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2014-09-21

侮るなかれ(ジェネリック竿)

いやいや久々のブログUPだ…。
何しろ6月1日から更新していない…。
その間の仕事の惨憺たるや…。

仕事のことは考えるのは止めよう。
何しろ、これから状況は悪化するばかりだろうし、釣りで息抜きしないとマジで死ぬよ。

そんな経緯で、閑話休題。
諸兄は、M’on(エム・オン) という釣具メーカーをご存じでだろうか?

メーカー名よりも、釣具屋に並んでいる竿ケースに「LIGHT TACKEL GAME」と書かれた廉価竿と言った方が通りがよいのかもしれません。
このメーカー、なかなかに良い仕事をしております。

というのも今年の初冬、私は金谷用のアジビシ竿(アルファタックル)DeckStick150 のトップガイドを折ってしまいました。

金谷で標準とされるビシの重さは80号と、通常のビシアジ(130号)と、ライト(30~40号)の中間に位置します。
水深が浅く、潮が速いので短竿が扱いやすいという地域特性に合わせて購入したロッドです。

更に、アジというターゲットは柔らかい竿の方がバレも少なく、何より楽しいので DeckStick を愛用していました。

折れた竿は穂先を削り、ガイドを付け直し、リペアは終了しているのですが、穂先の折れた位置が悪く、如何せんガイドバランスが悪い…。

そんな経緯で暫らく放置していたら、金アジ釣行が決まってしまい、「安い竿でいいや」と釣具屋に足を運んだのがこの竿を手にするキッカケだった。

当初は、ShortArm か Deeo にしようかという思惑で釣具屋に向かったんですが、同じブースに裸で立て掛けてあった CYGNUS SHORT82・160(錘負荷30~80号)というロッドが気になり、3本比べてみると、明らかにCYGNUSが一番柔らかいだけでなく、使いやすそうなんです…。

しかも値段は7,700円(税別)で、チタンフレームではないけれど、Kガイドを使っていて、1年間の保証書まで付いている。
少しだけ躊躇もあったのですが、セカンドロッドだからいいか、と購入。
ところがどっこい、このM’onが良い買い物だった。

素材は、グラスとカーボンのチューブラ構造。
メーカー側が、SG∞(Special Glass Infinity)と呼んでいる構造だ。

メジャーブランドではないので、情報開示が皆無ではあるが、恐らくUDグラス(縦方向のグラスシート)を軽量化の目的で接着剤で固めず、極薄カーボンシートでサンドイッチしたのであろう。

ひと世代前の技術ではあるが、低弾性ロッドの最大のメリットとして、反転系の魚であればオートマチックにフッキングに至る。

更に、グラスの弱点である重さも克服。
一定の軽さを確保≒疲れも少なく、低価格。
何より楽しいというレジャーの本質を衝いている。

そんな金谷用アジ竿を担い、忠七丸さんにアジ釣りに行ってきました。
尚、忠七丸さんの車の駐車位置が、以前のブログ記事から変更になっているので、釣行される方は注意してください。

さてさて、この竿は思ったとおり、金谷のアジ(80号ビシ)にはジャストフィット。
当日は上潮カッ飛ぶ2枚潮。

この上潮に全長160cmということもあり、竿はいなされるも適度な張りを残す。
アタリも弾かず、感度もそこそこ、重さも手持ちで一日OK。

気に入らない点としては、リール(カルカッタ800)との相性もあるのだろうが、リールシートが握りにくいことと、リアグリップが幾分短く、脇抱えするのに寸足らずな点。
まあ、釣果には深く関係ない不満点だし、7,700円でこの性能であれば十分でしょ~。

いや~、侮るなかれジェネリック竿!

2014-05-11

ドシャ降り!(イカ墨の洗濯)

私はプランニング系の仕事をしていることもあり、案件が重なってくると、それこそ休日返上となってしまう。
何を隠そう、去る4月には釣行1回ポッキリ…。

GWには予てより約束していたファミリーフィッシング(シロギス)に参加はしたものの、フラストレーションは臨界点だ。
ファミリーフィッシングのメンバー
(有名人多数。ご存じの方がいるか探してみて!)
このままではマズイ!
斯くして、たった1日だけだが、リフレッシュ休暇を画策。
当日の天気予報は快晴、風も波も穏やかということだった。

そして、船宿の検索にあれこれとページを捲っていると耳より情報が目に留まる…。
洲崎の船宿で「マルイカ船開始します。丸イカファンのみんな~全員集合!」と。

ここのところ、内房や相模湾(東)ではムギを交え、浅場マルイカがプチフィーバーしている。
高釣果を得ている船宿は軒並満席必須なので、実績がない船宿であればお客さんも少なかろうと、ターゲットをマルイカに定めたのが事の起こりだった。

釣行日に乗船名簿を記入すると、私の他に2名しかお客さんがいない。
「してやったり」なのではあるが、その内の1名が房総でイカ釣りをする方なら知らぬ人はない名手・高田さん(市原市)だ。

右舷に3名が横並びになり出船。
私は胴間、高田さんが舳、もうお一人が艫。

予報通り、出船直後は無風ベタ凪で、釣果も思惑とおりムギOnlyでそこそこ乗ってくる。
舳を眺めれば、高田さんは着ノリした時には、リーリングを遅くして多点掛けを狙っているようで、単発で上げてしまう私と釣果が開きはじめている(両名とも仕掛けは直結)。
これもイカ釣りの引き出しのひとつですね…。

ところがだ、8時を回った頃から急に風が強くなり始める…。
それに反し、ポイントによっては1流し3回入れられる場所もあるくらいイカの活性は上がり、私にもダブル、トリプルが混ざる。

当然、高田さんは粗かた3点掛けなのだが…更に風が強まり(沖上がりの時点で陸上風速が7mあったので、海上では10m超えてたんじゃないかな?)、高田さんの多点掛けの取り込み時のイカ墨が風に押され私に降りかかってくるじゃないの!!!

しかも、上ツノにイカが乗っている場合、高田さんはイカを乗せたまま穂先まで上ツノを巻き上げ、船内に竿を取り込むもんだから、高い位置からイカさんが墨を吐き散らす。
リアルな話、雨みたいに音を立ててバッバババッバ~と墨が降ってくる。
堪ったもんじゃない!!!

選りにも選って当日の私のレインはベージュ(悲)。
被害状況はご覧のとおりの有様ですよ…。
写真で右から左に流れた墨の跡…ってか墨汚れは全部名手・高田さんのだぞ~(怒)!
前文が長くなりましたが、そんな経緯で今回はイカ墨の洗濯方法についてお話しをしようと思います。
まず、イカ墨とは何ぞ?ということから話します。
相手を知らなければ、対処法も見えてこないからね…。

先入観としてイカ墨=洗濯では落ちないと考えている方は、イカ墨=生物が作り出す物質という風に頭の中を切り替えましょう。

Wikipediaによれば、イカ墨は「色素成分はメラニン(ユーメラニン)である。アミノ酸により高い粘性を示す」とある。

この説明で、化学をしっかり学んだ方は、大筋、何を言いたいかお解りのことと思います。
色素は、アジア系の人間の頭髪が黒いのと同じメラニンです。
このメラニン、水・アルコール・油脂に不溶であるということは知っていますか?

次に主成分がアミノ酸≒タンパク質だということは、極端な話、イカ墨は鼻水に色素を混ぜたものという理解でよろしいでしょう。

前述のとおり、所詮、イカ=生物が体内で組成しているのだから、我々人間と大差ない話です。
これを落とすには?

そう、アルカリ洗剤を使えばそう大変な話ではないのです。
ご家庭に専用のアルカリ洗剤がなくても “重曹” や “風呂カビ洗剤” などで代用できます。
購入のポイントとしては、pH値のチェックです。
8~11以下が弱アルカリ性(重曹)、11以上がアルカリ性です。

弱アルカリ性洗剤(重曹)は汚れ落ちが「いまひとつ」というような声を聞きますが、浸け置きをすれば十分効果があります。
逆に、重曹は人が食べても安全であることが示すように、環境影響が極めて低いのでお奨めです。
何を隠そう、今回、私は重曹を使用していますので、その効果は写真でご確認ください。
因みに、今回は1昼夜浸け置いた結果です。
もう1点アドバイスするとしたら、イカ墨が付着した直後の対応です。
イカ墨の主成分はタンパク質なので、硬化します。
然るに1ヶ所にタップリ墨が着いたときは、墨が拡がっても構わないので、その部位を海水で流すようにしてください。

今回はムギ(スルメ)イカの墨でしたが、原則、イカ類(アオリ・スミイカを含め)の原理は同じ筈です。
但し、オーガニック素材(綿類)は原糸へ墨が浸透しているかもしれませんし、水に浸けることが憚られる防寒着も手強いかもしれません。
何か上手い方法を発見したら追記しておきますが、取り敢えず今回はここで話を結びます。

因みに今般の私の釣果は51杯(内マルイカ1杯)でした。
ここまでムギイカばかりとは思っていませんでしたが、タレをちゃんと持参していたので、沖漬けバッチリです。
あと、この船宿HPで皆さんマルイカGET写真が掲載されていますが、帰港後に写した「ヤラセ」です。
決して悪い船宿ではないだけに、少し興醒めしますねぇ…。

2014-04-27

優れもの(その5)ベルモント・メイク鈎外し

春うらら。
すごく気持ちのいいゴールデンウィーク2日目。
私は仕事に追われています…。
こんな日は、遊んでいる方が憎らしく見えてしまうのは私の懐が狭いせいでしょうか?

まあ、こんな愚痴をブログに残しているくらいですから、集中が切れていることは疑いようもありませんね。
つくづく情けない男です。

そんな気が散っているときは、ついつい釣りブログを覗いてしまうもので、たまにチェックする「優良釣具販売評価術」さんを訪れた。

そうしたら、今回の優れものについて釣具マニアさん(ブロガーのハンドルネーム)もコメントをされていた。
私もいつかこの鈎外しについては “優れもの” シリーズに書き込もうと思っていたので、先を越されてしまった…。

詳しくは、釣具マニアさんのコメントの方が面白いので、こちらのリンクを参照してください。
本当に便利な鈎外しですよ!
因みにサイズが大・小あるのですが、私が持っているのは小(写真)です。
大は小を兼ねると言いますが、こと鈎外しには小でもサバ等はちゃんと外れます。
どちらかといえば、魚のサイズよりも使う鈎の大きさでサイズは選ばれては如何でしょうか。

2014-03-21

師崎のフグ釣りについて

諸兄は師崎(もろさき)という地名をご存知だろうか?
地図をご覧いただければ一目瞭然なのだが、名古屋の南に位置する知多半島の突端に師崎(もろさき)という港があります。
関東の人間にはあまり知られていませんが、彼の地(海)ではフグ釣りが市民権を得ていて、盛んなんです。

「いつか福岡、山口・島根方面にもフグ釣りに行きたい!トラ釣れっかな~」なんて考えているフグジャンキーなワタクシ。
そんな大遠征にならずとも、関東から週末に何とか足を運ぶことが可能な師崎の事情を探ってみました。

地元の方から聞いた話では、師崎のフグ釣りの歴史は浅く、関東でフグ釣りを経験した某釣具メーカーの職員が、熱心に船宿に通い、説得し、乗合が始まったらしい。
推測ですが、10年程前からではないのかな?

ところが、所変われば品変わる。
地域や海の特性、フグの種や習性が違うのだから、派生したのは関東であっても、同じ釣りが成立するわけもなく、師崎の釣りは関東とは趣きが異なっているんです。
主な理由は次の2つ。
  • 海底は根が多く根掛りが多いこと(ポイントは、渥美半島の外)
  • 遠州灘が湾内に食い込んでいるために潮が速い(矢作川、長良川、木曽川の影響も?)
関東と最も異なるのがカットウ鈎です。
前述のとおり、師崎は根掛りが多いので、経済的な問題なのか?地元の方の創意工夫なのか?多くの釣人が “アユ鈎” を使用しているという。
アユ鈎の画像はこちらのブログより拝借したものだが、なんて量だ…。
根掛りの要因は、根の多さの他にも、速潮で船の押されが速いこともあるのだろう(少し気を抜いていたら、ガシッとなる…)。

また、潮が速ければ錘が重くなるし(師崎は30号標準、外房や茨城では25号標準)、根掛りの多さはPEの太さにも現れる。
師崎ではPEは1.5~2.0号を指示している宿が多いようだ。

フグのアタリは繊細なため、PEは細いに越したことはない。
関東は比較的に砂地を狙うことが多いので、根掛りに頓着せずPEは1.0号が主体。
ハリスにしたって、フグに喰いちぎられないように10号を使う人もいるくらいだ。
ところが師崎では、
  • 根掛りでPEが切れるのを防ぎたい→2.0号指示
  • 速潮(アタリ感度)→PEの水抵抗をできるだけ低く(細く)したい
イタチごっこだ。
潮の速さは竿にも影響します。

師崎は伊勢湾・三河湾の複合湾。
東京湾同様、風向きもあるが、干満(潮流)で潮先の釣りは弥が上にもやり辛い。

船の下にもぐり込むライン。
それでもマメに底立ちを取らなければならないので、短竿はやり辛い。

地元の方から聞いた話では、そんな事情で柔らか目のカワハギ竿(1.8m)を使う方と、短く感度のよい短竿を使う方と二極化しているようだ。
メタリアカットウH142を使っている方が多いとも聞いた。

私も所有しているフグ竿で、がまかつ・カットウスペシャル180(カタログ落ち)がある。
この竿を買ったときは、カワハギ兼用と考えていたので長さに違和感を持たなかったのだが、買ったあと「フグには長いんじゃね?」と思っていた…。

そんな疑問も今回、師崎のことを調べてみると腑に落ちる。
大阪メーカーである “がまかつ” はやはり関東以西に根強い(シマノも大阪だけど…)。
故に地域に根ざした釣物(竿)にバリエーションを設けたのだ。
私は今までてっきり胴付仕掛けを使う方が多いのだろうと考えていた。

そんな師崎のフグ釣りは、3月現在、彼岸フグで賑わっている。
こんな写真を見せつけられて、行ってみたくなるのは私だけだろうか?
週末に名古屋出張がないのかなぁ。

2014-02-03

マルイカの釣り方

マルイカのアタリって判りづらいですよね…。

私もいま思いかえせば、マルイカ初心者だった頃は、「船長、本当に反応あって投入指示だしてる? ウンッでもスンっともいわないけど…」と、何が何だかサッパリ判らず、悪あがきに竿をシャクっていたらイカが乗っていたという始末。

そんなお恥ずかしい時期の話もこのブログに綴られています。
過去の話は釣果UPの参考にはなりませんが、興味と暇があれば読んでみてください。
“マルイカ”のラベルでフィルタすることができます。
尚、マルイカのタックル(ロッド)について最近、内容を更新したので、こちらも参考としてください。

マルイカは、初心者に限らず、アジなどの反転系のお魚(穂先がクゥンックゥンッと入るアタリ)で釣行を重ねられてきた方が初挑戦しても、私のように何が何だか…ということになってしまう。

他に人気のある釣目で言えば、ヤリイカ経験者は反転系を得意とする方より多少のアドバンテージがありますが、マルイカはヤリイカよりマイクロ≒異種なアタリです。

「じゃあ、わかり易く説明できる動画とかないの?」というのが、このブログに辿り着いた諸兄の本音なのでしょうが、
答えは、

“そんなん、ありません”

なぜ?と聞かれれば、理由は2つ。
実釣の動画はあるには有るんですが、アタリが判る人間がみても、動画になってしまうとアタリが判別ができないんです。
2つ目は、アタリという現象を理論的に組み立てることも可能は可能なんですが、感覚的なエッセンスが随分と多いので、説明が難しいんです。

仮に穂先を真横から見ることが可能ならば、説明も簡単なんですが、実釣では釣り人は横から穂先を見ることは出来ません。
どうしても竿を上から見ることとなるため、困難なんです。

何を隠そう、私も過去にこのネタを求めて、何度ネットサーフィンを繰り返したことか…。
「じゃあどうすれば?」というお嘆きに対する結論は、

“石の上にも3年”

アタリが判らなくても、懲りずに3年ほど釣行を続ければ、アタリは自ずと察知できるようになります。
勘のよい方だったり、繊細な釣りの経験者であれば、乗っけからアタリを察知できるかもしれませんが、こういった方は滅多にいらっしゃいません。

地道に「所謂モタレ」が察知できるまで修業あるのみ!
また、マルイカのシーズンオフには「湾フグ」でトレーニングするのもお薦めです。

でもそれだけでは、諸兄がこのブログに辿り着いた意義がなくなってしまうので、私の拙い経験ではありますが、マルイカのアタリを中心に実釣時の注意をまとめておきます。


まず、前提条件を幾つか…。
仕掛けは、ロング枝スのブランコを除きます。
ロング枝スのブランコは、枝スが原因でアタリは出ないというか、向うアワセになります。
グイーン、グイーンと竿に明確なアタリが出るか、シャクったときに重みを感じるかなので、説明の必要がないので。

そして、竿の調子は極先調子(8:2~9:1)が中心です。
柔らかい竿をお使いの方には申し訳ないのですが、私が極先調子しか使わないため、悪しからずご容赦を。

そして最後の条件ですが、原則として錘を底から切った状態での説明になります。
所謂、目感度で獲る釣りについてのコメントです。
ややこしい話ながら、これが獲れると獲れないとでは、マルイカ釣りは雲泥の差が生じます。

さて、それでは本題に入りますが、驚くことなかれ、マルイカのアタリは3通り(理論的には2通り)しかないんです。


 【空アワセ】
言わずもがなですが、どんな名人でもマルイカの全てのアタリを見逃さないなんて出来っこありません。
とにかく穂先に違和感があれば、アワセを入れてみる。
竿を止めて、5秒も待って、アタリや違和感を感じなければシャクリ(空アワセ)を入れる。
これは基本中の基本です。
但し、むやみに空アワセばかり入れていると、イカが擦れてしまうので、適度に巻き落としや柔らかな誘いなどを加えることを忘れずに。


 【聞き】
目感度でのアタリを取ることに自信が持てない内は、この“聞き”が重要です。
錘の着底直後、糸吹けを取り、間髪入れずジワジワと聞き上げてください。
少し慣れてきたら、着底が近づいたら穂先を海面スレスレにセットして待ち、着底したらクラッチだけ入れて、竿を起こす操作で聞き上げるのもお薦め。
勿論、目感度でも「ツッ」と穂先が下がるアタリが出ます。
特に、イカの移動が早く、ひとつのポイントで1投しか仕掛けを入れられないような日には、所謂「着乗り」が非常に重要(「全て」と言っても過言ではありません)になります。
そんな日は、着底後、しっかり棚を切ってから聞き上げに入ってください。
あせって、すぐに聞き上げを開始すると、糸吹けが残っていた場合には再度錘が底を叩いて(イカが乗っても糸ふけで)バレてしまうことになります。
また、着乗りの後のリーリングを遅めにして、追い乗りを狙うのもテクニックのひとつです。


 【穂先の動きを見る】
「なに当ったり前のこと抜かしてんだ!このヤローは?」と思われたでしょうが、ここが一番重要なので、しっかり読んでください。
前述の“穂先に違和感”というのが、実のところアタリと言い替えても過言ではありません。
では何に対する違和感なのか?

船の揺れに連動して穂先はどうしても上下します。
船が波によって持ち上がれば、竿に負荷が掛かり穂先がお辞儀する。
船が下がれば、竿の負荷が抜けて錘負荷だけの状態に戻ろうとする。

「“この一連の穂先の動きに対する違和感”」なのです。

釣り用語では「モタレ」と表現されているものです。
ですので、実釣時に声には出さないまでも、頭の中で穂先を見ながら「さが~る、あが~る」とでも呟きながら、穂先の動きをインプットして、その動きと異なる穂先の動き≒違和感を探してみてください。
私の今まで感じた違和感(アタリと確信できている)がこの後に説明する3つです。
尚、9:1~8:2(極先調子)ロッドはTOPガイドと第2ガイド付近を注視(アタリ≒違和感が生じる)してください。


 【浮き上がり】アタリ①
穂先がクッと持ち上がるアタリで、このアタリが見えるようになれば、マルイカ釣りは加速度的に釣果が伸びて楽しくなります。
釣り雑誌にもこのアタリについては説明されていますが、イカがスッテを抱いたことにより、一瞬錘負荷(テンション)が抜けて起こるアタリで、「穂先が1~2mm持ち上がる」ようなアタリと書かれています。
ところがこの説明がクワセモノで、言葉通り1~2mm持ち上がるかと言えば、そうではありません。
便宜上、そう言っているだけで、前述したとおり、穂先を上から見ているのに1~2mmなんて判りっこありません。
「1~2mm上がったような?そんな感じ」だったっていう方が表現として正しいように思います。
尚、実釣ではこの浮き上がるアタリより、次に案内する②のアタリの方が頻度は高いです。


 【止まり】アタリ②
これは前述の「浮き上がり」と原理は同じなんですが、見え方が違うので、別途説明します。
適切な言葉を探せば、穂先の動きが何かによって一瞬止められたような感覚です。
波で船が持ち上がっている時は、穂先は負荷が掛かりお辞儀していく訳ですが、その途中でお辞儀が一瞬止まるように感じるアタリです。
逆に船が下がっていく時にも、戻っていく穂先が一瞬止まるような感覚です。
ただし、このアタリも視覚に明確に現れるものではありません。
「もう少し穂先が上がる(下がる)筈だが、なんか止まっている(モタレている)ような…」で取敢えず聞きを入れる。
このアタリ(戻る穂先が止まる)が取れるようになると嬉しいですよ~。


 【ツッ】アタリ③
これは言葉のとおりです。
「ピピッ」でも構わないのですが、穂先が下方向にチョンッするアタリです。
但し、このアタリはアタリ①~②を見逃してしまい、イカが逃げるときの“逃げアタリ”です。
イカがスッテを抱いて負荷が抜け、逃げるときに急に錘負荷が戻る 又は イカの足がカンナに引っ掛かっていて仕掛けが揺れる…。
ですのでアワセても掛からなかったり、チップのみだったり、よくても触腕掛りの確率が高いです。


 【ラインの震え】
このアタリは原則から外れます。
というのが、錘を底から切らず、所謂ゼロテンション時によく見るアタリだからです。
故に、アタリは前述した①~③で終了。
尚、船は常に動いているので、ゼロテンションを多用すればオマツリが多発します。
「やるな」とは言いませんが、やるならば一瞬にして、イカが掛からなければ直ちに底を切ってください。
アタリは言葉通り、ラインがブルッルッと震えるのが目視できます。
竿の硬柔に関係なくTOPガイドの真下辺りに発生する現象です。
また、海面のラインが横にフっと動くように感じるのもアタリです。


 【モワモワッ】
これが一番難しいアタリです。
穂先が錘負荷だけの時と、船の上昇によるお辞儀の限界時、穂先は一旦止まりますよね?
この時、穂先に震えだとかは発生せず、何だか「モワモワッ~」としたものを感じるときがあります。
私も視覚情報としてアタリと認識していないので、ここに書くかどうか悩みましたが、空アワセしてみると乗った…という経験がチマチマあるので書いておきます。
とにかく、諸兄もモワモワっとした違和感を感じたらなら、空アワセしてみてください。


 【穂先から目を離さない】
もしマルイカのアタリ≒違和感が察知できるようになったら、是非、実践してもらいたいことのひとつです。
誘いも兼ねた空アワセを入れたとき、穂先から目が離れ、目線を海面においたままの方がいらっしゃいます。
「空アワセだから、もし乗れば手感度でズンッとした重みが伝わるし…」と考えていらっしゃるのでしょう。
しかしながら、竿を煽り上げたとき、竿を海面に下げてくる途中にアタリが出ることも頻繁です。
煽り上げたときには巻きアワセ、下げてくる途中のアタリはすかさずアワセを入れる。
是非、試してみてください。


 【活性の低い日はアタリを取ることに執着しない】
ここも重要です。
アタリが解らないうちは、どうしてもアタリを見ようと竿の動きが止まり気味になります。
それが活性が低い日であれば、言わずもがな貧果になってしまいます。
では、どうしたらよいか?
例えば、イカが触腕でワンタッチするだけの展開であれば、アタリを察知できてもアワセが間に合わないので、着底、1、2、でひとシャクリするようなタイム釣りが重要になってきます。
渋い日にはアタリを見ることに執着せず、活性の高い日にアタリをよく見て経験を積んでください。



マルイカのアタリの正体は(説明でも記していますが)、モタレなんです。
また、マルイカのアタリは見て判断するというより、「感じるもの」といった表現の方が適切なのかもしれません。

私が察知できていないモタレも他に何通りもあるのかもしれませんが、今回書いたことは少なくとも私の中では事実です。

「あっ、このことを言ってたんだ!」と視覚情報で理解できれば、貧果に泣くことも少なくなる筈です。
是非、石の上に3年も座ることなく、違いのわかる釣人にショートカットしてください。

その内、アタリの出し方や、渋い日の対策なども書いてみようと思います。

2013-09-07

オニカサゴの釣り方

Revenge‘13partⅠ(オニカサゴ編)にてチッこい鬼を釣るには釣ったが、如何せん納得いかない私…。
1kgアップ(夢の2kg)を目指し、再度リベンジの準備開始だ。
折しも多くの釣人がキハダ・カツオでフィーバーしており、船が空いていれば尚更ラッキーだ。
そ~んな都合いいことばかり考えていたのだが、振っと、この釣りについて今までブログで詳しく触れていなかったことに思い至り、自分の備忘録も兼ねて書き留めておくことにした。
諸兄の参考となれば幸いである。

【天秤仕掛け】
正式和名を「イズカサゴ」というが、巷で「オニカサゴ」といった方が通りがよいこの魚は、水深100~200mの中深場、根際や駆け上がり、駆け下がりに生息している。
故にベタ底を狙うことになるので、仕掛けは胴付でもよかろうと思われるが、天秤仕掛けが主流である。

これは胴付仕掛けで(底を切らない輩が意外にも多い)オマツリの多発防止と、頻繁な根掛りを未然回避しているのだろうなと勝手に推測している。
釣り雑誌によると、天秤仕掛けとすることで、枝スを出した吹き流しが可能となる。
所謂、ヨコ方向の釣り≒仕掛けを流せる範囲が広くなり、確立UP狙いなんだそうだ。

因みに私はチドリ天秤(アームが回転しないタイプ)を愛用している。
腕の長さはあまり気にすることもないが(短すぎると手前マツリするので、40cm程度か)、それよりも腕に張りのある伝達(アタリ)がよい材質を選んでください。
形状記憶合金のようなヘニャヘニャは不向きです。

【仕掛け全長】
仕掛けの全長は、地域(波の大小)や釣人のスタイルにもよるが、短いもので1.5m。
長い仕掛けでも2.5m。
あまり長過ぎると、棚ボケするので2.0mが主流かな。
敢えて言えば、早潮時には長めの仕掛けが有利。

【鈎】
エサ(鈎)を丸呑みする魚である。
その際、魚が違和感を感じれば吐き出すし、釣人がアタリを察知すればアワセを入れる。
となれば、必然的にネムリ(ムツ)鈎を使用することとなるが、鈎にヒネリが入っているとエサの回転で魚に違和感を与えるので、ヒネリが無いもの。

違和感という意味では、細い(軽い)鈎の方が潮馴染みが良いだろう。
また、小型のオニカサゴでも口は十二分に大きいので、サイズは大きいもの(ムツであれば18号とか)で構わないが、形状は(チモトから鈎先を結んだ角度が狭くなる)長軸を推奨する。
色については、特に拘る必要はないだろう。

人気魚のため、専用鈎も売られているが、私の考察では、長軸ムツ(細)ヒネリ無し18号が好ましいこととなる。
【幹ハリス・枝ハリス】
根魚に共通することだが、概ね彼等はハリスの太い細いにデリケートでない。
深場では食い物こそ少ないが、ストレスが少ない生活なのだろう。
最大でも2kgの魚だし、歯が鋭いわけでもなので、極端な話、ハリスは3号で十分なのだが、誘いを頻繁にかける攻めの釣人は、動きのよい細ハリス。

置き竿でも十分と考える静の釣人は、潮の抵抗を大きく受ける≒動きのナチュラルな太ハリスを選択してみては如何か。
定番は6号といったところ。
尚、後にも述べるが、枝ハリスは幹糸より2号位は細くすることを推奨する。

【タックル】
条件を絞り、手持ち誘い釣りのみとした場合、吹き流しの仕掛けからの魚信を拾うという意味で、感度の良い先調子の竿を使うこととなる。
中深場の場合、どんな竿を使っても、着底→底を切るときに糸吹けの影響もあり、スピーキーな動きが取れないものだが、7:3調子だと更に1~2テンポ遅れが生じる。

クッション性を犠牲にしてでもヤリイカ竿など、先調子のものがお薦めだ。
錘負荷表示は、地域(潮の速さ、水深)によっても異なるのだが、関東では150号を使用する船が多い。
誘い幅は1mあれば十分だが、ウネリが大きい日や潮の速い日に、棚をキープする為には短くても1.8m、2.0m前後が適当だろう。

電動リールにはPE4号を400m巻いておこう。
底立ちを取ることから水切れがよい細糸が有利なのだが、以前、イカ釣りで3号を巻いていて太いPEとオマツリして一発で高切れした経験から、中深場では4号以上と決めている。
棚は凡そ200mなので、1回高切れしても釣りが続けられるように400mだ。

基本的には手持ちの釣りなので、竿、リール共に軽いタックルであることに越したことはない。

【集魚グッズ】
今までにも述べてきたが、私は集魚グッズについては否定的な人間なので、コメントは控える。
仕掛けはシンプル is best が私の信条。
念の為、タコベイト位は鞄に忍ばせておいてもよいが、サバの猛攻がある時はすぐに外そう。

【エサ】
関東圏ではサバに限らず、銀か白の皮付きの身エサを、薄く2cm幅で10cm以上の長さに切ったものが推奨される。
俗に鬼は「ヒラヒラ」が好きというのは、実釣から本当のことだ。
当然、冷凍ものより新鮮(釣りたて)なものが良い。
御前崎に行ったときには、ブリのハラモが配られたこともある。

【釣り方】
海の中はどうなっているか覗くことが出来ない。
故に、我々はイメージで釣りをするしかないのだが、どうしても情報誌に掲載されるイラストが頭の中を占めてしまうようだ。
上図は、一般的な2m仕掛けで底を切ったイメージ図なのだが、大方の方は左図ようなイメージをお持ちではないだろうか?
左図の場合、底を1.5m切らなければ、先鈎は底スレスレとならない。

よく「底を1m切ったところでアタリを待つ」と言われるが、実際に底を1m切ったときに先鈎が底スレスレとなるには、60°(30°)仕掛けが吹かされていなければ成立しない(右図)。
海面の潮では参考にはならないかもしれないが、イメージ作りのために仕掛け投入時に直ぐに落とさず、海面で仕掛けの吹け方を確認してから仕掛けを落とすように心掛けてもらいたい。

次に問題としたいのが枝スのバランスだ。
前述しているが、枝スとハリスを同じ太さとしてしまった場合、潮の吹け方も同調してしまう。
違う動きを演出することと併せ、広く誘う≒違う場所に鈎を置いておくためにも、枝ハリスは幹ハリスよりも潮切れのよい細いサイズのものを使いたい。
そうすることで枝鈎が魚の上をスルーしてしまっても、もう一度先鈎で捕ることが可能となる。
右図では底を1m切り、仕掛全長の半分の位置から、それぞれ30cm~60cmまでの枝スを出したイメージなので参考まで・・・。

カサゴ類の本アタリは2通りある。
まず、浮いているエサを喰い上げた場合、根に戻ろうと反転するので、前アタリなく本アタリが大きく竿先に表れる。
このアタリが出れば、初心者でも鬼GETも安易だが、こんなアタリが現れるのは稀で、有っても(十中八九)外道のアタリだ!

通常は、居食いのようなアタリである。
エサ(鈎)の端を咥えた時、前アタリ。
エサ(鈎)を丸呑みしたときの本アタリとなるのだが、何れも魚は反転しないので、アタリはピクッピクッとしか竿先に表れない。
初心者でもない限り、見間違うような微妙なアタリではないものの、この前アタリを見逃してしまうと、折角のチャンスが半減してしまうので、要注意だ。

また、オニカサゴはエサを追うことは無いと言われており(目の前を通過してしまったエサは追わない)、前アタリがあった時も船(仕掛け)は風や潮、動力で流されているので、出来るだけそのポイントに仕掛けをステイしておくために、私はクラッチを切り、必要に応じて糸を少~しづつ送りながら、竿を送って丸呑みするシグナルを待つようにしている。

よく本アタリは「引き込むようなアタリ」というが、これも眉唾ものだ。
そんな明確なアタリがあれば苦労しない。
私の場合、前アタリから2回目(都合3回目)のピクッピクッでアワセを入れている。
とにかく、即アワセでは鈎掛りしないこをを念頭において置いてほしい。

また、アワセるときに注意しなければいけないのがPEの糸吹けだ。
何の気も遣わず、糸が吹けるままに着底し、そのまま誘っていたのでは、糸が吹けている分、肝心なアワセが効かない。
着底前に糸が立つようにサミング調整し、根歩きするときも糸を立てるよう常に心掛けが必要だ。
口が硬い魚でもあるので、向こうアワセで釣れるには釣れる魚だけど、鈎が口に引っ掛かっているだけという場合もある。
海面でポチャッてことになりたくなければ、必ずアワセは入れよう。

ここまで説明すればお解りのことと思うが、オニカサゴ釣りで大きく竿をシャクッている方をよく見かけるが、この動作は合理的でない。
この釣り方は、オニじゃなく普通のカサゴの釣り方で、底を引き攣っている鈎がシャクリによって底から浮き、適正なポジションとなったときのアタリで、こんなへっぽこブログを読んでいらっしゃる方は、そんな釣り方が本意ではない筈だ。

落ちてくるエサ(誘い)には反応するのだろうが、テンションが抜けた仕掛けからは明確なアタリが出ない。
故に「聞き」が必要となるので、常に聞き続ける訳だ。
竿先を上下して仕掛けを躍らせる誘いは有効と考えている。

棚を探るというという言葉も不適切だ。
オニカサゴは必ずベタ底にいるのだから、その日の仕掛けの吹け具合(底を何メートル切ったらエサが底スレスレを漂うか)をイメージしながら「アタリ」を探るのだ。
また、起伏の激しい場所を攻めることも多いので、忙しない程に底立ちを繰り返すことが重要だ。

但し、この底切りの調整はリールでなく竿で操作すること。
着底→底立ちをとり、糸を立てる→リールで底を切る(竿先を海面にアジャスト)→ゆ~くりと竿で目の高さまで聞いていく。
眼の高さまで聞けば1m誘うことになる。
アワセ又は竿を送るのにも適したポジションなのでこの位置を基本とする。
全長2mの仕掛けならば、底を50cm切るか、1m切るかの2通りでアタリ棚を探ることになる。

そうは言っても、海の状況は毎回異なる。
波の大きい日もあれば、潮の速い日もあるし、船頭の操船にも癖がある。
実釣はイメージ通り物事は進まず、アタフタと状況に対応することになる。

そんな日(海が悪く翻弄されるような状況)には、とにかくマメな底立ちを心掛けると共に、ロング仕掛けにチェンジして、竿は煽らずに船の上下で誘いをかける釣りに切り替えよう。
このとき注意しなければいけないのが、竿の弾力だ。

竿を水平にしてアタリを待つと、どうしても竿の弾力で仕掛が安定しない(穂先が暴れる)ので、竿先は海面向きに下げる(竿の弾力を殺し、しならせない)こと。
船が波の底にきたとき錘がコツッン~する位に調整し、こんどは2m波で浮き上がるなら、理論上、適度な誘いを入れていることになる。
ウネリが大きく、船が3mも浮き上がるような感じがすれば、更にロング仕掛けに切り替える。

私の一連のオニカサゴ動作イメージとしては…
①着底(糸吹けが出ないようサミングしながら)
②糸吹けを取り、出来る範囲で糸(PE)を立てる
③底を切り、ゆ~くりと1mほど聞き、魚信が底何mで出るか探る
④その日の棚に目星がつけばその棚で10秒ステイ。竿を上下して誘う
⑤アタリが無い→①に戻る。前アタリがあれば竿を送る(クラッチ切り、糸送る)
⑦本アタリ→アワセ(本アタリにならなくても枝鈎の次に先鈎に喰うのを想定し、ステイ)

【チャンス・時合】
オニカサゴが好む根に魚が集まってきているのか、群れで生息しているのか定かではないが、釣れるポイントに入ると船中同時ヒットということも頻繁にある。
誰かが釣れたらチャンスなことは間違いない。
そういう意味で、釣座は潮先有利になるので、船長の船の操りが解るようであれば、潮先に釣座は確保したい。
誰かが根掛りしたというのも一つの信号だ。

【旬・料理】
一年中釣ることが可能だが、食って美味いのは何と言っても冬!
このコメントについては、実釣記にでも触れることとする。

2013-09-01

フグの遊動仕掛け

美味しいフグを食いたくて…、そんな建前とは別に、外房~常磐のフグ釣りは熱くなる。

東京湾のフグ釣り(湾フグ)は、静かな海で微かな穂先の変化を見逃がすまいと、修行僧のような釣りとなるが、外房~常磐は外洋に面している分、波・ウネリが大きくアタリの見極めが難しい。

但し、フグの個体数は東京湾とは桁違いに多いため、船の上下動で勝手に「聞きアワセ」が入り、ブルッブッルルと「逃アタリ」が出る。
慌ててアワセを入れても豊富な群のおかげで釣りが成立してしまう。
故に、アタリを取るよりも空アワセが有効な訳だ。

この「逃アタリ」が曲者で、アワセて掛らなければ熱くなる!
外房~常磐のフグ師は、これがフグの本アタリと履き違えている方が多いが、実のところ本アタリは、このブルッブッルルの前にあるのだ。

「湾フグは難しい」とよく耳にするが、ことアタリの見極めだけでいえば、外房~常磐のショウサイフグの方が一段難しいのではないだろうか。

そんな本アタリを取りたくてフグ師の皆さんは、少しでも仕掛けの感度向上を目指し、工夫をする。(仕掛けは構造がすっごく単純ということもあるんだけど)

斯くいう私も“あれやこれや”してきた訳だが、いつまで経っても結論が見えない且つ、究極の課題が「遊動仕掛けはアタリが大きく出るの?」という点。

端的に言えば「エサ鈎と道糸がダイレクトの方がアタリが大きい筈?」。
ほとんど悩みと言っても過言ではないこの課題にひさびさに取り組んでみることにした。
ご覧のとおり、今回用意したのは「遊動式の鯛ラバ」。
90g(3.75g=1匁(号)として24号に相当)。
フック(エサ鈎)は遊びを少なくするためにダルマスリーブで接続した。

そして実釣(テスト)は、釣果情報で最も数が安定していた飯岡の幸丸まで足を延ばした。
心の中では爆釣&竿頭上等!
得てしてこういう場合には、必ずと言っていいほど落とし穴が待っているものだ…。

投資総額約1500円のこの仕掛け、投入開始から約3投でPEラインブレイクで海に奉納することになったのだ。
あ~神様、あなたはこの課題から私を解放してくれないのですね…。アーメン

そんな訳で、写真の仕掛けはちっこいフグ2匹しか掛けることができず、敢え無くテスト終了となったのだが、そこは好調な飯岡。
通常のカットウでも難無く45匹は拾うことができた。
また気が向いたときにこの課題には取り組むこととする。

P.S.
房総・常磐のショウサイフグに良さそうな竿を発見した。
Aブリッツカレイ82」だ。

過日、キス釣りで友人の竿を借りたのだが、非常に感度がよかった。
このキス竿がリーディングキスMHで、メガトップというカーボンソリッドの穂先(ティップ)を採用している。
フグ竿も「この穂先がついたモデルがあればいいのに」と思い、メーカーのHPを眺めていたら、あるじゃないの!メガトップ。

しかも竿の長さも165と一番欲しかった長さ。
更に、お高いダイワの竿なのだけれど、実勢価格も2万円を切っている(価格comでパッと見ただけだが)。

フグ釣りにカレイ竿?と怪訝な顔をされている方もあるかもしれないが、そこは私の経験とキャリアを信じてもらうほかないが、とにかく、これから外房・常磐のショウサイフグ竿の購入をお考えの方にお薦めの1本だ。

2013-07-07

魚包丁について

私は釣ったお魚を美味しくいただく派です。
そのために欠かすことができないのが「包丁」です。

美味しくいただくという視点に立つと、包丁には釣具以上に拘ってもいいのではないかとも思います。
これから釣りを始めようと考えている方、魚を釣って帰ったが、捌くのに苦労した経験(包丁を買わなければ…と思っている)のある方へのアドバイスを含め、私の包丁事情にも少し触れておきます。

【なぜ出刃包丁が必要か】
まず、家で魚を捌く場合、必携となるのが出刃(デバ)包丁です。
一昔前までは、一家(流し)に1本は出刃包丁が置いてあったものですが、魚はスーパーでトレイに乗った切身を買ってくる時代となり、まず釣りをする家庭にしか出刃包丁の需要はなくなってしまいました。

確かに、家庭で使う包丁の代名詞「三徳包丁」は使い勝手もよいものですが、こと魚を捌くのには適していません。
但し、柵(魚の切身)をお刺身に引いたり、魚の皮を引くには三徳包丁でも見た目を気にしなければ使えます。(柳刃包丁の話はまた別の機会に)

しかし、釣り人は概ね頭も尻尾もついた魚を家に持ち帰るものだから、まずは魚の頭を落とさなければならないし、骨をはずさなければ(三枚か五枚おろし)なりません。
この場合、三徳包丁の課題となるのが薄い両刃の包丁であることです。

硬い魚の頭(骨)を断つ場合に求められるのは、包丁の厚み(重さ)です。
薄い包丁では謂れの如く「刃がたたない」のです。
まあ1匹くらいであれば、何とかなっても、アジのように何匹も釣れる魚は危なっかしいし、刃もこぼれてしまうでしょう。

一方、出刃は厚く重い包丁です。
頭を落とすときは、骨と骨の隙間に刃を当てて左手で押せば(大型は左手で叩く)、包丁の重みも手伝ってすんなりと頭を落とせます。
出刃包丁の厚み
次に、大方の料理では身から骨をはずすことになると思います。
所謂、三枚おろしです。
ここで問題となるのが、包丁の刃のつけ方です。

前述のとおり、三徳包丁は両刃の包丁で、出刃は片刃です。
もう少し詳しく言えば、出刃の刃のついていない面は真っ平ではなく、ごく僅かに窪んでいるんです。
ですので、身離れがいいんですね。

また、三枚におろす際は、包丁の切っ先を骨に当てて(目安にして)いますので、頭をおとすのと同じで、重さと厚みのある包丁が求められます。
三徳包丁では量(匹数)を捌くうちに切っ先がボロボロに欠けてしまいますし、薄く軽いが故に切り口も(反ってしまい)安定しません。
小型の魚を捌くのに便利な小さい出刃包丁
通称「アジ切り」。ステンレス鋼の包丁で、海に携
行するものだから、錆びを取るためにキズが多い
【包丁選び方について】
釣り人というのは厄介なもんで、流しで使う包丁を釣り場(海)にも持っていきたいなんて用件(条件)が発生するものだからややこしい。

そんな輩から包丁について質問されたりしますが、そんな時、私はズバリ「GLOBAL(グローバル)」をお薦めしています。

釣り人の用件(海に包丁を持参する)と日頃のメンテナンスを出来るだけ軽くするには、錆び≒包丁の素材に留意しなければなりません。
和食の職人さんの包丁は須らく鋼製で、魚を捌く音も響きよく、最強の包丁(値段も)なのですが、はっきり言って(家だけで使っていても)錆びます。

まめなお手入れが必要な鋼製包丁を釣りに持参し、潮風にでも晒せば、あっという間に錆びが広がってしまいます。
故に釣り人の包丁素材はステンレスに限定されるのです。
ステンレスであれば、釣行後・調理後の手入れだけでOKです。

因みにセラミックという選択はあるのかもしれませんが、素材特性上、ペティや三徳包丁に加工はできても、出刃の重みはセラミックでは出すことができません。

そんな訳でステンレス包丁を見渡すと、量産物ではGLOBALとなる訳ですが、それはGLOBALは純粋なステンレスではなく、ステンレス鋼の包丁だからです。
恐らく、素材に有名なYSS(ヤスキハガネ)を使用しているのではなかろうかと推測しています。

職人さんが使う鋼製の包丁より切れ味が劣りますが、錆びにも強くご家庭で使われるのには充分満足いただけると思います。


【安い包丁では駄目なの?】
弘法筆を選ばずで、河岸で魚を扱う方や料理人は三徳包丁でも鮮やかに魚を捌きます。
これは魚のどこに刃を当てれば、力を入れずに魚を切れるか体得しているからです。
しかし我々は、その域にはなかなか到達できないものです。

「関孫六(貝印)」などに代表される量産の出刃包丁がホームセンターで3000円位で売ってはいますが、買った直後は問題なくとも、何年かする間に切れ味や錆び、欠け(メンテナンス)の問題が生じ、買い替えが発生します。

これが3度も重なれば9000円です。
GLOBALであればメーカー希望価格で8400円。
釣具全般にも言えることですが、魚用包丁についても「安物買いの銭失い」が顕著になります。


【MY包丁】
私も何だかんだ「安物買いの銭失い」で、あれこれ安包丁を買ったものですが、現在は「牛刀」をメインに使っています。
その名のとおり、肉を切る両刃包丁ですが、重さもそこそこあり、お魚用に片刃に研いで(仕上げて)あります。
牛刀(これもステンレス鋼です)
よほど大きいお魚でない限り、これ1本で全て(通常の料理も含め)賄える万能包丁です。
但し、出刃がないとどうにもならない時もあるので、「最初の1本」にはお薦めしません。

2013-06-22

台風(シケ)後の荒食いってあるの?

平成25年6月21日(金)朝、台風4号LEEP(リーピ)1002hPaが九州の西にあり、九州への上陸が懸念されていた。が、午前10時頃には温帯低気圧となった。
台風の動きをハラハラしながら見守っていた私は、当然、週末の釣行可否で頭が一杯だった訳だ。

天気予報によれば、温帯低気圧に変わる前の台風4号は、土曜には関東を通過し、日曜は台風一過の予報だった。
しかし、私は台風(シケ)後に良い思いをしたことがない!

世間ではシケの後はイカは乗りが良いとか、鯛は駄目とか、大爆釣か丸坊主か両極端とか、とかく海というのは不可解だ。
(その謎を少しでも解くべく、私は7月6日より国立科学博物館で開催される「深海展」に足を運ぶつもりである)

じゃぁ~WEB検索してみようじゃないのと、キーワードを叩くが、どういう訳かこういった統計をしている方は過去にいらっしゃらないようだ…。
「じゃあ自分で情報集めてみようじゃないの!」ってのが今回の取り組みだ。

但し、周年データ取得可能でなければ意味がないので、対象は船釣りの代表選手とする。
アジ、マダイ、イカ(スルメ・ヤリ)の3種だ。
データが貯まってくれば、諸兄がシケ後に釣行する際のお役にたてるのこともあるかもしれない?
乞うご期待!

2012-07-01

フロロ破断強度について

過日のLTアジ釣行で、PE1号、フロロ5号でリーダーをFGノットで組み、2回もラインブレイクした…。
ビシは30号だ。
しかも、切れた箇所がPEだ。
確かに極細PEを1年以上も巻きっ放しにしていたので、PEが疲労していたのは否めないが、天秤とビシを無くした悔しさもあって、少しここら辺の事情を調べてみたくなった。

ところが、そんな思惑に反し意外な事実が浮上した。
何と、どのラインメーカーもフロロの破断強度情報を開示していないのだ!

こんなことが有っていいのかと、半信半疑(意地)になってネットを調べたのだが、メーカーからのオフィシャルなデータは皆無…。
きっと同じ理由でネットを探す方もあろうかと、ブログにコメントを残す次第です。

私が知りたかったのは、ただ単純にPE1号の破断強度、フロロ5号の破断強度を比較して、PEが弱いようであれば、次からリーダーを4号に落とすべきかという判断、ただこの1点だ。
ルアーの世界であれば考えられない愚行である。

そして粘った甲斐があり、DUELでやっと開示情報をキャッチ。
これにより恐らく参考値にしかならないだろうが、破断強度の相関関係を確認できる。
因みに、PEはポピュラーなウルトラ2ダイニーマ、フロロはH.D.カーボン船ハリスとする。

【フロロ】       【PE】
1.5号…3.0㎏
2.0号…4.0㎏    0.8号…4.8㎏
2.5号…5.0㎏
3.0号…6.0㎏    1.0号…7.0㎏
4.0号…7.0㎏    1.5号…9.0㎏    
5.0号…9.0㎏    
6.0号…11.0㎏
7.0号…11.5㎏    2.0号…13.0㎏
8.0号…13.0㎏   

FGノットの結束強度は無視すると、過日のLTアジはライン号数のチョイスがミスだったことが明らかになった。
感覚的ではあるが、思いの外、フロロは強度があるのだなぁと認識を改めた次第だ。

2011-11-05

船酔い、酔い止めについて

今回は「酔い止め」に的を絞って書いてみようと思います。
というのも、過日、海が比較的穏やかな季節だというのに、なぜか船酔いをしたからなんです。
また、標題については、以前、「釣行前日についての考察」として触れているので、必要に応じ以前の内容(転載)に肉付けをしようと思います。

薬(結論)は後にして、船酔いについてオサライしてみます。
俗に船酔いは船の揺れが「三半規管を刺激して体のバランスが崩れて起こる」とされており、ここについては説明する必要もないと思います。

もう少し詳しく説明すると、船酔いは揺れ(三半規管を刺激)からくる脳のストレスが原因で起こります。
体が平衡感覚を維持できるのは、視覚、内耳、深部知覚系他の情報が脳の中枢に伝えられているからです。
これらの情報が脳の中で混乱してしまうと、脳で大きなストレスが発生し、頭痛や唾液の分泌を引き起こし、更に、自律神経の副交感神経を刺激することで吐き気を催すと言われています。

したがい普段、地上で一般的な生活をおくっている者は(個人差もありますが)船酔いして当然なんです。
以前にも書いていますが、初心者の方に認識していただきたい点として、ベテランアングラー(釣りオヤジ)も船釣りでは酔い止めの薬を飲んでいることです。 

しかし、絶対に酔わないという方もいる。
何を隠そう、船頭が船酔いをしたなんて聞いたことも見たこともありません。
どんなに海が悪くても平然としている。

きっと自分で車を運転するときは酔わないのと同じなんだろうと思っていたのですが、実は違うらしいのです。
その訳は…、三半規管は鍛えることが“可能”なんだそうだ。

毎週必ずとまではいかないまでも、月に何回か船に乗るようになると、この鍛練が進むのか、釣りオヤジは余裕かまして船の上でビールを飲むようになります。
自分はもう大丈夫というプラセボ効果もある筈です(笑)。
船酔いしてしまう方には信じられない自殺行為に映ることでしょうが、海風に吹かれながらの飲酒はなかなか気持ちの良いものです。

しかし、この鍛練も毎週船に乗ったとしてもたかだか月4日、船頭の月30日に敵うわけもない。
海が悪ければ、釣りオヤジが酔い止めを飲んでいたとしても「ある条件をクリア」していないと船酔いに苦しむことになります。

その条件とは「睡眠(体調管理)」です。
過日の私の船酔いの原因はこの睡眠不足によるものです。
幾ら酔い止め薬を飲んでいても、体調不良では薬が効かないので無理もありません。

ビギナーほど釣行前夜に興奮して眠れないものですが、酒を飲むなり(飲み過ぎもダメですが)、前々夜に夜更かししてでも前日に充分な睡眠を確保してください。

前振りが長くなりましたが、ここからが「薬」のお話しです
最近の酔い止め薬は優秀で、どれを飲んでも左程、効き目の違いはありませんが、「アネロン」という薬が“効く”と言われますし、シェアも高いのでお薦めです。

しかしながら、薬を飲んでいても車も電車も駄目…。
船なんてもっての外という乗り物がダメダメな人がなかにはいます。
こんな人が船に乗れる魔法のような薬はありませんが、方法はあります。

その方法とは、薬の飲み方を工夫することです。

(1)酔い止め薬を乗船日の2日前の夜までに購入する
   錠剤×2回分、アンプル(飲み薬)×1回分
   錠剤は前述のアネロンで構いません
   アンプルは「センパア」をお薦めします
(2)乗船2日前の夜に錠剤×1回分を服用し睡眠
(3)乗船前夜に錠剤×1回分を服用し睡眠
(4)乗船日の朝、アンプルを服用して乗船

私の部下で湖の遊覧船でローゲしたとゆうツワモノも、騙されたような顔して「うめさ~ん、今日は全然酔いません…???」という結果だったので、是非お試しあれ。
但し、くれぐれも睡眠不足(体調不良)では薬は効きませんからねぇ~。

最後に乗船後(釣り船に限定)の船酔い対策(条件)を書き留めます。
・タバコや石油の匂いで酔いやすいこともある→艫(船尾)は×
・視覚からの酔い。遠くを眺めるには上下動がない方がよい→舳(船首)は×
・進行方向に向いていると良い
・船底は揺れが少ない
・波飛沫を被らない(体力消耗、ネガティブ思考)

これらの条件を総括すると、移動中は船室で操舵室でも眺めながらリラックス。
釣座は胴の間、しかもど真ん中がよいでしょう。

2011-01-21

優れもの(その4)TALEX・偏光レンズ

「優れもの」も今回で4本目。
何だかシリーズ化できるような気がしてきました…。

さて、写真は私の使用するサングラスです。
とは言っても、今回のご案内はサングラスというより ″偏光レンズ″ を中心としたものとなります。



フレームは「ZEALネオアベンジ」の模作品で、NOブランドかと思いきや「ZeroStage」なるメーカーのものでした。
勿論、中国製!

私は視力が弱く、サングラスを度付きにする必要があるのですが、費用としてはフレーム代+レンズ×2枚+度付き加工の3つが必要で、お財布にやさしくないんです。

故にフレームはブランド品を避け、基本性能がしっかりとした安価なフレームとしています(コピー品のくせしてALLチタンフレームなんですが…)。

そして肝心の(金を掛けた)偏光レンズ(度付き)は、TALEX(タレックス)トゥルービューを装着しています。

釣りの分野では比較的に有名なTALEXですが、インプレッションを一言で表現すると「凄い!」です。
想像を絶する海面雑光(海面反射)のフィルタリング能力…。

雑光が無いから「見やすい」。
見やすいから「ストレスも少ない(目や体がラク)」。

いまや ″コレ無し″ に釣りは私には考えられません!

そんなTALEX(偏光レンズ)ですが、ここに辿り着くには紆余曲折がありました。
詳しくは「海にでると…②(釣用サングラス)」をご覧ください。

そこで、今回のコメントには素人ながら私の偏光レンズの選定ポイントなどをアドバイスしようと思います。

まず、最大のポイントは「金を惜しむな」です。
冒頭にも述べましたが、非常に高価な買い物です(メガネを作られたことのない視力の良い方は、特に衝撃が大きいと思います)。

それでも良いレンズ+しっかりした調整を施せば、ストレスや疲れを軽減してくれるので結果としてテクニカルな釣りになればなるほど釣果にも影響します。
ロッドやリールを買える金額とはなりますが、偏光レンズだけは騙されたつもりで良い品を選んで下さい。

次にフレームの形状は非常に重要です。
こと釣りに限定するならば、カーブの強いデザインは絶対に避けるべきです。

ドライブ、バイクやランニングなど減光(眩しさを防ぐ)ことが目的であれば、カーブが強いデザインは側光を軽減してくれるので良いのかもしれませんが、カーブが強ければ収差が生じ、頭が痛くなったり、視界のボヤケ、歪みの原因になります。
この現象は視力の良い方にもあらわれます。

釣り用にカーブの強いデザインを検討されている方は耳を傾けていただいて損は無いと思います。

また、最近では紫外線...UVカット(UV400シール)機能の無いサングラスは見掛けなくなりましたが、アメリカでは紫外線カット率が99.5%ないと規格適合せず、サングラスとして販売できません。

TALEXでなくても名の通ったメーカーのレンズであればこの規格にはまず合格しているので、重ね重ねにはなりますが、レンズは良い品を選ぶようにしましょう。

尚、紫外線による目への影響は過日コメントしてありますので、参考にして下さい。

そして見やすさの基準は、現在、2つの指標があります。
自然光を通す割合を可視光線透過率とし、雑光をカットする割合を偏光度で表示しています。

因みに私のトゥルービューは透過率30%、偏光度99%です。

可視光線透過率は明るさです。
数値が大きいほどレンズの色は薄く、視野が明るくなります。
私の場合(30%)、室外では目が透けて見える程度の濃淡です。

偏光度は海面のギラツキを消去する割合のことです。
UVカットを含め、この性能がサングラスの全てといっても過言ではありません。
トゥルービューの99%は称賛に値します。



この偏光度、以前は濃いレンズ色でないと高い数値を得ることができなかったようですが、材質の研究開発により問題解決されたようで、目的やファッション性の幅が広がったようです。

そしてTALEXのレンズカラーは沢山のラインナップがあるわけですが、私が「トゥルービュー」を選択した理由は、ショップの方に目的(釣目)を相談したところ、一番ラインマーカーの視認性が良いとアドバイスいただいたのが1つ。

初めてのTALEXということで、冒険した色(イーズグリーンに興味あり)よりも ″定番カラー″ がいいのかな?と思っていたことが1つです。

レンズにはオプションが2つあり、レンズの素材とコーティング(傷付き防止)の選択が可能です。

TALEXの場合、素材はガラス、プラスチック、カッチューと呼ばれるカーブの強いフレームにも装着できるタイプの3つ。

ガラスは傷には強いのですが、重いので私はパス。
カッチューは前述したように、デザイン性に広く対応するために開発されたもので、若干コストも高いです。
従いプラスチックレンズを選択しました。

コーティングにはハードコート、ハードマルチコート、ミラーコートの3つがあります。
コーティングはしておくに越したことはないのですが、ミラーコートは見てくれが嫌い(論外)!
ハードはレンズ表面の反射と映り込みが起こり、見辛いことがあるので、見え方が良いハードマルチにしています。

また、フィッティングは非常に重要です。
フレームのフィッティングを怠れば、幾ら良いレンズを装着していても猫に小判。

特に視力の良い方は、ネットショッピングも可能なので店頭に赴くのも面倒臭いでしょうが、是非お店に足を運び、フィッティングをすることをお薦めします。

最後になりますが、メタルフレームを海釣りでご使用の後は、リールと同じでサングラスも真水でジャブジャブ洗いましょう。
帰宅してから中性洗剤で洗うのも重要ですが、潮のチカラは恐ろしいですよ…。

2011-01-11

海に出ると…②(釣り用サングラス)

過日、海に出ると…(医学的疑問)にて鼻水の話をしたところですが、今回の話題は ″目″ です。
また、アングラーにとって重要性の認識が高まっている目のケア(サングラス)についてのコメントも織り交ぜます。

鼻水についての謎は紐解けぬままですが、目に纏わる情報は比較的簡単に入手できます。
だって、人間(生き物)の生活・生存と目は密接な関係にあるわけですから…。

私はあまり視力がよくありません。
両目で0.3位の近視。
近い物が何となく見づらくなってもきています(加齢だな…)。

また、矯正はテニス(スポーツ)をすることからソフトコンタクトを利用することが多かったのですが、釣りで1日船に乗ると(海に出ると)目が異常に疲れます。
当然、下船後にコンタクトを外すのですが、外す時に目が痛いの何のって…。

この取り外しの痛みについては、自分の勝手な想像で、レンズで覆われていた部分に目に溜まった潮が沁み込むことで引き起こるのだろうと考えていました。
また、コンタクトを外した後は例外なく眠気に襲われるのです。

そんなある日、釣りに出掛けようとするとコンタクトが見当たりません。
部屋中を探すも、出船時間も迫っており、その日は止む無く仕事用のメガネで釣行することに…。

そうしたところ、どういう訳か目が楽だったんです。
加えて、眠気も左程でもない…。
このコンタクト紛失劇を「C事件」と仮称します。

このC事件が、沖釣りによる目に及ぼす影響他を考えるキッカケとなったわけです。

一方で、船釣師でも今や極細のPEを使う時代。
PE1.0号以下のゲージをお使いになった方ならラインカラー、ラインマーカーの見辛さは異口同音だと思います。

そこで皆さん、偏光レンズを装着したサングラスをご利用になっていると存じますが、眩しさを防ぐことはできても、視界自体がよくなりましたか?
歪みを覚えたことはないでしょうか…?

私は前述、ソフトコンタクト+偏光レンズだったのですが、偏光レンズはそこそこのメーカー品を使用していたのに、却って集中力を欠いてしまうこともシバシバ…。


合点がいかないまでも、コンタクトの影響もあるのかもなぁーと、真剣に考えませんでした。
ところが、C事件によってこの問題にもメスが入ることになります。

では、私のコンタクトによる症状は何だったのか?
真っ先に諸兄が思い当たるのが「紫外線」のことだと思います。
そこで、まずは紫外線に纏わるサングラスの話から…。

私が子供のころ(ざっと30年前としましょう)、日本でサングラスをかけている人を見掛けるのは主にTV…″太陽にほえろ″ に出演する「松田優作」か「石原裕次郎」(軍団)くらいなものでした(笑)











ところが、欧米の町を紹介するTV(兼高かおる世界の旅?)を見ていると、猫も杓子も(子供まで)サングラスをかけているじゃありませんか!

私は松田優作こそ好きでしたが、裕次郎がカッコイイと思ったこともなく、どでかいサングラスをかけてTVに登場する裕次郎は、何て気障なオヤジなんだろう、まぁー子供までサングラスかける外国人ほどじゃないけど…、とサングラスはお洒落グッズとして認識していたものです。

人間、歳をとれば少しは成長するようで、今では欧米人がサングラスをかける訳が解ります。
それは主に地球の緯度に影響されます。

緯度の高い国では、太陽は日本のように高く昇りません。
因みに東京の緯度はアフリカ大陸の最北端と同等で、ヨーロッパの全ての国は日本より緯度が高いのです。

極端な例ですが、アイスランドで1年のうち太陽が最も高くなる角度(南中高度)が34度。
1年の大半は日本の朝日と同じか、それより低い角度になります。











我々は「朝日が眩しい」という表現をつかいますが、アイスランドでは太陽が昇れば大半が「朝日が眩しい」状態なのです。

そんな環境下で生活するためには、サングラスが必需品となって当然。
片や、朝夕の一時だけ凌げば、眩しい時間帯のない日本ではサングラスをかける習慣は育たないわけですね。

また、欧米人は我々よりも目が弱いことも(体質の違い)サングラスをする要因です。
髪の色や目の色に現われるメラニン色素量は、多いほど黒く、薄いほど茶や青くなります。
虹彩(眼球の細い線が沢山ある茶色い部分)の色が薄ければ、強い光に対する感度も敏感になるということです。

蛇足ながら、日本よりも緯度の高い国ではダイレクトに太陽光を顔に浴びることから、目に多量の紫外線を浴びていることと諸兄は思われるでしょうが、実はそうでもないんです。

調べたところによると、サングラスをするしないを問わず、日本も欧米並みに目に紫外線を吸収しているということです。
これは太陽光の「反射や散乱」によるもので、ダイレクトに紫外線(太陽光)が目に入らなくとも、間接的に紫外線は襲ってくる。

言い換えれば、サングラスをする習慣のない日本人の方が、紫外線による目の病気にかかる可能性が高くなるということになるのです。

どちらかと言えば、ウンチクめいたコメントになってしまいましたが、目の病気を調べていくなかで紫外線の蓄積による発症と考えられる病気が幾つもありました。
角膜炎、白内障、翼状片、雪眼炎などです。

我々船釣師は海からの反射光を一般の方より浴びる機会が多い…。
海面反射する紫外線は、頭上から降り注ぐ紫外線の強さの3倍です。
然るに船釣師にとって紫外線対策はするに越したことはないわけです。

そして私の目の痛みの原因と思しきは「ドライアイ」と「軽度の角膜炎」でないかと判断しています。

発癌性が最も高い紫外線B(紫外線もABCと種類があるが…)を目に浴びると、角膜や前述の虹彩が炎症を起こし、その不快反応が脳で極度の疲労(眠りを促す)と判断されるのです。

また、ウィキペディアで「ドライアイ」を検索すると、

(要約)
原因は、PC等の凝視、眼の乾燥、コンタクト装着等による瞬きの回数低下による。
ソフトコンタクトは涙の蒸発量が多いので発症が多い。
症状は、ゴロつき、眩しい、痛み、かすみ、10秒から目が開かない、乾き、重たい、視力低下、感染症にかかりやすい。

とされています。
ソフトレンズにより症状が顕著になっていた上に、初夏の海でマルイカのアタリを視認するために目を酷使したせいなのでしょう。

C事件ではメガネをしたことにより、ドライアイ症状が幾分症状が和らいだという結論で、あとの2点、軽度の炎症、極細PEラインの視認性はメガネでは改善できません。

そこで、更なる目の快適(ストレスフル)と高い視認性を追求していくと、必然「偏光レンズ」について掘り下げる必要が生じたのです。
詳しくは 優れもの(その4)TALEX・偏光レンズ をご覧ください。

2011-01-04

釣り用語の謂れ(随時更新)

私のパソコンにはIME2010(MS)がインストールされている。
このブログを書いている時「みよし」と入力しても「舳」が検出されず、WEB辞書から「単語の登録」をおこなうのだが、辞書に書かれていたことが実に興味深い。

これはブログに覚書を残していればデータベースとまでは行かないまでも、酒のネタにはなるのではないかと思い、表題の開始を思いつく。
まずは、キッカケを作った「みよし」からスタートすることにする。

【あ】
【か】
【さ】
ショウサイフグ【潮際河豚】
「しおさいふぐ」がショウサイに変化
【た】
【な】
【は】
【ま】
み‐よし【▽水▽押し/×舳/船=首】 《「みおし」の音変化》
1 船首にある部材で、波を切る木。
2 へさき。船首。
【や】
【ら】
【わ】

2011-01-02

ライトタックル(LT)のすゝめ②

12月はメモ程度のUPをしたのみで、年が明けてしまいました。
皆さん、新年おめでとうございます。
私は非常に短い冬季休暇なのですが、書き溜めた下書きの清書などしながら、初釣りにも出掛けられたら…などと考えております。

今年最初のUP(清書)は続編ものから…。

前回(ライトタックルのすゝめ①)では、LTの成立ち(PEライン)からベイトリールについて触れました。
今回はLTの効力やロッドについて触れていきたいと思います。

前回の繰り返しとなりますが、PEラインの品質向上によりゲージの極細化が進むと、魚種毎に確立されていた釣り方や概念(タックル)にイノベーションが起こります。
結果としてタックルは強度をそのままに、細い・小さい・軽い方向に進化しました。
詳しくは前回を参照してください。

そのような視点に立つと、手軽な釣りとして親しまれてきたターゲット(キス、カワハギといった)は以前から軽い錘(華奢なタックル)で釣られており、本当の意味でLTとは言えないのかもしれませんね…。

但し、カワハギやフグは「水中ホバリングが可能な種」であり、アタリが明確な魚(エサを咥えて走ったり反転する)と異なりエサを啄むことからアタリ(シグナル)は極僅かです。
その僅かなシグナルを捉えるのにLT化は好都合だったのです。
特にカワハギの近年のブームがLT化を促進させた一面も否めない(立役者)点です。
いずれにせよ「LTはテクニカル≒ゲーム性の高い」傾向に進化しているのです。

私がLTを推奨する理由のひとつが、釣りが上手くなること(テクニカル)です。
「LTをやったからって、上手くなるわけないだろ~!」と思われる方もいらっしゃると思います…。
そこで、私自身のことを例に大好きなイカ釣りについて少し触れてみたいと思います。

私は今まで夏はスルメ、冬はヤリイカといったローテーションで年中イカ釣りを楽しんできましたが、今年(去年)はスルメが不調だったこともあり、LTマルイカに入門しました。
初めて乗った乗合船ではシェイク(叩き)、ゼロテンション、弛ませ、聞き上げ、巻き落とし、アクションの後のピタ止め等、皆さん色々なテクニックでマルイカを攻略しており、正直、忙しないなぁ~と思いました。

ところが、いざ実釣してみるとLTマルイカは想像を超えて難しく(翻弄され)、穴に吸い込まれるが如くズッポリとマルイカ地獄に嵌っていきました…。

それまでのイカは(スルメより難しいヤリイカにしても)、着底して弛ませる、シャクってツノを躍らせる、タナを探る、巻き落とし程度の引き出しです。
ましては120号以上の錘を使用し、中型の電動リールを背負う通常タックルでの作業です。

どうしても素早い動作は不可能ですし、大雑把にもなります。
更に乗りが悪ければ、タックルが重いことも手伝って、動作も単調な繰り返しになるのと同時に、ひとつひとつの動作が持つ意味も忘れがちになります。

ところがLT(マルイカ)はどうでしょう?
着底して叩く・止める→乗らない。
聞き上げる→触りがない。
巻き落とし。
着底、弛ませ、聞き上げ→乗らない。
タナを上げて叩き・止める→乗らない。
仕掛け回収、ツノ交換…。

慌しくも、LTの方が展開・動作が速い、乗せるために何が必要なのか考える…。
必然、海の中のマルイカの行動を想像する、潮の流れ・風向きも考慮する。
乗りを捕えるために穂先への集中力も高まる。

要するに同種類の釣りであれば、手数が多い分、上達が早くなる訳なんです。
初めてヤリイカ釣りをした時、アタリが解らずにハチャメチャな釣りとなってしまったものですが、今、ヤリイカを釣りに行けば、恐ろしく冷静に物事が判断・対処できます。

どうでしょう、少しは納得のいく内容だったでしょうか…。
何れにせよLTが釣りを上手くすることは、小生にとって疑う余地がないのであります。
加えて、タックルの軽さは特筆に値します。
確かにレギュラータックルの竿、電動リールは重いのですが、何を於いても堪えるのが錘の重さです。
過日、南房の釣りで久々に150号の錘を背負ったところ、船を降りたら腰が痛くて、痛くて…。

そこで代表的なLTのターゲットで通常タックルと使用錘の比較をしてみましょう。

          (通常) (LT)
 コマセマダイ……… 80号→ 40号
 アジ…………………130号→ 60号(軽くて30号)
 タチウオ……………100号→ 50号(軽くて40号)
 マルイカ…………… 80号→ 40号(軽くて30号)

アジについては、ポイントによる条件が異なるので、一概には言えないものの、タイとタチウオは実際の数値です。
これらの流れはライン(PE)に続きロッドに表れます。

LTロッド(ゲームロッドとも言うか…)が各メーカーから次々と登場しています。
ではロッドの進化はどこに現われるのか?



軽さ(スリム化)は当然として、LTロッドは素材の良さが際立ちます。
特に穂先はそれまで最高峰とされてきたグラスソリッドを凌ぐメタルトップがダイワから販売され、ライバルメーカーもそれに追従して超敏感な穂先の開発競争となっています。

他の部位にしても、これまでレギュラータックルは30号負荷で7:3調子、○○○gといった選択が主でしたが、カワハギ竿を例にとれば、LTロッドはエサ釣りの竿であるのにも拘らず、①ティップ、②ベリー、③ブランクス(バット)、④グリップの硬さを数字表記するまでに至っています。

ダイワの極鋭カワハギ1455を例にすると、数字は5段階評価になっており、最も硬いのが「5」、最も軟らかいのが「1」です。
ティップが1となるので、最高に軟らかく、4のベリーは硬め、それぞれ5のブランクスとグリップはガチガチに硬いということになります。
調子で言うと9:1の極先調子ということですね…。

因みにこの竿はメタルトップ装着モデルなので、穂先とブランクスと素材が別物。
継ぎはリールシートの真上にありますので、竿は3つの部位で構成されています。
メタルトップはさて置き、ベリーからブランクスにかけては1本ものということになります。

ティップを除く部位の殆どは「カーボン」となる訳ですが、このカーボンの進化がまた凄い!
ナノテクの進歩はカーボンを分子レベルで構成できることから強度向上しています。
結果として軽量化(薄くすること)が可能となり、従来のチューブラ構造から極端な肉厚細身設計が可能となりましたし、軟らかい素材に強度のある薄い素材をオーバーラップするといった使われ方も頻繁です。

例えば、UDグラス(今までグラス繊維は竿に対して平行に使っていたが、垂直(筒状)に加工し、グラスの欠点である繊維のほつれを防ぎながら、特性≒粘りを活かす)にカーボンをコンポジットした素材も出回っており、憧れのチェルマーレもこの構造です。
シマノ「スパイラルX」も同じような構造ですね。
薄ーいカーボンテープを竿全体にクロスに巻き上げてネジレ≒強度UPしているのです。

またブラックカーボンの開発も進んでいるようで、ナノ技術と時を同じくして進歩してきたLTロッドのブランクスはこれらの技術の恩恵を享受しているのです。
まさに好きな調子(ベンディングカーブ)を追い求めることが可能です。

LTをまだ経験されていない諸兄におかれては、100gアンダーの高性能ロッドを手に是非、いちどLT船に乗船されては如何でしょうか。

因みに私の一番のお気に入りLTロッドは、アルファタックルAlbaTrossフラフラMLです。
ライトタックルにしては背負える錘の範囲が広く、LTアジ、LTタチウオ、キス他、何かと便利な1本です。

2010-10-10

優れもの(その3)

今日は私のフグ仕掛用のケースについて紹介しようと思います。

過日のレポートにもありますが、カットウ仕掛のハリスは糸癖のない「シャキッーン」と張った状態が理想。
とにかく糸癖を付けずに現場へ持参したい。
然れど、カットウ仕掛け 長いんです…。

湾フグなら未だしも(ハリス10cm程度)、外房や茨城のカットウ仕掛のハリスは凡そ25cm。
更に錘が結ばれ、仕掛全長は35cm位になる。
当然のことながら、カットウ針(餌針にテンヤ針)は鋭く、むき出しの状態で持ち運ぶことは憚られる。
そこでフグ師の皆さん、仕掛ケースにひと工夫するわけです。

まずはケース探し。
仕掛の全長35cmとは言っても、仕掛を止めるためのフックも必要となるので、内寸40cmは必要となる。
また、カットウが潰れないような深さ(厚み)も必要となる。
こんなケースはなかなか見当たらない。

湾フグでは、プラの書類ケースにスポンジを貼って吊っている人、パスタ保存用の長いタッパに入れている人、塩ビの仕掛ケースなど色々とお見掛けするが、最高にフザけた方の話で少し脱線…。


ある朝、珍しく早起きでき、出船1時間前に船に乗り込んだ(通常、出船5分前が私の定番)。
フグの仕度は、喰わせ仕掛けを使う方がエサの準備で忙しいくらいで(皮剥のアサリ剥きみたいなもの)、カットウ仕掛を使う場合、準備なんて5分もあれば充分だ。
何もすることがない…、暇だ。

そこでタバコを吹かしてボケッーと周りを眺めていると、お隣さんが乗り込んできた。
電車釣行なのか、竿袋にリュックという出で立ちだ。
「お早うございます。宜しくお願いします」とまずはご挨拶。

おもむろながら手際よく仕度を進めていく。
そして私の注目する瞬間が近づいてきた。
ガイドにリーダーを通し終り、ガサゴソとリュックに手を入れたのだ。

リュックに伸びた手が目当てのものを探りあて、抜き取られる。
そこに握られていたものは プリングルス だ。

おいおい朝からお菓子かよ、せっかく期待して待ってたのに…。
朝食でサンドイッチとかだったら解るが、ポテトチップはねぇ~だろうが!

更にゴソゴソ。
(私)んっー?
今度は違う味(缶の色が違う)のプリングルスが出てきた。

ありゃりゃぁ。
君は余程のプリングルスフェチだな…。
「朝のポテチィ」は百歩譲るとしてもだ、味比べまでされちゃーもう何も言えん(心の中で)。
好きにして下さいと、そっぽを向いた。

そう、勘の良い諸兄はもう気付かれている筈だ…。
プリングルス(円柱の缶)の中味はカットウ仕掛が所狭ましと吊り下がっていたのだ。
私がそれに気付いた瞬間、目はまさに "点" 。
まるでタッセルだ!

心の中で「プリングルスフェチ」などと罵ったことを詫びつつも思った。
幾らなんでも仕掛ケースにプリングルスはねぇ~んじゃね と。
(きっとプリングルスフェチは本当のことで、コンビニに行けばプリングルス、家でTVを観ててもプリングルスなんだ。 きっと…)


本題に戻ろう。
フグの繊細で微かなアタリを見極めるために、フグ師達はそんな涙ぐましい努力・工夫をしている訳だが、御多分に漏れず私も知恵を絞り、工夫をした。
釣具屋、ホームセンターを問わず、日常生活の中でも長いケースには目を光らせ、売場では女性の買物より長い時間あれこれと悩みに悩んだ。

とにかく要件を満たすものが有るにはあっても、サイズが大き過ぎたり、使い辛そうだったりして気にくわないのだ。

そこで悩む…。
愉快なところでは、生地やビニールを巻く反物の芯を切って仕掛を1本づつ収納する。
ホームセンターで木材を購入して作ってしまう(蓋は薄いベニアで構わないのでそんなに重くはならない)等々。

結果としては灯台下暗しで、ロッドケース(新品ロッドが入っている)をチョン切ったものがベストマッチ。
出来上がったのが "これ" 。


カットウ仕掛をフックしているのは、イカ用の掛枠で、「これ長いなぁー」と使っていなかった物がサイズ的にジャストフィット。
隙間が無いので、ガタつきもない。
渾身の自信作なのだ。

2010-09-17

魚の絞め方(美味しくいただく方法)について

このタイトル(魚の絞め方)は、人に聞くと諸説があり、お迷いの方も多いのでは…と思います。
私も実のところ何が正しいのか解らず、いづれ調べてみようと思っていました。

そんな疑問の扉を開けることとなったのが過日の湾フグで、厳密に言えば「フグ免許」のない人は捌いてはいけないお魚…。
じゃ~美味しくいただく為にはどう扱ったらよいのか調べ始めたのがキッカケでした。

いやぁ~、それにしても魚のことになると物調べも楽しいもんですね!

さて、本題に移る前に前置きが必要です。
今回のコメントは参考とさせていただいた記事の転載を中心に進めていきます。
これはケミカルに弱い私では詳細説明を自分の言葉で適切に表現ができないことが多かったからです。
悪しからずご容赦いただきたい。
それでも「魚を美味しくいただく」視点に立ち、私なりのコメントは織り交ぜて行きます。

それでは話を進めてみよう!


1.絞めることによる効能
あまり小さな魚では感じられないけど、きちんと絞めた魚のほうが旨味は強くなります。
悶絶死した魚はアデノシン3リン酸が減少し、旨味となるイノシン酸が生成されにくくなるのが理由です。
また、脊椎(神経)を切断する絞め方は、筋肉に対する刺激が絶たれ、魚の肉質変化が抑えられることから鮮度のよい状態が長時間続きます。

この一文だけで、絞めることの良し悪しが端的に表現されています。
全ての魚は絞めた方が美味しくいただけるわけです。
但し「絞める」ことと「血抜き」とは行為は似ていても、目的が別なので注意して下さい。


2.血抜きについて
魚を絞めることにより血管も切断すると、血が抜けて魚の生臭さを緩和します。
特にカワハギ等の肝を食べる魚の場合、絶対に必要な作業となります。
また、内臓や血液の中にはタンパク質分解酵素が多く含まれており、血抜きをしないと傷むのが早くなります。
微生物の繁殖も早く進みます。

これは読んだとおりですね…。
但し、1.の話にもありますが、その絞め方(血の抜き方)によっては効果が薄れてしまう場合があります。
それは次の3.で説明しますが、とにかく現場では血抜きを必ずおこない、余裕があれば内臓やエラブタも取り除くというのがベストですね。


3.悶絶死について
釣った魚を桶で泳がせておくとそのうちに口を開けて死んでしまいます。
これは酸欠とショックおよびストレスによるものです。
1.でも説明したとおり、悶絶死は旨味となるイノシン酸の生成を阻害するだけでなく、魚の体内に乳酸がたまり、鮮度も極端に低下して味が悪くなります。
更に、悶絶死した場合、その直後から死後硬直が始まってしまうのです。

悶絶死が悪いのであれば、血を抜くためにエラブタを切って桶で泳がせて殺すのは、この上ない最悪行為と言えます。
美味しくいただくためには、釣り上げたらすぐに魚を絞めることです。
同時に血抜きする事でより美味しい状態で持ち帰れる訳です。

私も今まで「エラブタ」派でした…。
なるほど、なるほど…。


4.氷絞め(小魚に推奨されるわけ)
前述、悶絶死で説明のとおり、桶で泳がせておくのは最悪…、でも沢山釣れてしまう小型の魚はどうしたら?
こんな時に「氷絞め」となるわけです。
小さな魚であれば、血抜きしたものと、氷絞め(血は抜かない)したものは、極端に味に違いはありません。
釣れたらすぐに氷絞め(即死)することで、最も簡単かつ質的にも良い状態が保たれるのです。

ふむふむ。


5.水氷は「海水」で作らなければいけないわけ
これは浸透圧の問題で、海水に真水を混ぜると塩分濃度の違いから真水が海水側に流入していきます。
同じように海水に棲む多くの魚は体内にある程度の塩分を保持しており、真水に入れると浸透圧を受け、塩分不足から身が水っぽくなるわけです。

沖釣りの場合、問題となるのが船宿で支給される氷ブロックです。
殆んどの船宿は真水から作った氷ブロックを支給するので、この氷で水氷を作っても氷が溶ければ塩分濃度が低くなってしまいます。
ペットボトルを凍らせたものでクーラーの中を冷やしている人や、ビニール袋に海水を入れて溶けた氷水と分離している人はこの点に注意しているわけです。
但し、海水の塩分濃度は魚体が持つ塩分濃度より高いので、少しくらい氷が溶けても気にする必要はありません。
したがって、水氷は少なくとも海水で作らなければならない訳です。


6.活魚と鮮魚の違い(食べ頃)
我々が釣ったお魚は「生」→「死」→「硬直開始」→「完全硬直」→「解硬(死後硬直の解除)」→「軟化」→「腐敗」という段階を踏んでいきます。
私も余り気にしていなかったことなんですが、生~完全硬直までを「活魚」と称し、解硬中のものを「鮮魚」といいます。
そしてお魚をが一番美味しくいただけるのは、2つの意見があります。
解硬以降(鮮魚)と完全硬直時(後期の活魚)。
この問題については魚種にもよりますし、好みにも左右されます。
例えば、死後硬直は平均5時間~22時間とされているので、釣ってから1~2日寝かしたものが美味しい(イノシン酸たっぷり)と言われる所以でしょう。
一方、釣りたての魚のコリコリとした食感(歯触り)が美味しいという方も多いと思います。
ついては、ここで結論は出しません。
尚、Link情報はとても参考になると思います。

2011.07.02追記
過日、「ためしてガッテン」を見ていたら、五島列島の漁師は、釣った魚は(番組は鯛の特集だったが…)湯引きするのが美味しいという一場面があった。
その後、理由を番組で説明する訳だが、湯引きすることでイノシン酸の生成を促し、更に表皮と身の間に詰まっている旨味も閉じ込めるというものだった。
また、解硬が進んだ魚は旨味は増しているが、歯触りが緩くなるのだけれど、隠し包丁を入れてから湯引きすると驚くほど食感が復活するそうな…。
これは、体液による脂などを洗い流す、所謂臭み抜きも兼ねるようだ。
何れにせよ、自宅では三枚に下ろして皮は引かずに保管することが求められますね。追記以上


7.魚の絞め方
絞め方については、沢山の情報がWEB上に開示されいるので、ごく簡単な説明にとどめます。
魚を締める道具としては、手カギ、ナイフ、神経抜き(ワイヤ、針金)があります。
小型魚は氷絞め、大きな魚はエラの付け根と尾びれの付け根(急所)にナイフを入れ中骨を断ち切って下さい。
更に魚を桶の中で「くの字」に曲げると血が抜けやすくなり、船釣りであれば循環水が回っているので、桶から血の色が消えたらクーラーに移しましょう。

手鉤は使えるのであれば、魚の暴れが少なくなるので便利です。
目の後上あたりに手鉤で刺すと魚は脳死します。
但し、魚は頭を落としても暫く身は生きていますので、全く暴れないという訳ではありません。
また、あまり暴れさせると身に血がまわり、味を損ねますので、手早く処理することが肝要です。

神経抜きは、専用の道具が売られています。
手鉤でも述べたように脳からの信号が止まっても身の方はまだ生きていますので、神経抜きしてあげることで死後硬直の開始を遅らせられます(鮮度維持)。


8.魚の保存温度
このセクションは魚種により対応が異なるのと、クーラーの温度管理は難しいのであくまで参考として下さい。
水産業界(学会)で魚の旨味指標は「K値」として表現されます。
このK値と初期腐敗までの時間との相関関係を保存温度でテストすることによって、どの温度で保管するのが適しているのかLink情報ではテストしています。
結果からすると概ね「5℃」位がベストのようです。

私もこれからはお風呂用の温度計でもクーラーに忍ばせておいて、5℃位となる氷と水の量を管理(経験則)していこうと思います。


9.クーラーについて
釣場からの帰路、クーラーは魚がヒタヒタに浸かる程度に水を抜きましょう。
出来れば5.で説明しているとおり、ペット氷か海水袋に魚を入れ、浸透圧を回避することが好ましい。
もし水氷に直接魚を保存している場合、魚が直接氷にあてると変色や硬直の原因となるので、氷をタオルか新聞紙で包むか、逆に魚をタオルか新聞紙に包むかしましょう。
尚、氷の上に魚を置く方をよく見かけますが、冷気は上には行きません。
出来るだけ魚の上に氷を置くようにして下さい。

現在、クーラーの構造は大きく3タイプに分かれます。
・真空パネル(高級)
・ウレタン(汎用)
・発砲スチロール(廉価)

その他にも消臭機能が付いているものや、真空パネルとウレタンが合体しているものなど様々です。
最高級とされる6面真空パネルのクーラーは、凄い保冷力だと耳にしますが、価格も凄く5万円はします。
高価なものですし、消耗品ではありませんので、購入についてはご自分のスタイル(釣目、釣場から自宅までの移動時間、車移動か電車移動か)を明確にする必要がありますね。
これから釣りを始める(分からない)という場合には、20リットル前後のウレタン製が無難でしょう。

私はLTでは荷物を軽くするために、クーラーはホームセンターで700円位で売っている発砲スチロール剥き出しの安価なもの(通称、トロ箱)を愛用しています。
何しろ、駄目になっても経済的に痛くありませんし、実は発砲スチロール剥き出しがそこそこ保冷力が高いのです。
良いクーラーは耐久性が求められるので、真空パネル等の保冷材をプラスチックで覆う必要がありますが、700円は保冷材が剥き出しなので効果が高いんですね。
河岸やお魚屋さんもみ~んな持ち運びは剥き出しじゃないですか!


10.魚を家に持ち帰ってから
一番大切な事は血を残しておかない事です。
理由は簡単、雑菌が最も好む(つまり繁殖しやすい)のが魚の血液だからです。
ハラワタを抜いておくのは誰でも知っているのですが、この血に関しては意外と盲点なんですよ。
とにかく完全に血合いを落としておきましょう。
次に魚を傷める原因は脂と体液の排出作用です。
脂は表面があぶら焼けし、内部はユルユルになります。
「臭みの元」になる体液が排出されると、次いで「旨味の成分」が排出されていきます
血液・脂・肉汁、この三者に配慮すれば魚の保存は上手くいきます。

他日、魚包丁についてコメントしましたので、興味のある方はこちらをご覧ください。


11.最後に
まぁ~色々と書きましたが、ここに書いたことがすべてではありません。
例えば、私が好きなイカはお魚さんではありませんので、絞め方も異なります。
魚であっても、有名な「松輪サバ」は氷絞めで出荷されており、血抜きしない方が美味しいとされる代表的な例です(どうやら身割れを嫌っているようです)。
また、このコメントで私の理解が間違っていることも多々あると思いますので、気付いたら随時更新するつもりです。
どうかご容赦を。


12.イカについて 【追記2012.12.25】
イカ類の鮮度維持について我々アングラーの認識は「イカは水に浸けない」が原則で、イカ親父の間ではクーラーの底にPET氷を2本置き、その上にスノコを敷いてイカを並べて持ち帰るのが最上とされている。
また、締める・締めないの認識もあやふやで、「締めれば墨を吐かないので、綺麗に持ち帰れる…」程度のもので、締めれば美味いということの確証が得られていなかった。
ところが、ひょんなことからイカの鮮度維持について情報を得たので(Link参照)コメントを追記する。

Link論文は、対象がスルメイカとなるがイカ類全般にも同じことが言えるだろうと小生が勝手に推測したことを前提として要約すると、イカ類は釣れたら即締め、5℃の海水(氷には触れない方がいい。イカとイカの接触も避ける)に酸素を供給して持ち帰るのがベストだという。
そうして持ち帰ったものは24時間経過しても身の透明度が保たれ、更に吸盤も吸い付くような鮮度が保たれるということだ!

この条件をアングラーが満たすのは難しいが、即締めしたイカを海水氷にブクで酸素供給しながら持ち帰ること位だったら可能だろう(東京圏のアングラーであれば、朝一で釣ったイカも12時間後には帰宅・調理できるだろうし…)。
また、イカ類についても前述した魚の鮮度維持(保存温度まで)の結論と重なっていることが興味深い(逆に調べてきたことが正しいと確信を得た)。


イカの鮮度維持についての検証を3/3マルイカでおこなった(実際はこれからおこなう)。
詳しくはこちらをご覧ください。

2010-08-09

ライトタックル(LT)のすゝめ①

さて、以前のブログで「今までマルイカに嵌っていなかったことが不思議です」と締め括っておりますが、言い換えれば、ただ単にLTは「面白い」ということになります。
では、その面白味とはどんな点なのか…。

・装備が少なく楽
・タックルが軽いから(釣りが)楽
・引きが楽しい

何しろロッドホルダーひとつ無いだけで、バッカンが軽くなるのに、更に電動リール+バッテリーがベイトリール1個になる訳で、その差は歴然です。
帰宅してからの洗濯も楽ですし、と"楽"尽くしなんですが、私の場合、LTの手ほどきをしてくれた仲間もなく、タックルについても解らないことばかりのスタートでした。

結局のところ手探りでいろいろと調べてきた訳ですが、そんな努力(もうひとつの楽しみ)も今日のコメントに織り込んでいこうと思います。
延いては、このコメントがこれからLTを始められる方の一助となれば幸です。

まずLTの成立ちから紐解いてみます。
ジギングにせよLTにせよ、強度が高く伸びることのないPEラインの登場・品質の向上によって、ラインのサイズダウンが可能となったことがタックル軽量化、多様化の石杖となります。
何しろ髪の毛みたいに細い0.6号のPEラインで5kgの鯛を上げることが可能なんですから…。

巻く糸が細いわけですから、リールも小型化していきます。
船釣りの大前提、ラインを船に対し垂直に保つ(立てる)ことも細いラインは有利です。
表面積が小さいわけですから、潮の影響が軽減されるので、当然、錘も軽くできます。

但し、海中にぶら下がっている錘は質量(号数)で潮の勢いをかわしています。
相当潮が速い日にはLTの軽い錘が潮に負けて吹き上がってしまい、オマツリの原因となりかねません。
そんな時には幾ら細いPEでもレギュラータックルとの相乗りは避けるか、船長さんの指示に従って下さい。

因みに潮の影響を無視すれば、同じ素材の30号と100号の錘を同時に投入しても落下速度≒着底する時間は同じです(落下スピードの違いは錘素材の比重によるものです)。
即ち錘の重さよりも糸が立つか、オマツリしないかが重要なんです。
従い次のような計算式が成り立ちます。

太いPE糸ふけ:細いPE糸ふけ≒通常タックル錘の号数:LTタックル錘の号数

同時にアタリ(魚信)だって大きくなります。
錘が軽ければ魚の引きも大きくなります。
糸の抵抗が少なくなれば、更に竿にはアタリが大きく伝わります…。
釣る条件が同じなら、掛かる魚も同じなんですから。

当然、ゴッツイ竿だって必要ありません。
今の素材は"ポッキリ"なんてことは滅多にないので、細く軽い竿の利用が可能となり、LTというジャンルが確立されたのです。

言い替えれば、LTの歴史は浅いものなんですね。
解らないことが沢山あっても当然なんです。

では、もう少し詳しくタックルについて見てみましょう。
まずはベイトリールから。

【基本】
まず、LTは海での釣りとるので、海水利用が可能かどうか必ずチェックしましょう。
ルアー用のベイトキャスティングリールでも海水利用可能であれば、問題ありません。

【PEライン】
LTの基本はPEラインです。
前述のとおり、0.6号でも大鯛を上げることが出来ますが、これは極端な例で(ドラグと竿がアシストして成し得る成果です)、欠点もあります。
細いPEラインは「結束の弱さ」「摩擦に弱い」「弾力性に乏しい」ことがあげられます。
摩擦と弾力は、根擦れや船底への擦れということですが、これは魚とのやり取りや潮に影響された天為要素が高いもので、人為的に重視しなければならないのは結束です。

例えばPEラインと仕掛けを繋ぐ場合を考えてみて下さい。
結束するのは、サルカンか天秤(金具)になると思いますが、極細PEはこの結束強度が低いのです。
試しに1.5号以下のPEと金具を結んでみていただければご納得いただけると思います。

そこで幾つかアドバイスします。
フロロかナイロンの糸をリーダーとして結束(オルブライトノット、PRノット、FGノット他)を習得して下さい。
結束(ノット)が結べれば1.5号以下のPEの結束問題もクリアですし、弾力性≒根擦れに対してもフロロ等の方がPEよりも強いので2つの課題がクリアになります。

もしノットが無理、面倒くさいという方は、PE2号をご利用になって下さい。
何とかLTの恩恵にも預かることができ、結束面でも面倒なラインシステムを組む必要もない最細ゲージです。
ほとんどのLT船も2号だったら目を瞑ってくれるでしょう。

号数が決まったらPEの種類ですが、ルアー用のPEを購入しないように注意して下さい。
ルアー用にはラインマーカーの付いていない糸が多いのです。
胴付きの釣りだったらなんとかなっても、コマセ釣りではラインマーカーがなければ棚取りが出来ず、釣りになりません。

あと、最近8本撚りと4本撚りのPEがありますが、手触りや潮の影響の低さは8本が優れていますが、強度となると私見では4本の方が強いと思います。
また4本の方が値段も安いですので、4本をお薦めします。

最後に号数と糸巻量ですが、リールのキャパ、釣り物にもよりますが、1号を150m巻いておくことをお薦めします。
擦れさえなければ、かなりの大物でもPE1号をパワーで引きちぎる魚はいないでしょう。
糸巻き量は船底などに擦れて高切れした場合を想定しています。
東京湾の場合、LTは深くても70m程度なので×2しました。

--------------------------2010.10.10 加筆-------------------------
【リーダーの長さ】
細いPEラインは風に吹かれただけでトップガイドに絡まり、手前マツリとなったり、ガイド破損の原因となります。
ここでも前述、リーダーが大きな役割を果たします。
但し、リーダーの長さは意外にも皆さんよく考えられている訳でなく、雑誌に載っている情報をそのまま鵜呑みにしている方が多いのではないでしょうか。
ひとつテンヤは、対象魚が鯛ですので、大鯛がヒットしたら当然、ドラグを鳴り響かせる走りがあります。
そのヒットポイントが大きな根があったとしたらどうなります?
リーダーが短ければ、細いPEが根に擦れ、一発でラインブレイクです。
そのような理由からひとつテンヤではリーダーを長めにするのです(最低でも3m程度かな)。
一方、私の好きなマルイカ他は、根擦れは考えられないのですが、結束とトップガイドへの絡みがリーダーを結ぶ主要因です。
ですので、取込み時に仕掛けを手にする位置と仕掛投入時、PEが穂先から出ない程度の長さになっていれば用件を満たします。
1.5mにする方が大半ですが、竿の長さにも左右されることをお忘れなく。
また、PEよりフロロ(ナイロン)の方が魚信に対する感度は低くなりますので、長過ぎはデメリットが大きいです。
逆に細いPEは竿やリール操作による水切音がフロロ(ナイロン)よりも大きいそうです。
臆病な釣物にはリーダーの短過ぎもよくありません。
程ほどがよいのですね…。
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【ギア比】
リールの選択で重要なのがギア比です。
特にルアー用のベイトキャスティングリールは餌釣りと違い、多彩な誘いをするために同じリールでも異なるギア比でバリエーションされているモデルが多いです。

最近のルアーの流行は7:1程度のハイギアですが、餌釣りのLTにハイギアが必要かと考えると、優先順位は巻き易さ≒パワーにあると私は考えています。
確かにハイギアだと手返しが早くなるというメリットもありますが、ハイギアのリーリングは重いですよ…。
故に、私はできるだけローギア(1回転の巻き取り量が60cm以下)を目安にしています。

最近の私のお薦めは、シマノ炎月BB-PGです。
スロー巻きが必須となるタイラバ専用モデルで、鯛をターゲットにしたモデルなので、ドラグ性能も優れています。
ギア比4.7:1(1回転の巻き取り量50cm)とLTには申し分ないスペックにもかかわらず、実勢価格18000円程度とコストパフォーマンスも良く、私も欲しい1台です。

【ハンドル長さ】
ギア比さえ気にしていただければ、ハンドルまで意識することもありませんが、一応、コメントしておきます。
ギア比同様、ハンドルも短い方が速く巻くことが可能ですが、リーリングは重くなります。
逆に長い方が巻くのは遅くなりますが、微妙な調整が可能ですし、リーリングも軽くなります。
目安としては、ハイギアのリールの場合でダイワであればハンドル長80mm、シマノであれば40mmで通常タックルの経験者はリーリングの重みを感じるでしょう。
そこで、ダイワは90mm、シマノは45mmをチェックポイントとして下さい。

【ドラグ】
LTタックル用のサイズはドラグはどれも5kg前後と似たりよったりの数値です。
流石にダイワのRYOGAは一味違うと耳にしますが、さほど意識することもないでしょう。
例外として鯛や青物をターゲットにする場合、ドラグの値よりも滑り出し等のドラグ方式を意識すべきではないでしょうか。
この点についてもシマノ炎月BB-PGはお薦めですよ。

【重さ】
重さについては軽いに越したことはありませんが、平均200g弱です。
好き好きで構わないと思います。

【ブレーキ】
ベイトキャスティングリールは、本来、ルアーをナイロンラインを使って投げる(キャスティング)することを目的としています。
そこでバックラッシュを防ぐためにブレーキシステム(ダイアル式)が組み込まれているのですが、LTではこの機能は必要ありませんので、私はブレーキを最大値(最大数値)にして使用しています。
ブレーキを最小値やオフにしていると、仕掛け投入時にバックラッシュ(手前マツリ)して、手返しが遅くなります。

【レベルワインド】
ベイトキャスティングリールでは巻取り時のレベルワインド(糸を通した穴が左右に動く)は動きますが、クラッチオフ時(仕掛け投入)ではレベルワインドが動きません。
通常タックル(電動リール等)では、シンクロレベルワインド機能と言って、クラッチオフ時にもほとんどの機種がレベルワインドをします。

なぜベイトキャスティングリールがクラッチオフ時にレベルワインドしないか?というのは、ブレーキ同様にルアーでのキャスティングに影響する(糸の放出スピードがレベルワインドの動きを追い越す。そうであれば動かない方がキャストが安定する)からです。

私は特にレベルワインドしないことを気にしていなかったし、問題もないのですが、なぜ動かないのだろうと思う方の参考までにコメントを残します。
因みに小型のベイトキャスティングリールでシンクロレベルワインドするリールはあまり見掛けたことはありません。

リールだけで凄く長いコメントになってしまいました。
つづきは次の機会にしたいと思います。

2009-12-06

優れもの(その2)

釣行できずの日々が相も変らず続いております。
そろそろ精神的に病んできているのか、特に週末の仕事が捗りません。
そんな訳で、気晴らしにブログUPです。

優れものの第2段ということで、今回は私がお世話になっている「釣具屋さん」を紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、"浅草釣具" さんです。
お店のHP及びネット通販はされておりませんので、店長ブログURLをリンクします。http://yaplog.jp/asaturi/

昔は個人商店の釣具屋さんが町に一軒はあったものですが、大型チェーン店におされ、周辺環境も変化し、ほぼ絶滅してしまいました。
いま小規模で釣具を扱うことで存続できるのは、カスタムロッドやカスタムルアー(フライ)取り扱い店か、何かに特化した専門店くらいでしょう…。

しかし、浅草釣具は違うのです。
純然たる町の釣具屋さんです。
この更新でうまく魅力を表現できるか自信はありませんが、思いつくままに箇条書きしてみます。

■安い(現金とはなるが大型店より若干安めの設定=カードやポイントはない)
■オリジナルグッズ、ひと捻り商品が多数ある(後述"掛け枠"参照)
■品揃えが良い(店の面積は狭いが、必要な物がちゃんと揃う…。目利きがよい)
■接客工夫(新製品の情報も早く、知識もある。POPも上手く、押売りしない)
■掘り出し物が…

とにかく、大型店にも負けずに元気に商売されているということは、商売全般で工夫されている証ですし、なにより熱意の証でもあると感じています。
まあ、文章で説明するにも限界がありますので、ここで私が浅草釣具で入手した優れものを1点紹介しましょう。



写真はブランコ専用(イカ仕掛け)の掛け枠です。
私が乗った船で、これと同じ(機能の)ものを使用されている方はお見掛けしたことがありませんので、珍しいというか浅草釣具のオリジナル商品でしょう。

全長は30cm。
確か@560‐だったか?
カンナ部(イカ角)を2本の金棒で留めるようになっているので、同じ高さにイカ角を並べることができ、配色が一目瞭然。
仕掛けの巻き上がりもキレイ(ブランコって今まで何時もスッキリしなかった)。
枝スを綾掛けすることで、弛み糸なし(総テンション)で仕掛けを巻上げられます。
仕掛けを巻くとカンナが金属棒から出っ張りませんので、他の荷物を引っ掛かることなく収納できる。

敢えて難点を言えば、ハリス(本線)を巻く間隔が狭く、仕掛けを解いたときに糸癖が多い。
他で売っていない。
巻ける角数が(スルメのブランコ派には)少ないか…という3点か…。

何れにせよアイディア商品です。
是非、浅草方面においでの際は、「浅草釣具」に立ち寄ってみて下さい。
この掛け枠のようなアイテムがテンコ盛りで、直ぐ1時間ぐらい経過してしまいますよ!

時間と言えば、先日、車で浅草釣具に行き、車の鍵を直に手に持って道具を物色していたところ「車は大丈夫?」と声を掛けてくれました。
そんな「心配り」を釣具屋さんで味わったことがありますか?

尚、駐車場は3台だったか確保されています。

●住所:東京都台東区入谷1-2-2
●時間:平日10:00-20:00、日祝10:00-18:00
●定休:火曜

2009-11-08

竿を出す夢をみます…

公私にわたる忙殺の日々が相変らず続いております…。

既に暦は11月。
私のホーム勝浦ではイサキが解禁となり、イカはスルメからヤリに主役が代わろうとしています。
10月の釣行は、前回ご案内した「スピニングマダイ」と、取引先の社長さんから仕立船で誘われた「石鯛五目」の2回のみ…。
しかも、石鯛五目は台風とぶつかり、出船はしたものの波浪により釣りにならず、という惨憺たるありさま。

夏のスルメ以来、自分らしい釣りがここのところまったく出来ていません。
そんなフラストレーションを引き起こす原因のひとつである仕事をこなしながら、ふっと夢見るのは竿を弓なりにしてリールを巻いている自分の姿ばかりです。
そこで、この状況を乗り越えるための糧として、ここに宣言します。
この多忙がひと段落し次第、イサキ釣りに行きます!(平日であっても)
なんとかイサキを目標に、この状況打破に頑張ります。

さて、久々のブログUPをここで終わらせるのも偲びないので、今日は私の拘りグッズを2点ほどご紹介しようと思います。

ひとつはグローブです。
そもそも皆さんは、釣りをするときにグローブをしますか?
する、しないは好き好きなんでしょうが、流石に冬場に釣りに行かれる諸兄は、ひとつくらいはお持ちではないでしょうか…。



私は一年を通して写真のフィンガーフリーのグローブを使っています。
そもそもこのグローブを使うようになったキッカケは、ヤリイカ釣りでした。

真冬の海は寒く、手が悴むのですが、ご存知のとおりヤリイカは長いハリスを手繰らなければならず、指サックは必需品です。
ところが、指サックをするとなると、通常の指きりグローブでは指サックとグローブが当ってしまい違和感があります。
そこで素手に指サックのみでトライしてみるも、リールをパーミングする左手が冷たいリールに触れて寒いのなんの…。

そんな課題を抱えていたある日、店頭で目にしたのがフィンガーフリータイプのグローブだったんです。
素材はネオプレーンで水に強いし、乾きも早く、ゴワつきもなく手に馴染みます。
また、指サックをしていても違和感がありませんし、鈎を結んだり、オマツリを解くときもグローブを外す必要がありません。
リールに触れる手も冷たくありませんし、魚を掴むときも背ビレなどから手を守ってくれます。

更には、写真のものは手の甲側が新素材なようで保温性に優れているとか…。
この点については、実際のところ、効果があるのかどうか判りません。

とにかくお気に入りのグローブです。
難点は、この型のグローブを置いてある釣具屋が少ないことくらいですね。
値段も約2,000円と、そんなに高いものじゃありませんので、グローブの買い替えを検討されている方がいらっしゃれば、試してみては如何でしょうか?

次なるグッズは「鈎外し」です。
鈎外しはアジ釣りの必需品ですが、実のところ将来の夢に「スタンディング泳がせ」をしてみたいという野望があり、そのためにも使い慣れた実用性の高い針外しが欲しいと、以前から探していました。

金属性のものや、ルアー用のもの、職漁さんが使うアジ・サバ用なんていうのも使ってみたことがありましたが、いまひとつ使い辛かったり、気に喰わなかったり…。

釣り雑誌では名手と言われる方が年季のはいった使い易そうな鈎外しを使われているで、これは見よう見まねで自作するしかないかっと思っていた矢先、入手したのが写真のものです。


この鈎外しの素材は竹で、ちょうど竹刀を組むときの竹くらいの幅で、コーティングが施されています。
握った感じは平べったく感触もよく、軽いです。
上州屋で確か1,000円位のものだったと思います。
アジにはちょうどよいサイズですが、タチウオには少し短いかもしれません…。
ヒカリ物は、食べるにせよ、餌にするにせよ、魚に触れないのが1番です。
皆さんも鈎外しなんてと侮らず、少し拘ってみては如何でしょうか?