2014-02-03

マルイカの釣り方

マルイカのアタリって判りづらいですよね…。

私もいま思いかえせば、マルイカ初心者だった頃は、「船長、本当に反応あって投入指示だしてる? ウンッでもスンっともいわないけど…」と、何が何だかサッパリ判らず、悪あがきに竿をシャクっていたらイカが乗っていたという始末。

そんなお恥ずかしい時期の話もこのブログに綴られています。
過去の話は釣果UPの参考にはなりませんが、興味と暇があれば読んでみてください。
“マルイカ”のラベルでフィルタすることができます。
尚、マルイカのタックル(ロッド)について最近、内容を更新したので、こちらも参考としてください。

マルイカは、初心者に限らず、アジなどの反転系のお魚(穂先がクゥンックゥンッと入るアタリ)で釣行を重ねられてきた方が初挑戦しても、私のように何が何だか…ということになってしまう。

他に人気のある釣目で言えば、ヤリイカ経験者は反転系を得意とする方より多少のアドバンテージがありますが、マルイカはヤリイカよりマイクロ≒異種なアタリです。

「じゃあ、わかり易く説明できる動画とかないの?」というのが、このブログに辿り着いた諸兄の本音なのでしょうが、
答えは、

“そんなん、ありません”

なぜ?と聞かれれば、理由は2つ。
実釣の動画はあるには有るんですが、アタリが判る人間がみても、動画になってしまうとアタリが判別ができないんです。
2つ目は、アタリという現象を理論的に組み立てることも可能は可能なんですが、感覚的なエッセンスが随分と多いので、説明が難しいんです。

仮に穂先を真横から見ることが可能ならば、説明も簡単なんですが、実釣では釣り人は横から穂先を見ることは出来ません。
どうしても竿を上から見ることとなるため、困難なんです。

何を隠そう、私も過去にこのネタを求めて、何度ネットサーフィンを繰り返したことか…。
「じゃあどうすれば?」というお嘆きに対する結論は、

“石の上にも3年”

アタリが判らなくても、懲りずに3年ほど釣行を続ければ、アタリは自ずと察知できるようになります。
勘のよい方だったり、繊細な釣りの経験者であれば、乗っけからアタリを察知できるかもしれませんが、こういった方は滅多にいらっしゃいません。

地道に「所謂モタレ」が察知できるまで修業あるのみ!
また、マルイカのシーズンオフには「湾フグ」でトレーニングするのもお薦めです。

でもそれだけでは、諸兄がこのブログに辿り着いた意義がなくなってしまうので、私の拙い経験ではありますが、マルイカのアタリを中心に実釣時の注意をまとめておきます。


まず、前提条件を幾つか…。
仕掛けは、ロング枝スのブランコを除きます。
ロング枝スのブランコは、枝スが原因でアタリは出ないというか、向うアワセになります。
グイーン、グイーンと竿に明確なアタリが出るか、シャクったときに重みを感じるかなので、説明の必要がないので。

そして、竿の調子は極先調子(8:2~9:1)が中心です。
柔らかい竿をお使いの方には申し訳ないのですが、私が極先調子しか使わないため、悪しからずご容赦を。

そして最後の条件ですが、原則として錘を底から切った状態での説明になります。
所謂、目感度で獲る釣りについてのコメントです。
ややこしい話ながら、これが獲れると獲れないとでは、マルイカ釣りは雲泥の差が生じます。

さて、それでは本題に入りますが、驚くことなかれ、マルイカのアタリは3通り(理論的には2通り)しかないんです。


 【空アワセ】
言わずもがなですが、どんな名人でもマルイカの全てのアタリを見逃さないなんて出来っこありません。
とにかく穂先に違和感があれば、アワセを入れてみる。
竿を止めて、5秒も待って、アタリや違和感を感じなければシャクリ(空アワセ)を入れる。
これは基本中の基本です。
但し、むやみに空アワセばかり入れていると、イカが擦れてしまうので、適度に巻き落としや柔らかな誘いなどを加えることを忘れずに。


 【聞き】
目感度でのアタリを取ることに自信が持てない内は、この“聞き”が重要です。
錘の着底直後、糸吹けを取り、間髪入れずジワジワと聞き上げてください。
少し慣れてきたら、着底が近づいたら穂先を海面スレスレにセットして待ち、着底したらクラッチだけ入れて、竿を起こす操作で聞き上げるのもお薦め。
勿論、目感度でも「ツッ」と穂先が下がるアタリが出ます。
特に、イカの移動が早く、ひとつのポイントで1投しか仕掛けを入れられないような日には、所謂「着乗り」が非常に重要(「全て」と言っても過言ではありません)になります。
そんな日は、着底後、しっかり棚を切ってから聞き上げに入ってください。
あせって、すぐに聞き上げを開始すると、糸吹けが残っていた場合には再度錘が底を叩いて(イカが乗っても糸ふけで)バレてしまうことになります。
また、着乗りの後のリーリングを遅めにして、追い乗りを狙うのもテクニックのひとつです。


 【穂先の動きを見る】
「なに当ったり前のこと抜かしてんだ!このヤローは?」と思われたでしょうが、ここが一番重要なので、しっかり読んでください。
前述の“穂先に違和感”というのが、実のところアタリと言い替えても過言ではありません。
では何に対する違和感なのか?

船の揺れに連動して穂先はどうしても上下します。
船が波によって持ち上がれば、竿に負荷が掛かり穂先がお辞儀する。
船が下がれば、竿の負荷が抜けて錘負荷だけの状態に戻ろうとする。

「“この一連の穂先の動きに対する違和感”」なのです。

釣り用語では「モタレ」と表現されているものです。
ですので、実釣時に声には出さないまでも、頭の中で穂先を見ながら「さが~る、あが~る」とでも呟きながら、穂先の動きをインプットして、その動きと異なる穂先の動き≒違和感を探してみてください。
私の今まで感じた違和感(アタリと確信できている)がこの後に説明する3つです。
尚、9:1~8:2(極先調子)ロッドはTOPガイドと第2ガイド付近を注視(アタリ≒違和感が生じる)してください。


 【浮き上がり】アタリ①
穂先がクッと持ち上がるアタリで、このアタリが見えるようになれば、マルイカ釣りは加速度的に釣果が伸びて楽しくなります。
釣り雑誌にもこのアタリについては説明されていますが、イカがスッテを抱いたことにより、一瞬錘負荷(テンション)が抜けて起こるアタリで、「穂先が1~2mm持ち上がる」ようなアタリと書かれています。
ところがこの説明がクワセモノで、言葉通り1~2mm持ち上がるかと言えば、そうではありません。
便宜上、そう言っているだけで、前述したとおり、穂先を上から見ているのに1~2mmなんて判りっこありません。
「1~2mm上がったような?そんな感じ」だったっていう方が表現として正しいように思います。
尚、実釣ではこの浮き上がるアタリより、次に案内する②のアタリの方が頻度は高いです。


 【止まり】アタリ②
これは前述の「浮き上がり」と原理は同じなんですが、見え方が違うので、別途説明します。
適切な言葉を探せば、穂先の動きが何かによって一瞬止められたような感覚です。
波で船が持ち上がっている時は、穂先は負荷が掛かりお辞儀していく訳ですが、その途中でお辞儀が一瞬止まるように感じるアタリです。
逆に船が下がっていく時にも、戻っていく穂先が一瞬止まるような感覚です。
ただし、このアタリも視覚に明確に現れるものではありません。
「もう少し穂先が上がる(下がる)筈だが、なんか止まっている(モタレている)ような…」で取敢えず聞きを入れる。
このアタリ(戻る穂先が止まる)が取れるようになると嬉しいですよ~。


 【ツッ】アタリ③
これは言葉のとおりです。
「ピピッ」でも構わないのですが、穂先が下方向にチョンッするアタリです。
但し、このアタリはアタリ①~②を見逃してしまい、イカが逃げるときの“逃げアタリ”です。
イカがスッテを抱いて負荷が抜け、逃げるときに急に錘負荷が戻る 又は イカの足がカンナに引っ掛かっていて仕掛けが揺れる…。
ですのでアワセても掛からなかったり、チップのみだったり、よくても触腕掛りの確率が高いです。


 【ラインの震え】
このアタリは原則から外れます。
というのが、錘を底から切らず、所謂ゼロテンション時によく見るアタリだからです。
故に、アタリは前述した①~③で終了。
尚、船は常に動いているので、ゼロテンションを多用すればオマツリが多発します。
「やるな」とは言いませんが、やるならば一瞬にして、イカが掛からなければ直ちに底を切ってください。
アタリは言葉通り、ラインがブルッルッと震えるのが目視できます。
竿の硬柔に関係なくTOPガイドの真下辺りに発生する現象です。
また、海面のラインが横にフっと動くように感じるのもアタリです。


 【モワモワッ】
これが一番難しいアタリです。
穂先が錘負荷だけの時と、船の上昇によるお辞儀の限界時、穂先は一旦止まりますよね?
この時、穂先に震えだとかは発生せず、何だか「モワモワッ~」としたものを感じるときがあります。
私も視覚情報としてアタリと認識していないので、ここに書くかどうか悩みましたが、空アワセしてみると乗った…という経験がチマチマあるので書いておきます。
とにかく、諸兄もモワモワっとした違和感を感じたらなら、空アワセしてみてください。


 【穂先から目を離さない】
もしマルイカのアタリ≒違和感が察知できるようになったら、是非、実践してもらいたいことのひとつです。
誘いも兼ねた空アワセを入れたとき、穂先から目が離れ、目線を海面においたままの方がいらっしゃいます。
「空アワセだから、もし乗れば手感度でズンッとした重みが伝わるし…」と考えていらっしゃるのでしょう。
しかしながら、竿を煽り上げたとき、竿を海面に下げてくる途中にアタリが出ることも頻繁です。
煽り上げたときには巻きアワセ、下げてくる途中のアタリはすかさずアワセを入れる。
是非、試してみてください。


 【活性の低い日はアタリを取ることに執着しない】
ここも重要です。
アタリが解らないうちは、どうしてもアタリを見ようと竿の動きが止まり気味になります。
それが活性が低い日であれば、言わずもがな貧果になってしまいます。
では、どうしたらよいか?
例えば、イカが触腕でワンタッチするだけの展開であれば、アタリを察知できてもアワセが間に合わないので、着底、1、2、でひとシャクリするようなタイム釣りが重要になってきます。
渋い日にはアタリを見ることに執着せず、活性の高い日にアタリをよく見て経験を積んでください。



マルイカのアタリの正体は(説明でも記していますが)、モタレなんです。
また、マルイカのアタリは見て判断するというより、「感じるもの」といった表現の方が適切なのかもしれません。

私が察知できていないモタレも他に何通りもあるのかもしれませんが、今回書いたことは少なくとも私の中では事実です。

「あっ、このことを言ってたんだ!」と視覚情報で理解できれば、貧果に泣くことも少なくなる筈です。
是非、石の上に3年も座ることなく、違いのわかる釣人にショートカットしてください。

その内、アタリの出し方や、渋い日の対策なども書いてみようと思います。

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