2014-03-21

師崎のフグ釣りについて

諸兄は師崎(もろさき)という地名をご存知だろうか?
地図をご覧いただければ一目瞭然なのだが、名古屋の南に位置する知多半島の突端に師崎(もろさき)という港があります。
関東の人間にはあまり知られていませんが、彼の地(海)ではフグ釣りが市民権を得ていて、盛んなんです。

「いつか福岡、山口・島根方面にもフグ釣りに行きたい!トラ釣れっかな~」なんて考えているフグジャンキーなワタクシ。
そんな大遠征にならずとも、関東から週末に何とか足を運ぶことが可能な師崎の事情を探ってみました。

地元の方から聞いた話では、師崎のフグ釣りの歴史は浅く、関東でフグ釣りを経験した某釣具メーカーの職員が、熱心に船宿に通い、説得し、乗合が始まったらしい。
推測ですが、10年程前からではないのかな?

ところが、所変われば品変わる。
地域や海の特性、フグの種や習性が違うのだから、派生したのは関東であっても、同じ釣りが成立するわけもなく、師崎の釣りは関東とは趣きが異なっているんです。
主な理由は次の2つ。
  • 海底は根が多く根掛りが多いこと(ポイントは、渥美半島の外)
  • 遠州灘が湾内に食い込んでいるために潮が速い(矢作川、長良川、木曽川の影響も?)
関東と最も異なるのがカットウ鈎です。
前述のとおり、師崎は根掛りが多いので、経済的な問題なのか?地元の方の創意工夫なのか?多くの釣人が “アユ鈎” を使用しているという。
アユ鈎の画像はこちらのブログより拝借したものだが、なんて量だ…。
根掛りの要因は、根の多さの他にも、速潮で船の押されが速いこともあるのだろう(少し気を抜いていたら、ガシッとなる…)。

また、潮が速ければ錘が重くなるし(師崎は30号標準、外房や茨城では25号標準)、根掛りの多さはPEの太さにも現れる。
師崎ではPEは1.5~2.0号を指示している宿が多いようだ。

フグのアタリは繊細なため、PEは細いに越したことはない。
関東は比較的に砂地を狙うことが多いので、根掛りに頓着せずPEは1.0号が主体。
ハリスにしたって、フグに喰いちぎられないように10号を使う人もいるくらいだ。
ところが師崎では、
  • 根掛りでPEが切れるのを防ぎたい→2.0号指示
  • 速潮(アタリ感度)→PEの水抵抗をできるだけ低く(細く)したい
イタチごっこだ。
潮の速さは竿にも影響します。

師崎は伊勢湾・三河湾の複合湾。
東京湾同様、風向きもあるが、干満(潮流)で潮先の釣りは弥が上にもやり辛い。

船の下にもぐり込むライン。
それでもマメに底立ちを取らなければならないので、短竿はやり辛い。

地元の方から聞いた話では、そんな事情で柔らか目のカワハギ竿(1.8m)を使う方と、短く感度のよい短竿を使う方と二極化しているようだ。
メタリアカットウH142を使っている方が多いとも聞いた。

私も所有しているフグ竿で、がまかつ・カットウスペシャル180(カタログ落ち)がある。
この竿を買ったときは、カワハギ兼用と考えていたので長さに違和感を持たなかったのだが、買ったあと「フグには長いんじゃね?」と思っていた…。

そんな疑問も今回、師崎のことを調べてみると腑に落ちる。
大阪メーカーである “がまかつ” はやはり関東以西に根強い(シマノも大阪だけど…)。
故に地域に根ざした釣物(竿)にバリエーションを設けたのだ。
私は今までてっきり胴付仕掛けを使う方が多いのだろうと考えていた。

そんな師崎のフグ釣りは、3月現在、彼岸フグで賑わっている。
こんな写真を見せつけられて、行ってみたくなるのは私だけだろうか?
週末に名古屋出張がないのかなぁ。

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