2011-04-29

ショウサイフグ考察①

関東で「フグ釣り」と言えば、たま~にトラフグやアカメ(ヒガン)フグも釣れたりするが、主役はショウサイフグだ。
このショウサイフグ、産卵期はトラフグと異なって夏で、フグ釣りの盛んな大原では資源確保の観点から5~9月は禁漁になってしまう。

しか~し、フグの産卵期、雄には美味しい美味しい白子が入っており、釣らない(喰わない)訳には参りませぬ…。
更にはサイズも冬よりもデカく、引きも堪能できるのである!
そこで、大原以外の港(禁漁期間のない)に出向くことになるのだが、数も楽しめる茨城は震災の影響もあり当てにならず、静岡は相良まで行けばデカフグが釣れるそうだが、如何せん遠い…。

そんな理由で、この夏は湾フグ(東京湾)が主戦場となりそうだなどと考えていた矢先、″大原でサイズが出始めた″ という情報を耳にしたものだから、「白子が入っているかも…」と何とか4月末の釣行を断行したのだ。

ところが、当日はうねりが高く、アタリを取ることに拘る私は調子が悪い。
それでもフグがポツリ、ポツリと釣れるが、中盤以降は右隣りの常連さんと比べても明らかにペース半減だった。

こういう日は空アワセを多用する方が安定するんだなぁ~などと考えながら釣りをしたのだが、果たしてウネリの高い日に本当にアタリは取れないのだろうか…?
今回の釣行では、いろいろと考えさせられることがあったので備忘録を兼ね考察を残すことにする。

まず、外房・茨城でショウサイフグに行かれたことがある方は経験されている筈だが、手元までフグのアタリが響いてくるのは、船の波による上下動が上向いたときだ。
当然、竿先はシナリ、海底の仕掛けが持ち上がり気味になった時にクックックッとくる。

群れが濃いときならこのアタリの後にアワセを入れてもカットウにフグが掛るが、活性が低いときはこのアタリの後では遅くなってしまう。

逆に船が波を下っているときはラインスラッグが大きくなり、アタリが見難いし、手感度のアタリは皆無だ。
しかし、船が上がっていようが下がっていようが、フグはエサを突いているのだ。
然るにアタリを見落としているだけなのである…。

実際に今回の釣行(大原)では、船は横流しが多く、釣座の有利不利があまり関係ない中で、私の釣果が35匹。
竿頭は55匹と20匹の差があった。

ではどうやってこの差を埋めるか…。
アタリを取ることに拘る以上、″ゼロテンションの微妙な調整″ しかない!
今回は、正しく経験不足…、至らない奴になってしまった。

そんなゼロテンションなのだが、ラインが「張らず緩まず」とよく言うが、フグにしろカワハギにしろ、私の経験ではテンションを抜き気味にした方がアタリが取れる。

流石にこの場合のアタリは「クックックッ」というようなものではなく、ラインがプッルッルと振動するようなものなのだが、理論上、テンションが掛っている方がアタリは明確な筈。

例えばシロギスは天秤仕掛けよりも、胴付仕掛けの方がアタリが明確に現れる。
しかし、シロギスと異なりフグは水中ホバリングで餌を啄むその ″振動″ をアタリとして捕えなければならないので、テンションを抜き気味にするというコメントを信じるか否かは諸兄に実釣により試していただくしかないのだが…。

因みにテンションが張り過ぎると、アタリが出ないことに加え、錘が海底を曳きずる振動が ″押え込み″ のアタリによく似ており非常に紛らわしい。

さあ、揺れる船上でこの抜き気味のゼロテンを如何にして維持するかが今回の課題なのだが、その前に今回の釣行で私の左隣の方が余りにも釣れず、痺れを切らした船長が釣り方を見に行き、「餌針がブラブラしている仕掛じゃダメだお~、これ使え!」といって餌針と錘が一体型になっている仕掛けを手渡していた…。


餌針一体型の錘

横で釣りをしていた私の仕掛けは餌針がブラブラしているどころか、錘は半誘導になっているものだったので、この点についてもアレコレ考えさせられた。
そこで仕掛についての考えも纏めておくことにする。

私の仕掛けはキスの半誘導テンビンのように、ナツメ錘が3cmほど誘導するものだった。

これは湾フグ仕掛けだが、同じく半誘導

これは餌針と道糸がダイレクトに繋がっていた方がアタリが捕え易いだろうと考えてのものだったが、今回の船長の一言で肝心なことを見落としていたことに気付く。

海底の様子をイメージすると、

(1)着底、フグは餌に寄ってくる
   ここでは餌針が一体型であろうがブラブラだろうが関係ない

(2)餌(アオヤギ)を啄む
   フグは餌を噛み噛みするのだが、一体型の錘の重さに違和感を持つの
   だろうか?自重のある錘一体型の方がフグには餌が噛切りやすいので
   はないか?

(3)アタリ≒餌を啄む振動
   フグが餌を啄む際、錘による違和感が生じないのであれば、明らかに
   一体型の方が魚信が大きくなる。これはカワハギの這わせ釣りの中錘
   と同じメカニズムだ。

確かに船長が言うとおり、錘と餌針が一体式の方がアタリが増幅されることになる。
フムフム、次回は是非試してみよう。

また、外房・茨城のカットウ仕掛け(25~30号)では餌針一体型の錘が市販されているが、湾フグ用は一体型錘は売られていない。
白子確保に向けて、ひとつテンヤ・カブラを流用することに…。

あと今回の釣行でもうひとつ注視したのがカットウだ。
外房・茨城ではカットウは上下2段とするのだが、フグが掛ると海底からくるくる廻りながら上がってくる。
フグの掛った枝スが掛っていない枝スを巻き込みながらクルクル、クルクル…。
当然、2本の枝スが撚れて、フグを何本か上げると糸癖がついてヨレヨレになる。

そこでビニルパイプなどで枝スを保護するのだが、今回、よく観察するとフグの殆どは上のカットウに掛っている。
という事は、下のカットウはアシストフックであり、極端に言えば必要ないのだ。

更には枝スが1本になるのであれば、ビニルパイプの保護も不要となる…。
次回からは、湾フグよろしく外房でも1本カットウとしてみることにする。

話が脱線したが、今回のメインテーマ、ウネリの大きい日に如何にゼロテンを維持するか?
おぼろげな結論ではあるが、仕掛けを幾分遠目にキャストして、船の上下が下がりきった際、竿を立てた状態でゼロテンを作ることと思い至った。

こうすることで、ゼロテンを維持する竿操作を出来るだけ小振りに≒竿先を止める時間を長く保つことができる。
だが、これまでの釣行でそんな釣り方をしている方をお見掛けしたことはないので、とんだ思惑違いという結果もあるかもしれない。
まぁ、そのときには悪しからずご容赦願いたい。

最後に今回のフグ様、サイズこそデカイのがポツポツ混じったが、白子が入ったフグはいなかった…。

今回も釣れたフグを干物にした。
上に乗せているのがデカフグの半身の半分(1/4)

0 件のコメント:

コメントを投稿