ラベル ショウサイフグ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ショウサイフグ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014-03-21

師崎のフグ釣りについて

諸兄は師崎(もろさき)という地名をご存知だろうか?
地図をご覧いただければ一目瞭然なのだが、名古屋の南に位置する知多半島の突端に師崎(もろさき)という港があります。
関東の人間にはあまり知られていませんが、彼の地(海)ではフグ釣りが市民権を得ていて、盛んなんです。

「いつか福岡、山口・島根方面にもフグ釣りに行きたい!トラ釣れっかな~」なんて考えているフグジャンキーなワタクシ。
そんな大遠征にならずとも、関東から週末に何とか足を運ぶことが可能な師崎の事情を探ってみました。

地元の方から聞いた話では、師崎のフグ釣りの歴史は浅く、関東でフグ釣りを経験した某釣具メーカーの職員が、熱心に船宿に通い、説得し、乗合が始まったらしい。
推測ですが、10年程前からではないのかな?

ところが、所変われば品変わる。
地域や海の特性、フグの種や習性が違うのだから、派生したのは関東であっても、同じ釣りが成立するわけもなく、師崎の釣りは関東とは趣きが異なっているんです。
主な理由は次の2つ。
  • 海底は根が多く根掛りが多いこと(ポイントは、渥美半島の外)
  • 遠州灘が湾内に食い込んでいるために潮が速い(矢作川、長良川、木曽川の影響も?)
関東と最も異なるのがカットウ鈎です。
前述のとおり、師崎は根掛りが多いので、経済的な問題なのか?地元の方の創意工夫なのか?多くの釣人が “アユ鈎” を使用しているという。
アユ鈎の画像はこちらのブログより拝借したものだが、なんて量だ…。
根掛りの要因は、根の多さの他にも、速潮で船の押されが速いこともあるのだろう(少し気を抜いていたら、ガシッとなる…)。

また、潮が速ければ錘が重くなるし(師崎は30号標準、外房や茨城では25号標準)、根掛りの多さはPEの太さにも現れる。
師崎ではPEは1.5~2.0号を指示している宿が多いようだ。

フグのアタリは繊細なため、PEは細いに越したことはない。
関東は比較的に砂地を狙うことが多いので、根掛りに頓着せずPEは1.0号が主体。
ハリスにしたって、フグに喰いちぎられないように10号を使う人もいるくらいだ。
ところが師崎では、
  • 根掛りでPEが切れるのを防ぎたい→2.0号指示
  • 速潮(アタリ感度)→PEの水抵抗をできるだけ低く(細く)したい
イタチごっこだ。
潮の速さは竿にも影響します。

師崎は伊勢湾・三河湾の複合湾。
東京湾同様、風向きもあるが、干満(潮流)で潮先の釣りは弥が上にもやり辛い。

船の下にもぐり込むライン。
それでもマメに底立ちを取らなければならないので、短竿はやり辛い。

地元の方から聞いた話では、そんな事情で柔らか目のカワハギ竿(1.8m)を使う方と、短く感度のよい短竿を使う方と二極化しているようだ。
メタリアカットウH142を使っている方が多いとも聞いた。

私も所有しているフグ竿で、がまかつ・カットウスペシャル180(カタログ落ち)がある。
この竿を買ったときは、カワハギ兼用と考えていたので長さに違和感を持たなかったのだが、買ったあと「フグには長いんじゃね?」と思っていた…。

そんな疑問も今回、師崎のことを調べてみると腑に落ちる。
大阪メーカーである “がまかつ” はやはり関東以西に根強い(シマノも大阪だけど…)。
故に地域に根ざした釣物(竿)にバリエーションを設けたのだ。
私は今までてっきり胴付仕掛けを使う方が多いのだろうと考えていた。

そんな師崎のフグ釣りは、3月現在、彼岸フグで賑わっている。
こんな写真を見せつけられて、行ってみたくなるのは私だけだろうか?
週末に名古屋出張がないのかなぁ。

2013-09-01

フグの遊動仕掛け

美味しいフグを食いたくて…、そんな建前とは別に、外房~常磐のフグ釣りは熱くなる。

東京湾のフグ釣り(湾フグ)は、静かな海で微かな穂先の変化を見逃がすまいと、修行僧のような釣りとなるが、外房~常磐は外洋に面している分、波・ウネリが大きくアタリの見極めが難しい。

但し、フグの個体数は東京湾とは桁違いに多いため、船の上下動で勝手に「聞きアワセ」が入り、ブルッブッルルと「逃アタリ」が出る。
慌ててアワセを入れても豊富な群のおかげで釣りが成立してしまう。
故に、アタリを取るよりも空アワセが有効な訳だ。

この「逃アタリ」が曲者で、アワセて掛らなければ熱くなる!
外房~常磐のフグ師は、これがフグの本アタリと履き違えている方が多いが、実のところ本アタリは、このブルッブッルルの前にあるのだ。

「湾フグは難しい」とよく耳にするが、ことアタリの見極めだけでいえば、外房~常磐のショウサイフグの方が一段難しいのではないだろうか。

そんな本アタリを取りたくてフグ師の皆さんは、少しでも仕掛けの感度向上を目指し、工夫をする。(仕掛けは構造がすっごく単純ということもあるんだけど)

斯くいう私も“あれやこれや”してきた訳だが、いつまで経っても結論が見えない且つ、究極の課題が「遊動仕掛けはアタリが大きく出るの?」という点。

端的に言えば「エサ鈎と道糸がダイレクトの方がアタリが大きい筈?」。
ほとんど悩みと言っても過言ではないこの課題にひさびさに取り組んでみることにした。
ご覧のとおり、今回用意したのは「遊動式の鯛ラバ」。
90g(3.75g=1匁(号)として24号に相当)。
フック(エサ鈎)は遊びを少なくするためにダルマスリーブで接続した。

そして実釣(テスト)は、釣果情報で最も数が安定していた飯岡の幸丸まで足を延ばした。
心の中では爆釣&竿頭上等!
得てしてこういう場合には、必ずと言っていいほど落とし穴が待っているものだ…。

投資総額約1500円のこの仕掛け、投入開始から約3投でPEラインブレイクで海に奉納することになったのだ。
あ~神様、あなたはこの課題から私を解放してくれないのですね…。アーメン

そんな訳で、写真の仕掛けはちっこいフグ2匹しか掛けることができず、敢え無くテスト終了となったのだが、そこは好調な飯岡。
通常のカットウでも難無く45匹は拾うことができた。
また気が向いたときにこの課題には取り組むこととする。

P.S.
房総・常磐のショウサイフグに良さそうな竿を発見した。
Aブリッツカレイ82」だ。

過日、キス釣りで友人の竿を借りたのだが、非常に感度がよかった。
このキス竿がリーディングキスMHで、メガトップというカーボンソリッドの穂先(ティップ)を採用している。
フグ竿も「この穂先がついたモデルがあればいいのに」と思い、メーカーのHPを眺めていたら、あるじゃないの!メガトップ。

しかも竿の長さも165と一番欲しかった長さ。
更に、お高いダイワの竿なのだけれど、実勢価格も2万円を切っている(価格comでパッと見ただけだが)。

フグ釣りにカレイ竿?と怪訝な顔をされている方もあるかもしれないが、そこは私の経験とキャリアを信じてもらうほかないが、とにかく、これから外房・常磐のショウサイフグ竿の購入をお考えの方にお薦めの1本だ。

2011-09-24

悪いことばかりじゃない

ここのところのフラストレーションを晴らすべく、鹿嶋にフグ釣りに出掛けた。
心の中で「もしかしたら束っちゃう?」なぁ~んて、不埒なことは“当然に考える!”
船宿は何時もの幸栄丸さんだ。

今回の気合いの入り具合を象徴するように、出船2時間前に港に到着する。
勇んで席を取りに行くと、両艫がどころか、胴間しか空いていない…。
そもそも、人気宿でなくても2時間前に艫が確保できると思っている私の認識の甘さは、却って潔さを感じるほどだ…。
しかし、解ってほしい。
出船2時間前に港に着くなど、私には年に1度あるかないかの快挙だということを。

仕方なしに空いている席で準備をしていると、中乗りさんが「1人なら別船に移らない?昨日は潮が早くてオマツリ多かったから空いている別船の方がいいよ。まだ3人しか乗っていないから」と勧めてくれた。
その別船は見てのとおりの職漁船だ。

20t級の主船と比べると見劣りします。

しかし、今回の私は冷静だった。
確かに20t級の船は揺れも少なく快適だ。
だが、主船のなかを見渡せば、乗船者で満員御礼である。
オマツリ必須だし、船が大きい分、竿先から水面までの距離が高く釣り辛いという難点もある。
今回、そこそこの釣果が無ければフラストレーション解消にもならないので、実利を優先し「移りま~す」と回答した。

だが、この一言が不幸をもたらすことになるのを私はまだ知らない。

いざ出船すると、別船は船縁が低いこともあって飛沫がバンバン飛んでくるし、足元には漁で使うロープが束で積み上げてあるわで足元も悪い。
そんな狭い船中、網を巻く機械に頭をぶつけて「あっ痛っー」と苦悶していると、私の背後で「ガシャッン」と音がした。

中乗りさん(先程とは別の人)が私の竿を踏んずけたのだ。
悪げもなく立ち去る中乗りさん。
可愛そうな愛竿を手に取ると、トップガイドから5番目が明後日の方向にひん曲がっている。
恐る恐る指で押して直そうとすると「ポッキ」とあっけなく折れてしまった…。


普段はウサギのようにおとなしい私も流石に文句する。
しかし「ゴメン、ゴメン」と謝られてしまうと、もう修理に出すほかやりようがない…。
世の中こんなもんである。

彼是している間にエンジンがスローダウン。
当日のポイント鹿嶋沖に到着したようだ。


ポイントに着くと、竿を踏んずけた中乗りさん(以下こちらを「中乗りさん」と呼ぶ)、性懲りもなく私の横で竿を出すらしい。
デリカシー欠如?本当に反省しているのか?
まあ人懐っこい人だし、仕方ないかと諦める。

当日は最初の一投からポンポーンと二連荘。
「よしよしこの調子なら束かも、束…」とニンマリしていたが、後が続かない。
中乗りさんが船の雑用を終え、少し遅れて自分の道具を入れた…。
すると、あれよあれよの入れ掛かり。

幸栄丸に乗るたびに、オマツリを解いたりする合間・合間ながら、竿頭を超える釣果を出すことは知っていたが、目の当たりにすると凄い破壊力だ。
ガイドは壊されたけど、よくよく考えれば隣で釣りをする機会も滅多にないのだから、ここはシッカリ学習させて貰おうと気持ちを切り替えた。

彼のフグ釣りは単純なタイム釣りではない。
ゼロテンで待つ私の釣りと相反して常に道具を動かしアクションも大きい。
アタリをとって掛けることもあるが、見切りが早く、結果タイム釣りに見えるようだ。

そんな中乗りさんの釣り方を見聞きした(最終的に別船には5名しか客が乗らず、中乗りさんは仕事らしい仕事もなく、ず~と私の隣で釣りをしていた)内容は次のようなものです。

●大原のように小型の群れが湧いて、ダブル・ダブルの連続といった
 “入れ掛かり”は鹿嶋には無い

●フグが底で当らない場合、空アワセを頭の上まで大きくする。掛れ
 ば宙層狙いに切り替える(仕掛を落とすときサミングで様子見も)

●フグが船下で当らない場合、遠投して広く探る。この方が船下で粘
 るより1匹が早い

●カレイの小突きのような誘いが有効である

●これは私もやるのだが、底棚キープ≒ゼロテンキープするのにクラ
 ッチを切りっ放しにもする

特に「カレイの小突き」はやってみると目から鱗。
確かに誘い&ストップで、打率は目に見えて上がった。
そんなレベルUPというボーナスがついた釣行の釣果は59尾。
竿の破損はあったものの、悪いことばかりじゃない。


ショウサイフグはこれからシーズンイン。
大原の10月解禁、マル秘スポット(洲崎)、天然トラフグが釣れる千倉への釣行が楽しみである。

2011-08-14

夏場のフグ釣りは…。

私も初老に差しかかったのだろうか…?
ここのところ物忘れ、凡ミス、所謂ボケが非常ぉ~に目立つ。

●同僚のチケットを預かった新幹線出張に寝坊
●ビジネスシャツが気付かぬ内に食い物のシミだらけだったり
●トマトジュースの缶を不用意に開けて中身を被ったり
●車のキーを車内に閉じ込めたり
●ポケットの中のタバコに気付かずに洗濯。洗濯物をタバコの葉だらけにしたり

と、とにかくボロボロ。
不注意が過ぎるというか、情けない限りだ。

こんなボケが釣りにも感染してしまったのか、やる事が全て裏目だ…。
ご執心のフグ様からはストーカー扱いされているらしく、私が追っ掛けていくと、イャ~ン、イャ~ンと逃げていってしまう…。
それでもしつこく追うのだが。

そんな訳で、今回はショウサイフグの北限、日立久慈港までプチ遠征した。
久慈港のフグ船は、8月に入ってから軒並み連日の束釣りが報じられていたので、居ても立ってもいられない。
初めてお邪魔することとなった船宿は宮田丸さんだ。




久慈港を岸払いした船は、一路北上する(後から地図で調べたところ、凡そ川尻港の沖あたりまで)。
驚いたことは、先にポイントに到着していた僚船がアンカリングしている。
湾フグ以外でアンカリングしたフグ釣りはお目にかかったことがなく、当然想定もしていない。
根の上から動かないということは、必然、艫有利で釣座の優劣が出てしまう…。

私の釣座は左舷胴(舳から3番)、アッチャッ~またやっちまった!
とは言っても、気分は束釣りなので「釣座なんて関係ねーよ」とここ最近の不運を断切った。

そんな動揺と気持ちの入れ替えをしていたら「はい、どうぞ~」と投入合図。
ポチャッ、スルスルスルルルッル、トンッ(着底、水深は10m以浅)。
ん~?
ん~?
あれぇ~!

ここが根の上だということが解っていながら、着底一発、いきなり根掛かりである。
「根が有るから底切ってねぇ~」と船長から指示が入るが、時すでに遅し。
こうなると何でも人のせいにしたくなる。
心の中で「早く言ってくれよ~」とボヤキながら竿を煽っていると、プッと仕掛が軽くなる。
あ~ぁ、と糸を巻き上げてくるとリーダーまでロストしており、いきなりのタックルチェンジとなる。

実のところ、フグ釣りで根を中心に攻めるのは初めてで、一瞬、胴付き仕掛けも考えたが、船中を見回すと決して束釣りするほどのペースには見えない。
活性が低調であるなら、カットウの方が有利かなと判断し、2つ付けていたカットウを1つにして、この後の仕掛けロストに耐えられるようにした。

船長さんも活性の低さを1発で見抜き、長い探索をおこなったが、どうにもならないと判断したのだろう、船を根に固定してしまった。
そこからは地味~な1匹、1匹の拾い釣りだ。
根があるから遠投で探ることもできない。
それでも錘は追加1個、計2個ロストし、駄目駄目スパイラルから脱出することが出来ない…。

但し、当日初めてとなるカットウでの宙釣りは、マルイカにも似てごく僅かなアタリを拾う釣りで面白い。
束釣りできるような高活性時のフグは「ガツッガツッ」と明確なアタリとなるが、そんな経験が多い地元の方(特に左舷)は本当に戸惑ったことだろう。

加えて、錘を着底させていない宙釣りではアワセが1発では決まらない
何回かアワセては降ろしを繰り返し、乗りを捕らえてから一気に巻き上げる釣りとなる。

そんな感じで根掛りに苦しみながらも、ポツポツとアタリを拾えて、43匹(内、アカメ1匹)でフィニッシュ。
とにかく初めての宙のフグ釣りを経験し、至らない点が多々あるものの、引き出しが増えたし、1時間以上、釣れない時間帯もあったが、釣り自体は楽しむことが出来た(白子もまあまあ入っていた)。


折しも釣行前夜は満月…。
以前、草フグが満月の夜に集団で産卵しているのをTVで見たことがある。
種は異なるが、ショウサイさんも前夜に産卵を済ませ、群れが散ってしまったのであろう。
前日も宮田丸さんは束釣りを記録している。

夏場(産卵時期)のフグ釣りは満月(新月)の前日までが狙い目なのだ!
たった1日早く釣行できれば天国だったのに…。

----PS------------------------------------------------
9月からフグのマル秘スポット(洲崎)が動くらしい。
楽しみである!
-------------------------------------------------------

2011-07-04

白っ子ぉ~(ショウサイフグ考察②)

ここのところ私の主力ターゲットと化しているショウサイフグだが、過日、10尾という湾フグ並みのワーストレコードを樹立してしまった…。
船中トップ22、裾7と悪い日並みではあったが、さすがに凹む。


そんな敗因は何か?
現場(船上)では考え及ばなかったことが、落ち着いてくるとチラホラ見え隠れするようになる。
そんな朧気な考察ではあるが、今般はこの敗因を探ってみることとする。

「夏のショウサイフグと冬のショウサイフグの釣り方は異なる」
ショウサイフグは周年狙うことが可能だが、釣りの盛期は初冬から春先までとなる。
この冬、大原に何度も通って仕掛や釣り方を工夫して、過日の釣行はその(冬仕様の)まま挑んでしまったのだが、どうやら夏場は事情が異なるようだ。

●水温:底ベタの冬に対し、水温(活性)が上がる夏のフグの棚が浮く
●水色:澄んだ冬に対し、濁る夏は消極的アピールではエサが目立たないか

過日の同船者の仕掛けは私以外、全員がハイブリッドで(カットウ仕掛けの上に喰わせ仕掛けが付いている。私はハイブリッドが嫌いなのでカットウのみ)、ヒット率は喰わせ仕掛けが7割程度か…。
更に私の錘の色は「パールホワイト」。あまり目立つ色でない。

従って、着低から30~40cmほど棚をきって誘いを掛けてみたのだが、どうにもアタリが伴わない…。
当然、エサ(アオヤギ)はタップリと付けて、ベロだけに鉤を通し肝がブラブラするように心掛けたし、キャストして広範囲を探ることもしたが、パッとしない。
エサすら齧られないのだ…。

そんな与件から導き出した教訓は、喰わせ用のタックルと、私の好きなカットウ用のタックルを2つ用意すること。
錘は出来るだけ発光の強い色(グロウ系他)とする。
また特エサとしてイカタンやエビ類も有効だろう。

因みに、フグの喰わせ釣りは、カワハギの弛ませと同じで、ゼロテンからアタリがあればやや強めの聞きアワセを入れる。
ハイブリッド仕掛けを私が嫌うのは、喰わせ側のアタリか、カットウ側のアタリか解らず、煩わしいことに起因している。

「竿は長いほうが有利?」
この点に関しては季節に関係のない話だが、外房や茨城のカットウ釣りは8:2の先調子であれば専用竿を使うまでもないが(宙釣り用のガチガチのカワハギ竿は硬すぎる)、ベタ凪の夏に感じたことは、長い方が有利だなということ。
何せ湖のようなベタ凪だというのに、海底形状や船の流し方によってはゼロテンをキープするのに腕の長さだけじゃ足りず、クラッチを切ることもシバシバ…。

今まで波っ気のある海ばかりだったので、逆に気付かなかった点だ。
因みに私の竿は145cmなのだが、手返しさえ気にならなければ190cmあってもいいかもしれない。

これが過日の敗因分析(考察)なのだが、この時期に敢えてフグ船を探してまで出掛けるのは白子(真子)が入っているからだ…。

過日、お世話になったのは千倉の千鯛丸さんで、予てより常連さんが足繁く通うという噂は耳にしていた。
実際に利用してみると、常連が多いのも「成程」と頷ける。

出船直前、「あの赤い車は誰の?」と船長がマイクでアナウンスする。
「待っているから避けといで。カモメの休憩場所の真下だから酷いことになるよ!」

ブログを拝見しても、話(文章)が上手い。
流石に自然相手のお仕事なので、お天気次第というような表現も介在するが、至って理論的である。

ポイント移動時にも「型を狙ってこちらに来たが、潮型が悪い。この潮型は粘るだけ無駄なので早めに見切って移動します」とマイクで説明が入る。

きっと前職があって、根っからの漁師や船長ではないのであろう…。
千倉は決してアクセスが良い場所ではないが、長くお付き合いしたい船宿です。

そんな千鯛丸さんで釣ったフグは数は少ないけれど、ちゃ~んと白っ子ぉ~が入ってましたぜぃ!

2011-04-29

ショウサイフグ考察①

関東で「フグ釣り」と言えば、たま~にトラフグやアカメ(ヒガン)フグも釣れたりするが、主役はショウサイフグだ。
このショウサイフグ、産卵期はトラフグと異なって夏で、フグ釣りの盛んな大原では資源確保の観点から5~9月は禁漁になってしまう。

しか~し、フグの産卵期、雄には美味しい美味しい白子が入っており、釣らない(喰わない)訳には参りませぬ…。
更にはサイズも冬よりもデカく、引きも堪能できるのである!
そこで、大原以外の港(禁漁期間のない)に出向くことになるのだが、数も楽しめる茨城は震災の影響もあり当てにならず、静岡は相良まで行けばデカフグが釣れるそうだが、如何せん遠い…。

そんな理由で、この夏は湾フグ(東京湾)が主戦場となりそうだなどと考えていた矢先、″大原でサイズが出始めた″ という情報を耳にしたものだから、「白子が入っているかも…」と何とか4月末の釣行を断行したのだ。

ところが、当日はうねりが高く、アタリを取ることに拘る私は調子が悪い。
それでもフグがポツリ、ポツリと釣れるが、中盤以降は右隣りの常連さんと比べても明らかにペース半減だった。

こういう日は空アワセを多用する方が安定するんだなぁ~などと考えながら釣りをしたのだが、果たしてウネリの高い日に本当にアタリは取れないのだろうか…?
今回の釣行では、いろいろと考えさせられることがあったので備忘録を兼ね考察を残すことにする。

まず、外房・茨城でショウサイフグに行かれたことがある方は経験されている筈だが、手元までフグのアタリが響いてくるのは、船の波による上下動が上向いたときだ。
当然、竿先はシナリ、海底の仕掛けが持ち上がり気味になった時にクックックッとくる。

群れが濃いときならこのアタリの後にアワセを入れてもカットウにフグが掛るが、活性が低いときはこのアタリの後では遅くなってしまう。

逆に船が波を下っているときはラインスラッグが大きくなり、アタリが見難いし、手感度のアタリは皆無だ。
しかし、船が上がっていようが下がっていようが、フグはエサを突いているのだ。
然るにアタリを見落としているだけなのである…。

実際に今回の釣行(大原)では、船は横流しが多く、釣座の有利不利があまり関係ない中で、私の釣果が35匹。
竿頭は55匹と20匹の差があった。

ではどうやってこの差を埋めるか…。
アタリを取ることに拘る以上、″ゼロテンションの微妙な調整″ しかない!
今回は、正しく経験不足…、至らない奴になってしまった。

そんなゼロテンションなのだが、ラインが「張らず緩まず」とよく言うが、フグにしろカワハギにしろ、私の経験ではテンションを抜き気味にした方がアタリが取れる。

流石にこの場合のアタリは「クックックッ」というようなものではなく、ラインがプッルッルと振動するようなものなのだが、理論上、テンションが掛っている方がアタリは明確な筈。

例えばシロギスは天秤仕掛けよりも、胴付仕掛けの方がアタリが明確に現れる。
しかし、シロギスと異なりフグは水中ホバリングで餌を啄むその ″振動″ をアタリとして捕えなければならないので、テンションを抜き気味にするというコメントを信じるか否かは諸兄に実釣により試していただくしかないのだが…。

因みにテンションが張り過ぎると、アタリが出ないことに加え、錘が海底を曳きずる振動が ″押え込み″ のアタリによく似ており非常に紛らわしい。

さあ、揺れる船上でこの抜き気味のゼロテンを如何にして維持するかが今回の課題なのだが、その前に今回の釣行で私の左隣の方が余りにも釣れず、痺れを切らした船長が釣り方を見に行き、「餌針がブラブラしている仕掛じゃダメだお~、これ使え!」といって餌針と錘が一体型になっている仕掛けを手渡していた…。


餌針一体型の錘

横で釣りをしていた私の仕掛けは餌針がブラブラしているどころか、錘は半誘導になっているものだったので、この点についてもアレコレ考えさせられた。
そこで仕掛についての考えも纏めておくことにする。

私の仕掛けはキスの半誘導テンビンのように、ナツメ錘が3cmほど誘導するものだった。

これは湾フグ仕掛けだが、同じく半誘導

これは餌針と道糸がダイレクトに繋がっていた方がアタリが捕え易いだろうと考えてのものだったが、今回の船長の一言で肝心なことを見落としていたことに気付く。

海底の様子をイメージすると、

(1)着底、フグは餌に寄ってくる
   ここでは餌針が一体型であろうがブラブラだろうが関係ない

(2)餌(アオヤギ)を啄む
   フグは餌を噛み噛みするのだが、一体型の錘の重さに違和感を持つの
   だろうか?自重のある錘一体型の方がフグには餌が噛切りやすいので
   はないか?

(3)アタリ≒餌を啄む振動
   フグが餌を啄む際、錘による違和感が生じないのであれば、明らかに
   一体型の方が魚信が大きくなる。これはカワハギの這わせ釣りの中錘
   と同じメカニズムだ。

確かに船長が言うとおり、錘と餌針が一体式の方がアタリが増幅されることになる。
フムフム、次回は是非試してみよう。

また、外房・茨城のカットウ仕掛け(25~30号)では餌針一体型の錘が市販されているが、湾フグ用は一体型錘は売られていない。
白子確保に向けて、ひとつテンヤ・カブラを流用することに…。

あと今回の釣行でもうひとつ注視したのがカットウだ。
外房・茨城ではカットウは上下2段とするのだが、フグが掛ると海底からくるくる廻りながら上がってくる。
フグの掛った枝スが掛っていない枝スを巻き込みながらクルクル、クルクル…。
当然、2本の枝スが撚れて、フグを何本か上げると糸癖がついてヨレヨレになる。

そこでビニルパイプなどで枝スを保護するのだが、今回、よく観察するとフグの殆どは上のカットウに掛っている。
という事は、下のカットウはアシストフックであり、極端に言えば必要ないのだ。

更には枝スが1本になるのであれば、ビニルパイプの保護も不要となる…。
次回からは、湾フグよろしく外房でも1本カットウとしてみることにする。

話が脱線したが、今回のメインテーマ、ウネリの大きい日に如何にゼロテンを維持するか?
おぼろげな結論ではあるが、仕掛けを幾分遠目にキャストして、船の上下が下がりきった際、竿を立てた状態でゼロテンを作ることと思い至った。

こうすることで、ゼロテンを維持する竿操作を出来るだけ小振りに≒竿先を止める時間を長く保つことができる。
だが、これまでの釣行でそんな釣り方をしている方をお見掛けしたことはないので、とんだ思惑違いという結果もあるかもしれない。
まぁ、そのときには悪しからずご容赦願いたい。

最後に今回のフグ様、サイズこそデカイのがポツポツ混じったが、白子が入ったフグはいなかった…。

今回も釣れたフグを干物にした。
上に乗せているのがデカフグの半身の半分(1/4)

2011-01-24

なんちゃって竿頭

昨日(1/23)、知人と連れだって大原の鈴栄丸さんにショウサイフグに釣行しました。

ところが、知人は前日遅くまで酒を飲んでしまったようで調子が悪そう。
しかも、早朝の指がサブイったらありゃしない!
更ぁーに、解禁(10月)から好調を維持してきたフグ様までご機嫌斜め。
釣れない…。

船長曰く「フグもインフルエンザにかかった」んだそうだ…。

そこで空かさず常連さん。
「じゃーマスクして釣れば大丈夫だな!」がっはっはっはっはっ
百戦錬磨は元気だ。

その元気も徐々に萎えはじめる。
だってフグが船中でたまーにポツンと上がる程度の渋さですから…。

そうなると百戦錬磨達にも着席スタイルが目立つようになる=更に釣れない。
当然、知人も我慢(釣れない)の限界に達し、マーライオン(ろーげ&キャビンでダウン)に化けてしてしまいました。

そこで、このブログにフグ情報を求めていらっしゃった方にアドバイス。

「フグは座ってたら釣れません!」

外房や鹿嶋でのメインの釣り方であるタイム釣り≒凡そ5秒毎に空アワセで引っ掛けるのは話が別ですので、カットウ釣りでしっかりとアタリを見極めたい方への限定(湾フグの釣り方です)。

座ってしまえばアタリは見極められないのです。

考えてみて下さい。
フグは海底(付近)に居ます。
仕掛けは着底しているか、少なくとも底を少し切った状態でなければなりません。

着底時のアタリを取るには、ラインは張らず緩まずのゼロテンションが基本です。

外房や鹿嶋ではガツガツガツと誰にでも判るアタリもありますが、よ~く穂先やラインを見ていれば、プッとした穂先の揺れや、ラインが震えるようなアタリしか出ないことも多いです。

このゼロテンションが船の揺れで抜けてしまえば、アタリがあっても目にも手にも伝わらなくなります。

一方、錘が底を切っている状態では、アタリを感じてアワセても掛りが悪い。
餌鉤の真下からエサを突いているのであればアワセ≒カットウに掛るが、エサの横から突いている場合、カットウが素通りしてしまう可能性が高い。

故に多くの方は中層でアタリを感じても、一旦、仕掛けを着底させてからアワセを入れるのです。
仕掛けが着底していれば、フグがどの方向から餌鉤を突こうが、カットウの軌道に入るので掛る確率が高くなる。

言い換えれば、中層で必要となる包囲網は360度なのに対し、仕掛け着底時の包囲網は(海底が180度分の確立を阻んでくれるので)半分で済むのです(確率は倍以上になる)。

然るに、竿の振幅で調整が求められる着底・ゼロテンションの維持が座っていては大雑把となり、アタリを見逃すという訳だ。

ダイワの謳い文句だが、「釣れた」より「釣った」の方が釣りは面白い。
更に私の経験上、タイム釣りよりアタリを見極めた方が釣果もよい ″筈″ だ。

脱線しました。
話の軌道も修正します。

そんな渋~い状況も9時頃に一変します。
お約束で潮下(当日は艫)からどんどん竿が曲がる入れ食いタイム突入です。
こうなると指の寒さもどこかにすっ飛びます。

流石に知人も仲乗りさんに起こされて、キャビンから抜け出て頑張りました、が、この入れ食いタイムも30分程で終息…。
知人もキャビンに帰っていきました。

その後は、またまたパッとしない。
百戦錬磨達もまたまた着席=釣れません。

でも、私のようなオチャラケ釣師はそんな時こそ練習をするのです。
なんてね。
実はカワハギを釣っていて、北枕ばかり掛れることがあったのでカワハギの釣り方を試してみました。

仕掛けを中層に持ち上げて(軽い叩きをmixしながら)落とし込むと、ポツポツポツと3連釣!

-----2011.01.25追記-------------------
今日、つり丸最新号を立ち読みしていたら、同じよ
うな誘い下げの記事が載っていた。
決して、読んで真似た訳でないことを追記しておく
-------------------------------------

もしや…これは、私だけの「いただき」モードかぁ~!
と思いきや、その後は ″しぃ~ん″ 。
そのまま沖上がりを迎えたのでした。

船が帰港する頃に長い冬眠から覚めた知人がボソッと「恥しいから一緒にしておいて」と私の桶にフグを入れます。
自分の数を数えていなかったので貰った数は判りませんが、数してみると計60尾。
百戦錬磨達を抜いて竿頭になってしまいました。

このことは、このブログ読者だけの内緒ですよ!
詳しくは「こちら」をご覧ください。
因みに知人の釣果(裾)は、船長のブログでは15尾になっていますね(笑)。

最後に「なんちゃって」な今回のフグ・インフレーション値は、@158-/尾也。

-----ブログ後記---------------
そんな渋々だったフグ様でも、お料理されればヒーローです。
昨夜のおつまみは「みぞれ揚げ」でした。

2010-10-23

さようなら半ズボン2010

異常気象(猛暑)に見舞われた2010年の夏も終り、肌寒さを感じる今日この頃…。

毎年、ヤリイカの釣果が耳に届くと船釣の世界は冬の釣物へと衣替えして行きますが、今週、私も半ズボンから長ズボンへの衣替えとなりました(涙)。

とは言っても、私の半ズボンはなかなかの優れ物。
元々は膝から下の裾が切り離せるセパレート機能付きなので、裾さえ合体させればもう暫らくの間は履けるだろうと思いきや、私の知らない恥ずかしい事実が発覚した!


ここ2年裾を合体させたことが無く、半ズボンとして使用、洗濯、使用を繰り返していたら、すっかりパンツ部が色褪せてしまい、裾と別物になってしまいました…。

写真で見ると「左程でもなく」見えるのですが、実際に履くと、どうにもカッコ悪い…。
これを履いて釣行すれば、同じ船の乗船者に限らず、立寄るコンビニの店員や、港の近くで屯しているヤンキー(死語か?)にも失笑をかうのは避けられない。

人間としてこんな小さな事は気にはせず、逆に皆さんに「笑いを提供した」くらいの寛大さ・大らかさが備わっていたなら、人生もっと違う生き方をしていたのかもしれないが、少しセコイ人間でもいい、このズボンは履きたくない!というのが私の本音。

仕方なく久々にレイリー(サロペット)を携えて訪れたのは大原です。
狙うは、ひとつテンヤならぬ「ふたつカットウ」で挑む "ショウサイフグ" 。

そうなんです。
また「おフグ様」なのです。
実のところ、過日のフグが親父さんの店で大好評!
すぐに品切れてしまい「またお願い」というメッセージが私の手元に届いていたのです。

う~、親父さんの頼みとあっちゃーしようがないか、"気になる釣宿" が逃げていなくなる訳じゃないし(と都合のよい言い訳。本当は数釣りしたいだけ…)。

だけど今回は少し難しい条件が1つ…。
お魚の旨味は皮と身の間に詰っている。
これは皮を剥いでしまうショウサイフグでも同じで、身の表面が美味しいわけだが、型が大きいと切り分けの関係で美味い部位と不味い部位(当たり外れ)が出てしまうそうで、お店で使うには型が小さい方が勝手がよいそうなのだ。

そこで、前回、大型が混ざった鹿嶋港には行かず、選んだのが大原という訳だ。
洲崎に行かなかったのは、釣果速報、勘、大原でフグを釣ったことがないといったとこ。

今週お世話になったのは、勿論はじめてとなる鈴栄丸さんです。
船宿に着くと、船長らしき方が軽トラに荷物を積んでいる…。
ガタイがよく、丸坊主だ。
少しおっかなそうに見えるその人の顔は、目がクリックリッとしていて、どことなくフグに見える。
おーこれは釣れそうだ!
と訳の解らぬ自信をもち、出船したのである。

ところが港を出た直後から海はウネリ、波は高いわ、で湾フグ出身者の私の自信は早くも揺らぎ始める。
「こんなんじゃアタリは取れねぇ」っと。

しかし、フグ船長(本当に失礼するが、ここではこう呼ぶことにする)は伊達じゃなかった。
直ぐに大きな反応にブチ当てる。
そして御題目だ。
「空アワセだよ、空アワセ!」

どうやら湾フグで痛い目ばかりみていた私の先入観は、外房や茨城では杞憂だったようだ…(今ごろ気付くな!)。
ゼロテンだけ取っていれば、アタリは手感度で取れ、アワセも十分に間に合うのだ。
更に穂先のアタリも視認できれば言うことはないが、何しろ波は3mもあるので大塚プロでもアタリを視認することは無理だろう。

そんな大原の群れの濃さに助けられ、蓋を開ければ小型80尾の規定数。
5時出船、9時に早上がり(沖上がり)で、親父さんの店のお客様に幸せを提供することに成功した。


それにしても、港の独自ルールって情報開示が進まないものか?
三浦ではコマセは3kg(人)まで&イワシの泳がせは駄目、外房ではイサキは50尾(人)まで&ビシはFL(黄色)等々。
大原(九十九里)ではフグは80尾までだそうだ。

逆に昔は今ほど情報化が進んでおらず、釣り人は常宿にしか通わなかったから、船長さん達は知っていて当然と、プライオリティを低く判断しているのだろう。

今回の9時早上がりも最初は港のルールなんだろうな、と勘違いしていた私…。
フグ船長の資源保護を意識した判断だったことに後から感服した。
だが、暫定竿頭の私としては、その一寸先が知りたいところでもあるが…。

P.S.
洲崎では同日「束」だったそうな…。
勘は当てにならん!
今回の私のショウサイフグ・インフレーション値 @118.75-/尾

2010-10-12

職漁と化した1日

私は根っからのお馬鹿のくせに格好付けという体たらくだ。
以前はフグの味についてもロクな見識もないくせに「フグなんて雑炊を食うための贅沢だ」なんてほざいていた。

これは手の指で余る程度に河豚料理店にお邪魔して、定番の お通し・てっさ・白子・てっちり・雑炊・鰭酒 コースをいただき、毎回その料金に青褪めた経験からだ。

こんな馬鹿でも歳を取ると少しは賢くなることもあるようだ…。
今ではフグを「こんなに美味しいものはない」という認識を持つまでに至り、諳んじることができるメニューだけで 干物(塩・醤油)、唐揚、刺身(皮剥の肝和え)、塩焼、てっぴ、タタキ、握り、白子焼き、煮こごり、フグ飯、骨ラーメン、骨せんべい と、まずますの数だ。
(河豚屋もコースを止めて大衆的なフグ料理に切替えればいいのに…)

これもそれも釣人になったことの恩恵なのだが、料金に対する認識は改まらない。
何しろ、私が乗ったフグ乗合船で最も安いのが吉野家さんで8,900円(餌1パック込)。
最低釣果は2尾(これも吉野家さん)。

除算すれば1尾が何と4,450円となる。
これは高か過ぎる!
しかも釣ったフグがトラならまだしも、これはショウサイの料金なのである。

このフグによるインフレーション(私の釣り下手さ)も徐々に改善に向かいつつあるが、それでも甚だしく不経済だ。
何としても改善を急ぐ必要がある。

そんな美味しくも贅沢なフグを愛する1人の料理人がいる。
自からも釣りに出掛け、釣ったフグを店の献立に並べるこの御仁は、私が行き付けている割烹の親父さんだ。(因みにフグ免許はご子息が取得・登録されており問題ない)

彼の親父さん、フグ釣りは今まで同じ浦安から出ていたものだから(所謂「湾フグ」)数は期待できない。
そこに過日の私の爆釣を知ったもんだから「外房に行けばそんなに釣れるのか?」とテンションが弥が上にもあがり、今回の釣行が決まったのである。

そういった意味でこの釣行は私のレジャーという位置づけから外れ、職漁となったのだ!
何しろ献立に「フグ」という文字を並べる "義務" が生じたのだから、お客様の至福のひと時は私が半分担ったわけである。

こうなるとなり振り構ってられない。
日帰り可能で、高釣果・良型で安定している宿を厳選しなければならない。
そこで選択したのが鹿嶋港・幸栄丸(こうえいまる)さんだ。

初めての釣宿、初めての茨城釣行(道に不案内)のため、早目に出発したせいで現着は4時。
出船5時まで1時間あるが、周りは車、車、車…。
さほど大きいとは思えない港は、剱崎・松輪港を彷彿させる釣人で溢れている。

ご当地の方には失礼だが、茨城の港=鄙びた少しルーズな港という先入観があったが、全て裏目だ。
釣座を確保しようとしたら、今日のフグは4艘出すと言うし…。
女性アングラーが同じ船に4人も乗っていたし…。
ガンガン移動して活性の高いポイントを捜す操船だし…。

とにかく4艘にはビックリした。
ひとつの釣物に同じ宿から4艘なんて聞いたことがない。
小さな船ならいざ知らず、4艘のうち3艘は大型船だ。
どうやってこの人数が釣ったフグを捌くのだろう…?
そんな疑問を抱きながら幸栄丸さんは定刻に岸払いしたのだった。


当日は、晴れ、東南東の微風、中潮 水温21度 超澄み潮 波1.5m 潮流れず 右舷艫から3~4番という条件。
べた凪だったお陰で穂先に集中し易かった反面、船頭曰く「潮が澄み過ぎなので船の影が底までとどき喰いが悪い。反応はあるのになぁ~」という状況。

20t前後の大型船を大きな生命体とフグが勘違いするなら、クジラ位なものだろう。
クジラはフグを喰うのだろうか?
などとくだらん事を連想するが、フグのプレッシャーを感じさせないところまで仕掛を遠投することも出来ず、丁寧に船下を狙うしかない。

何しろ当日は職漁でもあるし、インフレを少しでも脱却しなければならない。
竿先の僅かなモタレも見落とせば、お客様の幸せと、フグ貧乏からの脱出ができない。
が、この集中が後で仇となる。

喰いが悪くも流石に連日の釣果速報は伊達じゃない。
湾フグで俄ボウズに馴れているせいか、鹿嶋の海はアタリの宝庫である。
"ぷッ" でアワセを入れポツポツと拾うのだが、なぜか私に釣れるのは13cm程度の小振りなフグばかりで、お隣りさんと親父さんは25cm程度の良型がたまに掛かる。

あまりにも私に小型ばかり続くので、ツ抜けした頃に何でだろう?とお隣りさんを拝見する。
「あっ!(アタリ)、あぁ~あ、もう遅いか?」と思っていた瞬間、ガッガッガッとでかいアタリが襲来。
すかさずアワセ。
良型のフグが上がってくる。

鹿嶋のフグはサイズの良さとアタリのデカさが比例しているようだ…。

竿を取り、大きなアタリが出るまで待つと確かにでかいフグが掛かってきた。
「しめしめ、読み通りじゃ!」
何~んてニヤニヤしていたらこれを境にアタリが遠のいてしまったのです(涙)。
間もなく「はい上げてぇ~、大きく移動するよぉ~」と虚しいアナウンスが入る。


船長が言うように陽が高くなると、潮が澄みすぎて仕掛は10m下まで視認できるような状況に…。
こうなると船中音なしで、アタリが無ければ、集中の糸も切れてしまう。
沖上がり間近に盛り上りがあるも、中弛みの時間が長く数伸びずにタイムアップ。


私の釣果は(職漁のくせして)28尾。
親父さんが17尾釣ってくれたお陰で、合計45尾で、お店には何とか面が保てました。
そして私のインフレ値は@375-/尾と、こちらも何となく高いようで、安くなったようで…の半端な値。
いやいや、これは湾フグじゃないので、まだまだ赤点ですな。
しかも竿頭48尾で、ダブルスコアに近いし…。

それでも、沖上がり間近の盛り上がり時にお隣りさんが「これが何度もないと駄目なんだよ~」と呟いていたし、隣りの隣りのお姉さんが「こんなに釣れない日は私はじめて~」と笑っておられました…。

聞き漏らしようのないこの発言。
過日の私の爆釣は、鹿嶋港では周年あたり前のことなの?
洲崎のフグは概ね15cmアベレージだったけど、それが鹿嶋サイズだったらどうなんの?
な~んて妄想が腹の中に渦巻いたのは言うに及びませんね…。
近いうちにまた訪れることにしましょう。

因みにここの船長さん、口はちょっと悪いですが、気さくで腕のいい船長ですね。
私に対してだと思うんですが、
アタリなんて取ってんじゃねぇーよ、空アワセだよ!空アワセ!
と何度か怒鳴っていました(笑)。
が、残業サービスもしてくれました。
次は竿頭になってお礼をしたいと思います(竿頭賞は1回分の乗船券だそうですし$)。

2010-09-24

久々の爆釣

ここのところ数釣りをしていない…。
数釣りとなる筈のスルメでも撃沈…。。
フラストレーションが溜まる…。。。

そこで決心「次は外房のフグに行こう!」っと。

私の思考はこうだ。
1.「食べる=味覚」という点でフグは美味い
2.湾フグは面白いが、数は獲れない
3.美味しいものを数釣りたい。マルイカはシーズンOFFなのでやはりフグ
  内湾は× → 外房フグ○
4.大漁(幸せ)。干物、唐揚、醤油漬、ひっひっひ

お彼岸(秋分)だというのに、こんな味覚と引味の煩悩だらけとなった私は、名月を楽しみながら「州崎」に向ったのである。


州崎と聞いて皆さん???と思われるでしょうが、茨城でも九十九里でもなく州崎(南総)で釣れてるんですよ。ショウサイフグ。
以前からイサキの外道でフグが掛かることがあったので、いるんだろぅなぁ~と思っていましたが、何せ豊饒な海。
マダイだぁ、鬼カサゴだぁ、と騒いでいる港でショウサイフグをやる船宿がないんです。
言い換えれば出船すれば爆釣なんですね…。

向ったのは、以前ヤリイカでお世話になっている早川丸さんです。
早川丸さんの釣果ブログに私の写真が載っていたので、これも拝借っと。


南総の海は実に気持ちがいい。
亡き父も兄もこの海を愛し、足繁く通っていました。


湾フグの難しさは他でも記してありますので割愛しますが、群れが濃く、喰いも良いときの外房のショウサイフグは余っぽど飢えているのでしょうね、イサキよりも簡単に釣れるのです。
きっと東京湾とは群れが格段に大きく、生存競争が激しいのでしょう。
容姿が同じでも、別の生命体の可能性も…(笑)。

実際、手感覚でアタリが取れますし、それでもアワセが間に合います。
そういう意味で、このブログのラベルは同じショウサイフグながら東京湾で釣る「湾フグ」と「ショウサイフグ」のカテゴリを分けたのです。



釣果は76尾。
もうこうなると「作業」ですハイ。
何しろ入れ掛かりの時間帯、私のウェスト型救命胴衣がズボンを共なってズリ落ちるんです。
投入から着底までに船底に転がっているフグを桶に入れ、ズボンを戻すのですが、直ぐに半ケツ状態に戻ります。
それでも涎を垂らしながらフグを釣る。
何しろ、食うことしか考えていませんからね!

この恐ろしい半ケツ状態で頑張ったにもかかわらず、トップの方は95尾。
私はスソから数えた方が早い釣果でした。
この要因は仕掛けにあります。

私は「がまかつF1カットウ」というカットウを使っています。
現在 ″最強″ と呼ばれるカットウなんですが、それは軽く触れただけでフグの白いお腹に刺さる「掛り」が最強であって、それ故、線径が細く繊細なんですね。
数釣りとなった今回、爆釣タイムにこのF1カットウが2回も折れてしまいました。

止む無く仕掛けを交換していた間にトップの方が20尾近く数を伸ばしたのでしょう…。
その間、私の足元に居たフグ共は命拾いしたわけですが…。

あと気になったのが、カットウを結ぶハリスです。
当日はフロロ10号を使用したのですが、何しろフグにカジられるわ、弛んで引張っても真直ぐにならないわで沖上がりした時には見るも無残な状態に。
それでもフグは乗りましたが…。

因みに同船した多くの方が外房仕様(所謂、錘25号の出来合い仕掛け)を使用していらして、そのハリスはクッションゴムのような素材が使われており、最後まで弛みなくシャッキーンとしていました。
そんな理由で、次は爆釣用にワイヤ仕様の仕掛をバッカンに忍ばせるつもりです。

あと、今回の釣行で「なるほど」をひとつ悟りました。
誌面に掲載するカットウ仕掛によく ″スリーブ止め″ がされているのですが、別に結んだっていいじゃん…と気にしていなかったのです。
実は、そこにも深~い理由があったのです。
やはり定番の仕掛っていうのは一工夫、一配慮しているものですね。

前述したようにカットウを結ぶハリスは「シャッキーン」としていることが理想です。
それ故、フグ師達の仕掛けは、両端をゴムに引っかけて真直ぐな状態でケースに収まっています。
それだけ、ラインに弛みがないように気を遣うわけですが、仕掛けを結束する時、それなりの力がハリスにも残り、弛みが残るんですね。
それを回避するためにスリーブで結束していたのです。

また、太いゲージの結束はコブが大きくなります。
このゴロツキは私には野暮ったく感じられ、好感が持てません。
そんなゴロツキ解消にもスリーブが役立つのです。
これからの仕掛け作りに役立てていこうと思います。