2013-09-07

オニカサゴの釣り方

Revenge‘13partⅠ(オニカサゴ編)にてチッこい鬼を釣るには釣ったが、如何せん納得いかない私…。
1kgアップ(夢の2kg)を目指し、再度リベンジの準備開始だ。
折しも多くの釣人がキハダ・カツオでフィーバーしており、船が空いていれば尚更ラッキーだ。
そ~んな都合いいことばかり考えていたのだが、振っと、この釣りについて今までブログで詳しく触れていなかったことに思い至り、自分の備忘録も兼ねて書き留めておくことにした。
諸兄の参考となれば幸いである。

【天秤仕掛け】
正式和名を「イズカサゴ」というが、巷で「オニカサゴ」といった方が通りがよいこの魚は、水深100~200mの中深場、根際や駆け上がり、駆け下がりに生息している。
故にベタ底を狙うことになるので、仕掛けは胴付でもよかろうと思われるが、天秤仕掛けが主流である。

これは胴付仕掛けで(底を切らない輩が意外にも多い)オマツリの多発防止と、頻繁な根掛りを未然回避しているのだろうなと勝手に推測している。
釣り雑誌によると、天秤仕掛けとすることで、枝スを出した吹き流しが可能となる。
所謂、ヨコ方向の釣り≒仕掛けを流せる範囲が広くなり、確立UP狙いなんだそうだ。

因みに私はチドリ天秤(アームが回転しないタイプ)を愛用している。
腕の長さはあまり気にすることもないが(短すぎると手前マツリするので、40cm程度か)、それよりも腕に張りのある伝達(アタリ)がよい材質を選んでください。
形状記憶合金のようなヘニャヘニャは不向きです。

【仕掛け全長】
仕掛けの全長は、地域(波の大小)や釣人のスタイルにもよるが、短いもので1.5m。
長い仕掛けでも2.5m。
あまり長過ぎると、棚ボケするので2.0mが主流かな。
敢えて言えば、早潮時には長めの仕掛けが有利。

【鈎】
エサ(鈎)を丸呑みする魚である。
その際、魚が違和感を感じれば吐き出すし、釣人がアタリを察知すればアワセを入れる。
となれば、必然的にネムリ(ムツ)鈎を使用することとなるが、鈎にヒネリが入っているとエサの回転で魚に違和感を与えるので、ヒネリが無いもの。

違和感という意味では、細い(軽い)鈎の方が潮馴染みが良いだろう。
また、小型のオニカサゴでも口は十二分に大きいので、サイズは大きいもの(ムツであれば18号とか)で構わないが、形状は(チモトから鈎先を結んだ角度が狭くなる)長軸を推奨する。
色については、特に拘る必要はないだろう。

人気魚のため、専用鈎も売られているが、私の考察では、長軸ムツ(細)ヒネリ無し18号が好ましいこととなる。
【幹ハリス・枝ハリス】
根魚に共通することだが、概ね彼等はハリスの太い細いにデリケートでない。
深場では食い物こそ少ないが、ストレスが少ない生活なのだろう。
最大でも2kgの魚だし、歯が鋭いわけでもなので、極端な話、ハリスは3号で十分なのだが、誘いを頻繁にかける攻めの釣人は、動きのよい細ハリス。

置き竿でも十分と考える静の釣人は、潮の抵抗を大きく受ける≒動きのナチュラルな太ハリスを選択してみては如何か。
定番は6号といったところ。
尚、後にも述べるが、枝ハリスは幹糸より2号位は細くすることを推奨する。

【タックル】
条件を絞り、手持ち誘い釣りのみとした場合、吹き流しの仕掛けからの魚信を拾うという意味で、感度の良い先調子の竿を使うこととなる。
中深場の場合、どんな竿を使っても、着底→底を切るときに糸吹けの影響もあり、スピーキーな動きが取れないものだが、7:3調子だと更に1~2テンポ遅れが生じる。

クッション性を犠牲にしてでもヤリイカ竿など、先調子のものがお薦めだ。
錘負荷表示は、地域(潮の速さ、水深)によっても異なるのだが、関東では150号を使用する船が多い。
誘い幅は1mあれば十分だが、ウネリが大きい日や潮の速い日に、棚をキープする為には短くても1.8m、2.0m前後が適当だろう。

電動リールにはPE4号を400m巻いておこう。
底立ちを取ることから水切れがよい細糸が有利なのだが、以前、イカ釣りで3号を巻いていて太いPEとオマツリして一発で高切れした経験から、中深場では4号以上と決めている。
棚は凡そ200mなので、1回高切れしても釣りが続けられるように400mだ。

基本的には手持ちの釣りなので、竿、リール共に軽いタックルであることに越したことはない。

【集魚グッズ】
今までにも述べてきたが、私は集魚グッズについては否定的な人間なので、コメントは控える。
仕掛けはシンプル is best が私の信条。
念の為、タコベイト位は鞄に忍ばせておいてもよいが、サバの猛攻がある時はすぐに外そう。

【エサ】
関東圏ではサバに限らず、銀か白の皮付きの身エサを、薄く2cm幅で10cm以上の長さに切ったものが推奨される。
俗に鬼は「ヒラヒラ」が好きというのは、実釣から本当のことだ。
当然、冷凍ものより新鮮(釣りたて)なものが良い。
御前崎に行ったときには、ブリのハラモが配られたこともある。

【釣り方】
海の中はどうなっているか覗くことが出来ない。
故に、我々はイメージで釣りをするしかないのだが、どうしても情報誌に掲載されるイラストが頭の中を占めてしまうようだ。
上図は、一般的な2m仕掛けで底を切ったイメージ図なのだが、大方の方は左図ようなイメージをお持ちではないだろうか?
左図の場合、底を1.5m切らなければ、先鈎は底スレスレとならない。

よく「底を1m切ったところでアタリを待つ」と言われるが、実際に底を1m切ったときに先鈎が底スレスレとなるには、60°(30°)仕掛けが吹かされていなければ成立しない(右図)。
海面の潮では参考にはならないかもしれないが、イメージ作りのために仕掛け投入時に直ぐに落とさず、海面で仕掛けの吹け方を確認してから仕掛けを落とすように心掛けてもらいたい。

次に問題としたいのが枝スのバランスだ。
前述しているが、枝スとハリスを同じ太さとしてしまった場合、潮の吹け方も同調してしまう。
違う動きを演出することと併せ、広く誘う≒違う場所に鈎を置いておくためにも、枝ハリスは幹ハリスよりも潮切れのよい細いサイズのものを使いたい。
そうすることで枝鈎が魚の上をスルーしてしまっても、もう一度先鈎で捕ることが可能となる。
右図では底を1m切り、仕掛全長の半分の位置から、それぞれ30cm~60cmまでの枝スを出したイメージなので参考まで・・・。

カサゴ類の本アタリは2通りある。
まず、浮いているエサを喰い上げた場合、根に戻ろうと反転するので、前アタリなく本アタリが大きく竿先に表れる。
このアタリが出れば、初心者でも鬼GETも安易だが、こんなアタリが現れるのは稀で、有っても(十中八九)外道のアタリだ!

通常は、居食いのようなアタリである。
エサ(鈎)の端を咥えた時、前アタリ。
エサ(鈎)を丸呑みしたときの本アタリとなるのだが、何れも魚は反転しないので、アタリはピクッピクッとしか竿先に表れない。
初心者でもない限り、見間違うような微妙なアタリではないものの、この前アタリを見逃してしまうと、折角のチャンスが半減してしまうので、要注意だ。

また、オニカサゴはエサを追うことは無いと言われており(目の前を通過してしまったエサは追わない)、前アタリがあった時も船(仕掛け)は風や潮、動力で流されているので、出来るだけそのポイントに仕掛けをステイしておくために、私はクラッチを切り、必要に応じて糸を少~しづつ送りながら、竿を送って丸呑みするシグナルを待つようにしている。

よく本アタリは「引き込むようなアタリ」というが、これも眉唾ものだ。
そんな明確なアタリがあれば苦労しない。
私の場合、前アタリから2回目(都合3回目)のピクッピクッでアワセを入れている。
とにかく、即アワセでは鈎掛りしないこをを念頭において置いてほしい。

また、アワセるときに注意しなければいけないのがPEの糸吹けだ。
何の気も遣わず、糸が吹けるままに着底し、そのまま誘っていたのでは、糸が吹けている分、肝心なアワセが効かない。
着底前に糸が立つようにサミング調整し、根歩きするときも糸を立てるよう常に心掛けが必要だ。
口が硬い魚でもあるので、向こうアワセで釣れるには釣れる魚だけど、鈎が口に引っ掛かっているだけという場合もある。
海面でポチャッてことになりたくなければ、必ずアワセは入れよう。

ここまで説明すればお解りのことと思うが、オニカサゴ釣りで大きく竿をシャクッている方をよく見かけるが、この動作は合理的でない。
この釣り方は、オニじゃなく普通のカサゴの釣り方で、底を引き攣っている鈎がシャクリによって底から浮き、適正なポジションとなったときのアタリで、こんなへっぽこブログを読んでいらっしゃる方は、そんな釣り方が本意ではない筈だ。

落ちてくるエサ(誘い)には反応するのだろうが、テンションが抜けた仕掛けからは明確なアタリが出ない。
故に「聞き」が必要となるので、常に聞き続ける訳だ。
竿先を上下して仕掛けを躍らせる誘いは有効と考えている。

棚を探るというという言葉も不適切だ。
オニカサゴは必ずベタ底にいるのだから、その日の仕掛けの吹け具合(底を何メートル切ったらエサが底スレスレを漂うか)をイメージしながら「アタリ」を探るのだ。
また、起伏の激しい場所を攻めることも多いので、忙しない程に底立ちを繰り返すことが重要だ。

但し、この底切りの調整はリールでなく竿で操作すること。
着底→底立ちをとり、糸を立てる→リールで底を切る(竿先を海面にアジャスト)→ゆ~くりと竿で目の高さまで聞いていく。
眼の高さまで聞けば1m誘うことになる。
アワセ又は竿を送るのにも適したポジションなのでこの位置を基本とする。
全長2mの仕掛けならば、底を50cm切るか、1m切るかの2通りでアタリ棚を探ることになる。

そうは言っても、海の状況は毎回異なる。
波の大きい日もあれば、潮の速い日もあるし、船頭の操船にも癖がある。
実釣はイメージ通り物事は進まず、アタフタと状況に対応することになる。

そんな日(海が悪く翻弄されるような状況)には、とにかくマメな底立ちを心掛けると共に、ロング仕掛けにチェンジして、竿は煽らずに船の上下で誘いをかける釣りに切り替えよう。
このとき注意しなければいけないのが、竿の弾力だ。

竿を水平にしてアタリを待つと、どうしても竿の弾力で仕掛が安定しない(穂先が暴れる)ので、竿先は海面向きに下げる(竿の弾力を殺し、しならせない)こと。
船が波の底にきたとき錘がコツッン~する位に調整し、こんどは2m波で浮き上がるなら、理論上、適度な誘いを入れていることになる。
ウネリが大きく、船が3mも浮き上がるような感じがすれば、更にロング仕掛けに切り替える。

私の一連のオニカサゴ動作イメージとしては…
①着底(糸吹けが出ないようサミングしながら)
②糸吹けを取り、出来る範囲で糸(PE)を立てる
③底を切り、ゆ~くりと1mほど聞き、魚信が底何mで出るか探る
④その日の棚に目星がつけばその棚で10秒ステイ。竿を上下して誘う
⑤アタリが無い→①に戻る。前アタリがあれば竿を送る(クラッチ切り、糸送る)
⑦本アタリ→アワセ(本アタリにならなくても枝鈎の次に先鈎に喰うのを想定し、ステイ)

【チャンス・時合】
オニカサゴが好む根に魚が集まってきているのか、群れで生息しているのか定かではないが、釣れるポイントに入ると船中同時ヒットということも頻繁にある。
誰かが釣れたらチャンスなことは間違いない。
そういう意味で、釣座は潮先有利になるので、船長の船の操りが解るようであれば、潮先に釣座は確保したい。
誰かが根掛りしたというのも一つの信号だ。

【旬・料理】
一年中釣ることが可能だが、食って美味いのは何と言っても冬!
このコメントについては、実釣記にでも触れることとする。

2013-09-01

フグの遊動仕掛け

美味しいフグを食いたくて…、そんな建前とは別に、外房~常磐のフグ釣りは熱くなる。

東京湾のフグ釣り(湾フグ)は、静かな海で微かな穂先の変化を見逃がすまいと、修行僧のような釣りとなるが、外房~常磐は外洋に面している分、波・ウネリが大きくアタリの見極めが難しい。

但し、フグの個体数は東京湾とは桁違いに多いため、船の上下動で勝手に「聞きアワセ」が入り、ブルッブッルルと「逃アタリ」が出る。
慌ててアワセを入れても豊富な群のおかげで釣りが成立してしまう。
故に、アタリを取るよりも空アワセが有効な訳だ。

この「逃アタリ」が曲者で、アワセて掛らなければ熱くなる!
外房~常磐のフグ師は、これがフグの本アタリと履き違えている方が多いが、実のところ本アタリは、このブルッブッルルの前にあるのだ。

「湾フグは難しい」とよく耳にするが、ことアタリの見極めだけでいえば、外房~常磐のショウサイフグの方が一段難しいのではないだろうか。

そんな本アタリを取りたくてフグ師の皆さんは、少しでも仕掛けの感度向上を目指し、工夫をする。(仕掛けは構造がすっごく単純ということもあるんだけど)

斯くいう私も“あれやこれや”してきた訳だが、いつまで経っても結論が見えない且つ、究極の課題が「遊動仕掛けはアタリが大きく出るの?」という点。

端的に言えば「エサ鈎と道糸がダイレクトの方がアタリが大きい筈?」。
ほとんど悩みと言っても過言ではないこの課題にひさびさに取り組んでみることにした。
ご覧のとおり、今回用意したのは「遊動式の鯛ラバ」。
90g(3.75g=1匁(号)として24号に相当)。
フック(エサ鈎)は遊びを少なくするためにダルマスリーブで接続した。

そして実釣(テスト)は、釣果情報で最も数が安定していた飯岡の幸丸まで足を延ばした。
心の中では爆釣&竿頭上等!
得てしてこういう場合には、必ずと言っていいほど落とし穴が待っているものだ…。

投資総額約1500円のこの仕掛け、投入開始から約3投でPEラインブレイクで海に奉納することになったのだ。
あ~神様、あなたはこの課題から私を解放してくれないのですね…。アーメン

そんな訳で、写真の仕掛けはちっこいフグ2匹しか掛けることができず、敢え無くテスト終了となったのだが、そこは好調な飯岡。
通常のカットウでも難無く45匹は拾うことができた。
また気が向いたときにこの課題には取り組むこととする。

P.S.
房総・常磐のショウサイフグに良さそうな竿を発見した。
Aブリッツカレイ82」だ。

過日、キス釣りで友人の竿を借りたのだが、非常に感度がよかった。
このキス竿がリーディングキスMHで、メガトップというカーボンソリッドの穂先(ティップ)を採用している。
フグ竿も「この穂先がついたモデルがあればいいのに」と思い、メーカーのHPを眺めていたら、あるじゃないの!メガトップ。

しかも竿の長さも165と一番欲しかった長さ。
更に、お高いダイワの竿なのだけれど、実勢価格も2万円を切っている(価格comでパッと見ただけだが)。

フグ釣りにカレイ竿?と怪訝な顔をされている方もあるかもしれないが、そこは私の経験とキャリアを信じてもらうほかないが、とにかく、これから外房・常磐のショウサイフグ竿の購入をお考えの方にお薦めの1本だ。