2014-05-11

ドシャ降り!(イカ墨の洗濯)

私はプランニング系の仕事をしていることもあり、案件が重なってくると、それこそ休日返上となってしまう。
何を隠そう、去る4月には釣行1回ポッキリ…。

GWには予てより約束していたファミリーフィッシング(シロギス)に参加はしたものの、フラストレーションは臨界点だ。
ファミリーフィッシングのメンバー
(有名人多数。ご存じの方がいるか探してみて!)
このままではマズイ!
斯くして、たった1日だけだが、リフレッシュ休暇を画策。
当日の天気予報は快晴、風も波も穏やかということだった。

そして、船宿の検索にあれこれとページを捲っていると耳より情報が目に留まる…。
洲崎の船宿で「マルイカ船開始します。丸イカファンのみんな~全員集合!」と。

ここのところ、内房や相模湾(東)ではムギを交え、浅場マルイカがプチフィーバーしている。
高釣果を得ている船宿は軒並満席必須なので、実績がない船宿であればお客さんも少なかろうと、ターゲットをマルイカに定めたのが事の起こりだった。

釣行日に乗船名簿を記入すると、私の他に2名しかお客さんがいない。
「してやったり」なのではあるが、その内の1名が房総でイカ釣りをする方なら知らぬ人はない名手・高田さん(市原市)だ。

右舷に3名が横並びになり出船。
私は胴間、高田さんが舳、もうお一人が艫。

予報通り、出船直後は無風ベタ凪で、釣果も思惑とおりムギOnlyでそこそこ乗ってくる。
舳を眺めれば、高田さんは着ノリした時には、リーリングを遅くして多点掛けを狙っているようで、単発で上げてしまう私と釣果が開きはじめている(両名とも仕掛けは直結)。
これもイカ釣りの引き出しのひとつですね…。

ところがだ、8時を回った頃から急に風が強くなり始める…。
それに反し、ポイントによっては1流し3回入れられる場所もあるくらいイカの活性は上がり、私にもダブル、トリプルが混ざる。

当然、高田さんは粗かた3点掛けなのだが…更に風が強まり(沖上がりの時点で陸上風速が7mあったので、海上では10m超えてたんじゃないかな?)、高田さんの多点掛けの取り込み時のイカ墨が風に押され私に降りかかってくるじゃないの!!!

しかも、上ツノにイカが乗っている場合、高田さんはイカを乗せたまま穂先まで上ツノを巻き上げ、船内に竿を取り込むもんだから、高い位置からイカさんが墨を吐き散らす。
リアルな話、雨みたいに音を立ててバッバババッバ~と墨が降ってくる。
堪ったもんじゃない!!!

選りにも選って当日の私のレインはベージュ(悲)。
被害状況はご覧のとおりの有様ですよ…。
写真で右から左に流れた墨の跡…ってか墨汚れは全部名手・高田さんのだぞ~(怒)!
前文が長くなりましたが、そんな経緯で今回はイカ墨の洗濯方法についてお話しをしようと思います。
まず、イカ墨とは何ぞ?ということから話します。
相手を知らなければ、対処法も見えてこないからね…。

先入観としてイカ墨=洗濯では落ちないと考えている方は、イカ墨=生物が作り出す物質という風に頭の中を切り替えましょう。

Wikipediaによれば、イカ墨は「色素成分はメラニン(ユーメラニン)である。アミノ酸により高い粘性を示す」とある。

この説明で、化学をしっかり学んだ方は、大筋、何を言いたいかお解りのことと思います。
色素は、アジア系の人間の頭髪が黒いのと同じメラニンです。
このメラニン、水・アルコール・油脂に不溶であるということは知っていますか?

次に主成分がアミノ酸≒タンパク質だということは、極端な話、イカ墨は鼻水に色素を混ぜたものという理解でよろしいでしょう。

前述のとおり、所詮、イカ=生物が体内で組成しているのだから、我々人間と大差ない話です。
これを落とすには?

そう、アルカリ洗剤を使えばそう大変な話ではないのです。
ご家庭に専用のアルカリ洗剤がなくても “重曹” や “風呂カビ洗剤” などで代用できます。
購入のポイントとしては、pH値のチェックです。
8~11以下が弱アルカリ性(重曹)、11以上がアルカリ性です。

弱アルカリ性洗剤(重曹)は汚れ落ちが「いまひとつ」というような声を聞きますが、浸け置きをすれば十分効果があります。
逆に、重曹は人が食べても安全であることが示すように、環境影響が極めて低いのでお奨めです。
何を隠そう、今回、私は重曹を使用していますので、その効果は写真でご確認ください。
因みに、今回は1昼夜浸け置いた結果です。
もう1点アドバイスするとしたら、イカ墨が付着した直後の対応です。
イカ墨の主成分はタンパク質なので、硬化します。
然るに1ヶ所にタップリ墨が着いたときは、墨が拡がっても構わないので、その部位を海水で流すようにしてください。

今回はムギ(スルメ)イカの墨でしたが、原則、イカ類(アオリ・スミイカを含め)の原理は同じ筈です。
但し、オーガニック素材(綿類)は原糸へ墨が浸透しているかもしれませんし、水に浸けることが憚られる防寒着も手強いかもしれません。
何か上手い方法を発見したら追記しておきますが、取り敢えず今回はここで話を結びます。

因みに今般の私の釣果は51杯(内マルイカ1杯)でした。
ここまでムギイカばかりとは思っていませんでしたが、タレをちゃんと持参していたので、沖漬けバッチリです。
あと、この船宿HPで皆さんマルイカGET写真が掲載されていますが、帰港後に写した「ヤラセ」です。
決して悪い船宿ではないだけに、少し興醒めしますねぇ…。