2010-10-04

酔っ払いの思考

先週のある晩、酒を呑んでいて閃いた!

雑誌か何かで外道で釣れたサバを餌にしたら爆釣という記事が発端だ。
そう言えば、東京湾でフラッシャーを垂らしたら、何も考えずサバが乱舞してきた。
フラッシャーさえ持っていればサバは釣れる=新鮮なサバ餌をいつでもGetできる私は、状況が悪くてもひとりで爆釣かぁ~!

食いしん坊の私の夢想は広がってゆく…。
サバ餌で釣る旨いお魚はっ、アカムツ、鬼カサゴ、キンメダイ、アコウダイ、etc。
頭の中は赤いお魚の姿でいっぱになってゆく。

だが、困ったことに深場用のタックルは持ち合せていない。
中深場までならイカ竿や青物竿でなんとかなる=行っちゃうかぁ~鬼カサゴぉ!

早速、Netで情報収集すると、何と、いつもお世話になっている萬栄丸さんが「ワラサがイマイチ」という理由で出てるじゃないの "鬼カサゴ" 。

これは神様の思し召しだ…。

よ~し、結んじゃうぞ「ムツ針17号」と、いそいそ準備にかかる。
この手の仕掛けは単純だから、幾ら酔ってても5組ほど仕掛けがすぐに完成。
天秤、錘、リール、バッテリー、竿、ロッドホルダーもチェックして不足品は無さそうだ。

そうしてこのアイディアをサバサバ大作戦と銘打ち、今度は釣った後のことを夢想する。
しゃぶしゃぶ、鍋(頭の出汁がぁぁぁ)、刺身(昆布締めも絶品)、焼き、干し、etc、鬼は何をやってもマイウ~。
更に鰭は干して、炙って、酒に入れる…。
のっのっのっ呑みてぇ~。
と吠えながら(どうやら鬼は2kgクラスを釣ったつもりになっていたらしい…)眠りに落ちたのだった。

次の日の電話。
「はい萬栄丸でぇ」(といつもの女将さんの声)
「あっ、うめ○○ですが…」
「毎度ありがとうございまぁ」
「日曜に鬼に乗りたいんだけど、1人です」
「…、えーと鬼カサゴ?」
「もしかして出ない?」
「多分…。カワハギが好調なんで2艘出しになっちゃうと思うけど、念のため前日に連絡いただけますか」
「は~い」

悪夢がここから始まったのを私はまだ知らない…。

萬栄さんは間違いなく出ないよねぇ。
他船、他船っと。
ところがこの後の検索はヒット し な い 。
結論、日曜の鬼カサゴに出る船は無い!
がぁ~ん(後で調べたところ出船した宿はあったが)。

鬼にはシーズンが早かったか…。
11月になれば、否でも鬼は出るだろうし、焦ることもないか。
でも、ここまで盛り上がったサバサバ大作戦をここで放棄するのも何だよなぁ。
萬栄さん本当に出ないのかなぁ~?
などと優柔不断。

そんな割り切れない日々を過ごしていたら、あっという間に土曜を迎えてしまったのです。
遠征や初めての釣物にチャレンジする時間はもうありません。
サバサバ大作戦を思いついた幸せな夜はどこへ?
厳しい現実を直視すれば、私はただの「釣り難民」です。

それでも海には出たい!
そこで止むなく、狙いを ″赤″ から ″銀″ に代えサバサバ大作成を実行することに…。
釣宿は予約も要らない楽チンな吉久さんです。


前日の吉久さんの釣果はお世辞にも良いとは言えないものでしたが、サバサバ大作戦を引っさげている私は余裕です。
船がメッカ観音崎に到着します。
ふっふっふ、待ってろよ太刀魚ちゃん、サバサバ大作戦でお前ら一網打尽にしてくれるわ!っとフラッシャー2本針を投入します。

どこまでも都合のよい私は、あわよくばタチウオまでフラッシャーで掛るんじゃないかとまで考えています。
まずは水深15m位から5mづつ落し込みで誘っていきます。
ん~ん?アタリ無いなあ。
底まで誘ってもアタリ無し…。

じゃあしようがない、底でフワフワと誘った後に海面まで回収してから再び落し込み。
あれぇ~?本当にアタリが無い。
これはどういうこと???
かれこれ30分くらい粘りましたが、アタリの1つも無い…。
乗っけからサバサバ大作戦は窮地にたたされます。

ここで竿を休めて原因分析。
サバさんの泳層は幅が広いが?→丁寧に探った。
サバさんのベイトはいるの?→不明。
タチウオさんのベイトは?→サバ。
タチウオさんの反応があるから船はここにいる筈だよね?→サバさんもいる。
じゃあサバさんが居ないのはなぜ?→タチウオさんも居ない。
あれぇ~?

このふざけた原因分析は満更でもなく、その日の吉久さんの釣果は釣果速報も出さないほど悪かった。
内緒で教えますが、0-3本です。
ルアー船などはポツポツ拾っていたので、またまた訳が解らない。
いま流行のマナティーってやつなのかな?

餌釣りは全くそっぽを向く→活性低い。
ジグに喰う→活性高い。
???

とにかく初めてのサバサバ大作戦は失敗に終わり、しぶしぶ支給された冷凍サバで釣りを再開しますが、前述のとおり釣果は激渋。
私に訪れたアタリは5回。

1回目、コツッ(終り)
2回目、コツッコツッコツ、コッコッコッコどおぉーん。(坊主脱出)
3回目、着底、棚を3m切った直後、コツッコツッコツ、コッコ、ブルッブルルッブルルルルッどお
    ぉーん。
    この3回目のアタリはフッキングした瞬間から竿が弓形にしなる。
    ギュウギュウに絞ったドラグから糸が出る始末…。
    引きはタチウオのそれですので、船長に記念撮影されている自分が脳裏に浮かびます。
    少なくとも1m50cmは有るだろうな、ふっふっふ。
    それにしてもドラゴンは重めぇ~、ベイトリールでこれ巻くの大変だよー。
    あと何m?
    うわっ、あと30mもあるよ…(観音崎の今の水深は70m前後)。
    腕がプルップルし始めた。
    それでも頑張ってリーダーが見え、天秤を手にする。
    現れたドラゴンのサイズは?
    鮫 で し た。
    多分、アブラヅノ鮫
    本当に紛らわしい引きしやがって、勝手に勘違いしたじゃねぇーか!
4回目、コツッ(終り。悔しいから同じ棚に仕掛けを入れ直し)
    コツッ、コツッ、コツッ…、プッルッルッルル(少し聞きを入れて重さを確かめる)、
    ルルルルルルルッどおぉーん。(2本目)
5回目、コツッ(終り)

流石に集中力を欠く釣行となってしまった今回の釣果は2本。
それにもかかわらずの次頭。
更に、希少な2本とも食上げでリーリングとの競争…(引き味を楽しむ暇なし)。
私のリール、ギア比が低いんです。

「終わりよければ全てよし」とはよく言ったもので、「頭悪い奴に幸福なし」と言い返したい。
酔払いの思考は本当にダメダメですな?
でも、サバサバ大作戦を諦めたわけじゃありません。
またトライしちゃうもんねぇ~。

失意のままに下船すると、桟橋で船長がお土産をくれた。
流石に殆んどの方が ″ボ″ だったので、絶好調のアジ船から調達したのだ。 
ふっふっふ、酔っ払いはただじゃ転ばんのだ!

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