2010-10-10

優れもの(その3)

今日は私のフグ仕掛用のケースについて紹介しようと思います。

過日のレポートにもありますが、カットウ仕掛のハリスは糸癖のない「シャキッーン」と張った状態が理想。
とにかく糸癖を付けずに現場へ持参したい。
然れど、カットウ仕掛け 長いんです…。

湾フグなら未だしも(ハリス10cm程度)、外房や茨城のカットウ仕掛のハリスは凡そ25cm。
更に錘が結ばれ、仕掛全長は35cm位になる。
当然のことながら、カットウ針(餌針にテンヤ針)は鋭く、むき出しの状態で持ち運ぶことは憚られる。
そこでフグ師の皆さん、仕掛ケースにひと工夫するわけです。

まずはケース探し。
仕掛の全長35cmとは言っても、仕掛を止めるためのフックも必要となるので、内寸40cmは必要となる。
また、カットウが潰れないような深さ(厚み)も必要となる。
こんなケースはなかなか見当たらない。

湾フグでは、プラの書類ケースにスポンジを貼って吊っている人、パスタ保存用の長いタッパに入れている人、塩ビの仕掛ケースなど色々とお見掛けするが、最高にフザけた方の話で少し脱線…。


ある朝、珍しく早起きでき、出船1時間前に船に乗り込んだ(通常、出船5分前が私の定番)。
フグの仕度は、喰わせ仕掛けを使う方がエサの準備で忙しいくらいで(皮剥のアサリ剥きみたいなもの)、カットウ仕掛を使う場合、準備なんて5分もあれば充分だ。
何もすることがない…、暇だ。

そこでタバコを吹かしてボケッーと周りを眺めていると、お隣さんが乗り込んできた。
電車釣行なのか、竿袋にリュックという出で立ちだ。
「お早うございます。宜しくお願いします」とまずはご挨拶。

おもむろながら手際よく仕度を進めていく。
そして私の注目する瞬間が近づいてきた。
ガイドにリーダーを通し終り、ガサゴソとリュックに手を入れたのだ。

リュックに伸びた手が目当てのものを探りあて、抜き取られる。
そこに握られていたものは プリングルス だ。

おいおい朝からお菓子かよ、せっかく期待して待ってたのに…。
朝食でサンドイッチとかだったら解るが、ポテトチップはねぇ~だろうが!

更にゴソゴソ。
(私)んっー?
今度は違う味(缶の色が違う)のプリングルスが出てきた。

ありゃりゃぁ。
君は余程のプリングルスフェチだな…。
「朝のポテチィ」は百歩譲るとしてもだ、味比べまでされちゃーもう何も言えん(心の中で)。
好きにして下さいと、そっぽを向いた。

そう、勘の良い諸兄はもう気付かれている筈だ…。
プリングルス(円柱の缶)の中味はカットウ仕掛が所狭ましと吊り下がっていたのだ。
私がそれに気付いた瞬間、目はまさに "点" 。
まるでタッセルだ!

心の中で「プリングルスフェチ」などと罵ったことを詫びつつも思った。
幾らなんでも仕掛ケースにプリングルスはねぇ~んじゃね と。
(きっとプリングルスフェチは本当のことで、コンビニに行けばプリングルス、家でTVを観ててもプリングルスなんだ。 きっと…)


本題に戻ろう。
フグの繊細で微かなアタリを見極めるために、フグ師達はそんな涙ぐましい努力・工夫をしている訳だが、御多分に漏れず私も知恵を絞り、工夫をした。
釣具屋、ホームセンターを問わず、日常生活の中でも長いケースには目を光らせ、売場では女性の買物より長い時間あれこれと悩みに悩んだ。

とにかく要件を満たすものが有るにはあっても、サイズが大き過ぎたり、使い辛そうだったりして気にくわないのだ。

そこで悩む…。
愉快なところでは、生地やビニールを巻く反物の芯を切って仕掛を1本づつ収納する。
ホームセンターで木材を購入して作ってしまう(蓋は薄いベニアで構わないのでそんなに重くはならない)等々。

結果としては灯台下暗しで、ロッドケース(新品ロッドが入っている)をチョン切ったものがベストマッチ。
出来上がったのが "これ" 。


カットウ仕掛をフックしているのは、イカ用の掛枠で、「これ長いなぁー」と使っていなかった物がサイズ的にジャストフィット。
隙間が無いので、ガタつきもない。
渾身の自信作なのだ。

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