2012-08-29

あっかんべ~

お盆休みは地元の祭りがあったり、墓参りに行ったりと無釣行…。
そうこうしている間に金谷にカマスが廻ったと耳にしたので、忠七丸さんがリレー船を出すなら乗ってみようなんて思っていたら、カマスはやらないそうな(悲)。

そうなると、タチウオ、シロギスとあれこれ悩んでみたが、いまひとつ食指が動かず “これっ” といった釣物がない。

さりとて、8月も最後の週末。
来週末は仕事、再来週は法事の予定が入っており、釣行(気分転換)はしておきたい…。
そんな葛藤の末、食べて美味しく、釣って面白いアカメ(彼岸)フグ専門の船に乗ることにした。

アカメ専門の船は、野毛屋、吉久(吉野屋)がシーズン限定で出船するのだが、そこはほらっ、マニアじゃないですか、フグは…。
凄くレアな船宿も知っているですよぉ。
上総湊にある又次郎丸(またじろうまる)さんです。
船はご覧のとおり椅子すらなく、ビールケースに座布団が括り付けてあるだけ。
勿論、HPもなければ、操舵室もない。
だからこの炎天下に船長も笠を被り、舵をとります。

まあアカメ専門とは言え(魚探もない船なので)、船長が山立する根回りやガラ場を狙い分けているだけです。
外道にショウサイフグやカワハギ、タコなんかも混じります。

そんな今時珍しくなった昔ながらの船宿ですが、実績は確かなもので、出船すれば “ボウズ” を引くことはまずありません。
“たかだかボウズを引かない” ことが湾フグにおいて如何に優秀かは、湾フグ経験者ならお解りいただけると思います。

最大でも6名しか乗れないという小さな船なので、分け前が多いのかもしれませんが、こじんまりとした船宿だからこそ獲りすぎることなく、皆さんにフグが手渡るのでしょう。
それでも日曜とあって、当日の乗船者は5名と盛況。
船長はいつものように竹岡の岸よりのポイントでスタートを告げます。
台風の影響か?内房だというのに間近にサーファーがちらほらしています。

私は以前は湾フグ竿として、極鋭フィール(7:3)を使っていましたが、最近は以前よりこまめに誘いを入れるようになっていることもあり、先調子(9:1)が使い易く、当日は茨城や外房のショウサイフグに使っている “がまかつ カットウスペシャル145” を手にしました。

この竿の錘負荷は25~30号と、湾フグの10号錘に対して硬いように思えますが、アタリは十分に視認できますし、硬い竿だからこそカワハギのモタレにも似たカサッカサッとした手感度が伝わります。

投入から間もなく艫の常連さんが竿を曲げ、ショウサイフグの型を見ます。
すると私にもアタリがあり、細いPEがリールで唸りを上げ、ショウサイが上がります。
さすがに湾フグは型が良い!

この調子だとすぐにツ抜けだと欲張った2投目。
一瞬、タコを思わせる重さが竿に加わったが、これは根掛り。
「ちっ、早速かよ」と竿を煽るも外れてくれず、仕方なく糸を掴むと事もあろうにPEが高切れた…。

勢い余って穂先も引っ張ってしまったようで、何度聞いても不愉快な音が耳に響いた。“ポッキッ”
あ~、今まで何百匹ものフグを釣り上げてきた愛機を折ってしまった…。
この精神的なダメージは大きく、控えの竿を用意する手は、ガイドに糸を通すことなくリールと仕掛を直接結んでしまった程だ…。
10月の大原解禁に修理は間に合うだろうか?

とは言っても、まだ釣りは始まったばかり。
やむを得ず控えの竿でポツポツと2匹追加して船中TOPだったのだが、この後にやるせない展開となる。

左隣りの方がその原因。
それまでフグは1匹だったお隣さん、本命はカワハギらしく、根回りにポイント移動すると完全にカワハギタックル(持参のアサリ餌)に切り替える。

私がカットウでカワハギを掛けると、羨ましそうにこちらを見ていたのだが、砂地のポイントに移り、フグのタックルに持ち替えてからが正に入れ喰い!

その秘密はどうやら錘の上に着けた “花火” だ。
カワハギに凝っている方であれば、よくご存知の集魚Goods。
私も苦し紛れに船長からタコベイトを貰い装着するも、竿先は「し~ぃん」だ。

結果としてお隣りのフグ釣果は約20匹、対する私はやっとツ抜けとダブルスコアをつけられてられてしまった。
恐るべき花火パワー。

そんな上がったり下がったりのドタバタ釣行ではあったが、当日の夜、絶品のフグの湯引ポン酢で酒を飲んでいると、10月までに竿を直し、花火を大量に購入すれば「爆釣?」なんて阿呆なことを想像しているのだから世話がない。
因みに、当日アカメは船中1本と振るわなかった。
船長曰く「台風で少しウネリがあった。ウネルとアカメは喰わないんだよなぁ」とのこと…。
まー真相は詮索せず、そういうことにしておこう。

2012-08-10

身近になった千葉(利便性の光と影)

過日、金谷港のアジ釣りの話をしましたが、今回はその裏話。

私が釣りに興じるようになったキッカケは、亡き父と兄の形見の釣具を使おうとしたことからでした。
即ち、二人が存命だったときには、釣りは“連れていってもらう”もので、何から何までお世話していただいた(何もしない)のです。
酷いことに車の運転までもです(笑)。

彼等の釣りのフィールドは決まって房総で、船釣りに限定すると、布良か洲崎の船に乗ることが多かった…。
今では「ふぅ~ん」と思えるかもしれないが、彼らが通っていた(存命だった)時代にはアクアラインこそ辛うじて開通したが、肝心の「館山道」が開通していなかったものだから、その遠さは半端じゃなかった。

実は私もそんな記憶はとうに消えていたのだが、前回、金谷釣行した際に気まぐれで「のんびり下道でも走っていくか」なんて考えたものだから、昔の記憶が甦ってしまった。

当時を思い出すと、京葉道は蘇我(当時は浜野と呼んでいた筈だが…)までしか開通しておらず、アクアラインも金田(木更津金田)での出入りだったと思う。
そうなると、その後の工程は下道となる。

京葉工業地帯を支えた国道16号は、大きな緑地を施した中央分離帯が長く走り、非常に立派な道路だ。
この道を木更津まで南下すると、君津に入る。
君津から国道127号となるが、現在127号と呼ばれる道は旧道に代わって開通したバイパスだが、郊外型の店が道を挟んで乱立する。

その一角にある「餃子の大将」は釣りの帰り道によく立寄ったことを覚えている。
君津を過ぎ、富津に入ると道はだんだん山道になり、佐貫辺りには廃業している釣具屋が何件か目に入る。
かつて(館山道が開通する前は)、洲崎方面に向かう釣人は必ずこの道を通り、付餌や忘れ物をこの国道沿いの釣具屋で購入したもので、大勢のお客さんが深夜だというのに出入りしていたのを思い返す。
正に利便性による光と影だ。

過日の私の釣行は金谷までの道程だったが、父や兄は更に30~40km先まで往復していたのだから大変だ。

現在、アクアライン~館山道を深夜に走れば、館山まで90分で到着できる。
それは現代人にとっては当たり前のことなのだが、少し視点を変えれば、レジャー産業の普及の影にはロジスティックスの革新による小売業の衰退や、漁業の競争激化が横たわる。

小売に代わる産業がなければ、必然、若者が減り、高齢化が進み最後には過疎化する。
40歳を過ぎて思うことだが、町は幼い子供から老人までが適度なバランスで生存≒暮らすことが好ましい。

中央に暮らす人々全てに地方行政の在り方を問うつもりはないが、片や都民の7割以上は地方出身者が占めているのも事実。
少しばかりの知恵やアイディアを然るべき筋に提供することがあってもいいのではないだろうか。

また、目まぐるしいスピードで進化する都市化を当り前とする10代、20代(これからの時代の担い手)は、こういった問題に何を感じ、どう動くのだろう。
機会があれば、酒でも飲みながら意見交換したいものだ。

2012-08-05

SHIMANO部品取り寄せオソッ!

すっかり金谷のアジ釣りが気に入ってしまった私ですが、タックルの選択が悩ましい!
水深は深くて35mなので、リールは手巻きで十分なのだが、一旦速い潮が入ると柔調竿だとどうにも巻きが重くなる。
硬い竿は釣り味が悪くなるので使いたくない。

こんな理由で、パワーが(ギア比の低い)あり、パーミング性の良い手巻リールがマッチしていることから、最近、カルカッタ800Fを使っているのだが、このリールはハンドルの長さが2段階調整できる。

いままで短い方を使用していたが、速潮対策に長い方を一回トライしようと思い、メンテがてら、ハンドルを取り外した。

ハンドルの位置を変え、いざ固定ナットを締めると、どうも締まりが悪い。
ハンドルもガタ付く…。
スタードラグを手で押さえ、更にレンチに力を入れると、振っとナットが空転した!
あちゃ~っ、ネジヤマ潰しちまったょ!!

そんなこんなで仕方なく釣具屋に行き、部品注文する。
価格は210円もする。
「ハンドルロック用ナットが無ければ、金物屋で30円で買えるよ」と文句は言わなかったが…。

仕方なしに発注を済ませた帰り際、店員さんに「週末(次の)までに入りますか?」と聞いたら、“とんでもない!通常で3週間かかるので、お盆を挟んで4週間はみておいて”との回答。

まさに「目が点」だ!!
幾らなんでも自転車パーツを含む世界に名だたるメーカーのサービスとして如何なものかと思うのは私だけだろうか?

たかがナット1つで4週間リールが使えない。
サービスの改善が無理なら、世の中に流通しているナットやネジを流用できる設計にしないのか?
因みに(ハンドルロックは仕方ないとしても)、このナットは11mmと珍しいサイズでもある。
こんなんでいいのSHIMANOさん!


誘惑

仕事、仕事、仕事…。
一球一球、力んでしまう私の仕事に対するスタンスも悪いのだろうが、いつまでも区切りすら見えてこない仕事に如何せんウンザリしてきた。
そうなると最も手短なストレス解消は“酒”だ!

これも性(さが)なのであろう、私は釣りも酒も単騎を好む。
ある晩、そんな一人酒をしていると、随分騒がしい3人組が私の隣りに腰を落とした。

「何で俺の横なんだよ~」と、最初は眉間に皺でもよせていたのだろうが、漏れ聞こえる会話から“マグロ”が話題になっている!!
私の地元は築地に近く、河岸に勤めている方が多いので、河岸衆なのかなぁ~と私の耳もダンボになっていく。

が、その後、話題は食い物の話に移り、女の話に移りで、次第に私にはどうでもよくなってしまった…。
そうこうしている内に3人組は長居せず解散し、1人だけが席に戻ってきて「騒がしくてご免なさいねぇ」と笑いかけてきた。
この方がSさんで、何と、自宅が私と同じ町内だという。

また、私の目星は大筋当っており、先に帰った2人は河岸のマグロ専門店、Sさんは建物の内装屋さんだったが、やはり釣り人だったことから意気投合!

何釣りが好きか聞いてみると、泳がせカンパチに遠征することが多いと言う。
「よければ一緒に行く?」と軽~く誘うSさんに、「タックル持ってないから」と告げると、「みんな何本も持ってるから大丈夫だよ。剛樹でもアリゲーターでも好きなの使えばいいじゃない」ときた。
カンパチを狙う人間はセレブだぁ~。

1回でも、ご一緒したならMyタックルが欲しくなるのは釣人の性、遠征は船代も仕掛けも高い…。
財政破綻覚悟で飛び込むべきか?
何しろ相手は30kgのカンパチだぁ!ヒラマサだ!モロコだ!

一体、釣れたらどうやって持って帰るのだろう?