサゴ?」
「もしかして出ない?」
「多分…。カワハギが好調なんで2艘出しになっちゃうと思うけど、念のため前日に連絡いただけますか」
「は~い」

悪夢がここから始まったのを私はまだ知らない…。

萬栄さんは間違いなく出ないよねぇ。
他船、他船っと。
ところがこの後の検索はヒット し な い 。
結論、日曜の鬼カサゴに出る船は無い!
がぁ~ん(後で調べたところ出船した宿はあったが)。

鬼にはシーズンが早かったか…。
11月になれば、否でも鬼は出るだろうし、焦ることもないか。
でも、ここまで盛り上がったサバサバ大作戦をここで放棄するのも何だよなぁ。
萬栄さん本当に出ないのかなぁ~?
などと優柔不断。

そんな割り切れない日々を過ごしていたら、あっという間に土曜を迎えてしまったのです。
遠征や初めての釣物にチャレンジする時間はもうありません。
サバサバ大作戦を思いついた幸せな夜はどこへ?
厳しい現実を直視すれば、私はただの「釣り難民」です。

それでも海には出たい!
そこで止むなく、狙いを ″赤″ から ″銀″ に代えサバサバ大作成を実行することに…。
釣宿は予約も要らない楽チンな吉久さんです。


前日の吉久さんの釣果はお世辞にも良いとは言えないものでしたが、サバサバ大作戦を引っさげている私は余裕です。
船がメッカ観音崎に到着します。
ふっふっふ、待ってろよ太刀魚ちゃん、サバサバ大作戦でお前ら一網打尽にしてくれるわ!っとフラッシャー2本針を投入します。

どこまでも都合のよい私は、あわよくばタチウオまでフラッシャーで掛るんじゃないかとまで考えています。
まずは水深15m位から5mづつ落し込みで誘っていきます。
ん~ん?アタリ無いなあ。
底まで誘ってもアタリ無し…。

じゃあしようがない、底でフワフワと誘った後に海面まで回収してから再び落し込み。
あれぇ~?本当にアタリが無い。
これはどういうこと???
かれこれ30分くらい粘りましたが、アタリの1つも無い…。
乗っけからサバサバ大作戦は窮地にたたされます。

ここで竿を休めて原因分析。
サバさんの泳層は幅が広いが?→丁寧に探った。
サバさんのベイトはいるの?→不明。
タチウオさんのベイトは?→サバ。
タチウオさんの反応があるから船はここにいる筈だよね?→サバさんもいる。
じゃあサバさんが居ないのはなぜ?→タチウオさんも居ない。
あれぇ~?

このふざけた原因分析は満更でもなく、その日の吉久さんの釣果は釣果速報も出さないほど悪かった。
内緒で教えますが、0-3本です。
ルアー船などはポツポツ拾っていたので、またまた訳が解らない。
いま流行のマナティーってやつなのかな?

餌釣りは全くそっぽを向く→活性低い。
ジグに喰う→活性高い。
???

とにかく初めてのサバサバ大作戦は失敗に終わり、しぶしぶ支給された冷凍サバで釣りを再開しますが、前述のとおり釣果は激渋。
私に訪れたアタリは5回。

1回目、コツッ(終り)
2回目、コツッコツッコツ、コッコッコッコどおぉーん。(坊主脱出)
3回目、着底、棚を3m切った直後、コツッコツッコツ、コッコ、ブルッブルルッブルルルルッどお
    ぉーん。
    この3回目のアタリはフッキングした瞬間から竿が弓形にしなる。
    ギュウギュウに絞ったドラグから糸が出る始末…。
    引きはタチウオのそれですので、船長に記念撮影されている自分が脳裏に浮かびます。
    少なくとも1m50cmは有るだろうな、ふっふっふ。
    それにしてもドラゴンは重めぇ~、ベイトリールでこれ巻くの大変だよー。
    あと何m?
    うわっ、あと30mもあるよ…(観音崎の今の水深は70m前後)。
    腕がプルップルし始めた。
    それでも頑張ってリーダーが見え、天秤を手にする。
    現れたドラゴンのサイズは?
    鮫 で し た。
    多分、アブラヅノ鮫
    本当に紛らわしい引きしやがって、勝手に勘違いしたじゃねぇーか!
4回目、コツッ(終り。悔しいから同じ棚に仕掛けを入れ直し)
    コツッ、コツッ、コツッ…、プッルッルッルル(少し聞きを入れて重さを確かめる)、
    ルルルルルルルッどおぉーん。(2本目)
5回目、コツッ(終り)

流石に集中力を欠く釣行となってしまった今回の釣果は2本。
それにもかかわらずの次頭。
更に、希少な2本とも食上げでリーリングとの競争…(引き味を楽しむ暇なし)。
私のリール、ギア比が低いんです。

「終わりよければ全てよし」とはよく言ったもので、「頭悪い奴に幸福なし」と言い返したい。
酔払いの思考は本当にダメダメですな?
でも、サバサバ大作戦を諦めたわけじゃありません。
またトライしちゃうもんねぇ~。

失意のままに下船すると、桟橋で船長がお土産をくれた。
流石に殆んどの方が ″ボ″ だったので、絶好調のアジ船から調達したのだ。 
ふっふっふ、酔っ払いはただじゃ転ばんのだ!