2012-05-23

気になる釣り宿②

以前、「気になる釣宿…。」として小湊・新傳丸のことを記しましたが、その新傳丸が、昨年、突然に廃業されてしまいました。
同地の船宿に通っている知人を介して、情報収集したところ、「船長やお母さんはご健在で、船宿の廃業は体調とは別の理由だろう」と仰っていました。
長~い付き合いの宿なので、願わくば復活をしてもらいたいものです。

さて、久々のUPとなる今回のブログネタも「気になる釣宿」です。
このブログも開設から4年、ここまで釣りを続けていると、普段ご一緒していない釣友に同行でもしない限り、新規の船宿にお世話になることが少なくなってきます…。

一方、何時かお邪魔してみたいのだが、今はこの魚を釣りたいから、またの機会に…。
そんなふうに、「何時か」、「また何時か」を繰り返している宿も何軒かはあるものです。
その内の1軒が、金谷港 “忠七丸(ちゅうしちまる)” さんでした。

私が船釣りに没頭し始めたころ、ご多分に漏れずアジを狙うことが多かったのですが、当時のつり情報・釣行レポートに驚愕の記事が載っていました。
この記事は、まだWeb上で公開されているのでリンクを貼っておきます。

そもそも食いしん坊の私、“金アジが入れ食い”と聞けば、直ぐにでも行きたいのは山々なのに、天邪鬼な性格が祟って、「雑誌掲載後は混んでいるから半年経ったら行こう…」なんて空かしたものだから、とうとう3年も行かずじまい…。
今般、釣友の「本物の金アジを釣ってみたい」という要望をうけ、初めてお邪魔することが叶いました。

さて、肝心の忠七丸さんですが、つり情報のレポートにもあるとおり、HPがないし、スポーツ新聞との提携もないようなので、釣果速報どころか情報が一切ありません。
では、その魅力は?
船長さんの意向にそぐわないのかもしれませんが、少しだけ忠七丸さんの情報開示を含めた釣行記としてみます。
念願の釣行は、天候にも恵まれた5月19日(土)。
当日の出船時間が6時(季節によって変動→要事前確認)ということで、5時頃に待合所に到着。
乗船名簿に記帳し、乗船料を支払った後、船長に話をうかがう。

何といっても、つり情報のレポートにある「LTが可能なのか」は是非知りたいところ。
船長曰く「潮が速いからねぇ~」、緩ければ60号でも大丈夫だけど、40号は難しいねぇ~。

昨今、私の頭の中でアジ釣りと言えば、LT(~40号)or走水のようなノーマル(~130号+α)に2極化されており、80号という忠七丸さんの標準ビシが何とも中途半端に思えるのだ…。
事実、当日は錘負荷~100号のシャクリ竿と、錘負荷~60号のLT竿2本を用意しており、「LTの方が楽だし楽しいし」と、どうにも割り切れない心持ちで船着場へと向かったが、その後、すぐに80号の理由が判明する。

船長が「速い潮が来るよ~」とアナウンスがあると、あっという間にラインが潮下に斜めになり、ビシが浮いている(棚が外れている)のが解る。
当然、棚を取り直そうと(着低させようと)するのだが、ラインが5mは出てしまう。
水深は浅いが潮が速いのだ。

そうなると、走水でアジを釣るのと同じで、着低後、棚を少し切った低めの位置で仕掛けを停めておくか、着低後に棚を合わせた直後の一瞬に賭けて打ち返していくか…。
何しろ速潮時は80号では糸が立たないのだ。
この速潮対策に100号、120号といったビシをバッグに忍ばせておいても良いくらいだ。
そんなご当地の状況も知らず、LTとは何とも不遜な考えだったと痛感したのだった。

当然のことながら、竿も場違いなセレクトとなってしまった。
「柔らかい竿の方が楽しいや」と持参したシャクリ竿は、7:3調子の全長2.0m。
かっとび潮では如何せん操作性が悪い(特に取り込み)。
通常のビシ竿(1.5m程度、錘負荷~130号)がご当地の条件にマッチしたスペックだろう。
LTは、金谷湾の潮陰となるごく限られたポイントで成立するだけで、通常の忠七丸さんのポイントは速潮の場所なのだ。

そんな速潮で釣れてくるアジは良型揃いである。
小さくても20cm、アベレージで25cm。
このサイズが水深20~30mで当たれば、そこそこの釣味である。
(つり情報のレポートにもあるのだが、何故か追い食いはあまりない)
そして何より特筆すべきは、このアジが本当に美味いことだ!

今までアジと言えば、湾奥の小アジ(15cm程度)が一番美味いと思ってきたが、目から鱗。
型が良いだけに、房総のフラッシャーで釣れてくるボソボソしたアジと似ているのでは?と懸念したのだが、とんでもない!
その美味さを裏付けるかの如く、お裾分けした先から「あまりの美味さに瞬殺だった。またお願い」とお礼がきたくらいだ。
ブランド鯵は伊達ではないのだ。

気になる釣宿は、頭でっかちなLTを払拭し、期待以上の釣宿でした。
釣果こそ15匹前後と振るいませんでしたが、この美味さを知った以上、次は気合を入れて挑むこととしましょう。
一応、ビシ竿と一緒にLTも持参しちゃいますけどね…。
尚、余談となりますが、今回、外道にお腹がパンパンのクロダイがよく交りました。