2010-09-11

いざ湾フグ!(テスト編)

先日、馴染みの小料理屋の席につき、ビールを頼んだらお通しにフグの干物が運ばれてきた。
軽~く七味が降られたその身の旨いこと…。
「ショウサイ?」と親父さんに聞くと、大貫沖で前日に釣ったものだと言う。

親父さんの仕事を常々拝見させていただいている私の想像ではあるが、釣ったその晩に一夜干して、翌朝、ピチットシートで冷蔵庫で夕方まで乾燥させて仕上げたのだろう。

ところが、釣果の話になると親父さん「恥ずかしくて言えない。もうフグ無くなっちゃったよ」と白をきる。
あとから聞いたところ、実釣は2尾で、それを見かねた船長さんか常連さんだかがお裾分けをしてくれたそうだ。

マルイカから始まった私のLTも、タチウオを除き、メインターゲット不在なシーズンに突入し、究極のLTと称される湾フグは私も興味があったところなので、親父さんにリベンジを誘ってみると、二つ返事で了解を得た。
とにかく、アタリが判らなかったことが本当に悔しかったらしい…。

そうなると、そこからは準備で大忙しだ。
いざ湾フグ!なのである。

まず私が手掛けたのは情報収集。
すこし古いが、平成20年7月15日発行の「釣り情報」はどういう訳か、私の好みのターゲットばかり特集されており、御多分に洩れず、湾フグの特集もされている。
ボロボロの雑誌を見ながら、あれこれと仕掛けを考える(これが実に楽しい)。

そして宮本プロの仕掛けを参考に完成したのが画像の仕掛けである。


この仕掛けで拘ったのは感度で、できるだけ金具を排除してある。
特に錘の接続部(脱着式=交換可)には一工夫してある。
興味のある方の参考になれば幸いです。

親父さんは飲食業ということで私とは休日が異なるため、釣行は9月20日(祭日)予定で、実釣まで2週間あるが、仕掛けが出来上がると何となくウズウズと気持ちが落ち着かない。
タックルもマルイカ用で代用可能か心配でもあるので…と相当なこじつけをして単独釣行に踏み切った。

船宿はいつもの吉久さんで構わなかったが、今回は同じ浦安(お隣り)の吉野家さんにした。
吉野家さんはオリジナルのフグ竿まで販売している老舗宿で、私の周りのフグ師達も足繁く通う湾フグの代名詞。
一度、試してみて損はない筈である。

あと、吉野家さんにしても吉久さんにしても、予約が要らないというのも魅力のひとつ。
前の日にお酒の予定が入っていて、朝、起きられたら釣行したいという身勝手なスケジュールにも対応できる(特に吉野家さんは満員となっても空船があれば2艘体制が可能)。

そんな吉野家さんへの所感は★★★★★五ツ星である(非常に悪い・悪い・普通・良い・非常に良い)。
まず、最高点を取るのだから接客態度が良いことは言うまでもなく、特に私が感銘したのが船室にエアコンが入っていたことだ…。

何度も同じ話となってしまうが、湾奥の船は湾口まで1時間以上の移動が必要となる。
その間、釣座で風に当たっているのも気持ちが良いが、ここのところの猛暑や寝不足だったりすると船室で休みたいものだが、エアコンが入っているとは恐れいった。
銭州や御蔵島への遠征船の話でしか冷暖房完備の船は聞いたことがない。
当然のことながら、冷暖房完備の船は大型船なので、釣座も広く快適な釣りができます。

そんな快適船での実釣となったが、毎度のことながら渋かった…。
何しろ潮下が有利な湾フグでは、釣座は大事なファクター。
前日に予報チェック(南西の風)、タイドグラフもチェック(下げ潮)、少し早めに起床して確保した左舷舳3番だったのだが、沖に出ると風が真逆に吹いている(北北東)!
最初っからズッコケなのである。

余談だが、ここのところ幾分涼しくなったのも高気圧の衰えなんだなぁ~と実感される。
何れにせよこれからは北風=低気圧とのお付き合いが始まるのである。

次の難関はゼロテンだ…。
今期のマルイカ修行で錘を切った釣りに拘ったがため、ゼロテンでの釣りは自信がなかったが、やはり下手っぴだった。
当日は潮が速かったこともあるが、どうしても船の上下で錘がコツッ~ンしてしまうし、テンションが完全に抜けてしまうのも頻繁で、常連さんのように抜かず張らずの微動だにしない竿先とはいかない…。

それでもゼロテンについても幾らかの情報をマルイカで得ていたので、竿を持つ手(左手)は添えるだけにしてリールハンドル(右手)を支点に竿をシーソーのようにしてみると幾分落ち着く。
または、竿の断面の○を時計に見立て、リールを3時の方向に向け、左手は9時の方向から添えると、手首を振って船の揺れを吸収できる。

結果として、竿はマルイカ用でも流用可能だったが、本気で湾フグに取り組むのなら専用竿に分がある。
キス竿、軟目のマルイカ竿はシャクリ=アワセに一瞬溜めが入ってしまうし、逆にカワハギ竿では硬すぎてアタリが拾えないだろう。

そんな悪戦苦闘の末、やっと穂先に集中できるようになるも、当日はアタリが"ない"。
気づいたら餌が無くなっていたというのが1日とおして3回。
イイダコとヒトデを釣ったのが数回。
喰わせ針にアジが掛かったのが1尾。
本命のショウサイが2尾。

結果として親父さんの前回と同じ釣果に終わったわけだが、親父さんは竿頭45尾に対し2尾だったが、私は竿頭6尾に対し2尾なのがせめてもの慰めだ。
本当のところ、ボウズをひかずにホッとしているのだが…。

なるほど、湾フグは難しい。
それでも数少ない本命はアタリを視認しての釣果だったので、徹底的に馬鹿にされたマルイカよりはダメージは少ないゾ!
何とかしてもう一度ショウサイの干物を食うために、来週こそが本番なのである。

P.S. 吉野家さんで自作仕掛けを使って湾フグに挑戦しようという方にアドバイスをひとつ(恐らくお隣りの吉久さんでも同じだと思うが…)。
餌となるアルゼンチンエビのサイズがデカイです。
一般にテンヤ針からカットウまでのハリス長は10cmが標準ですが、2~3cm長くした方がよいでしょう。

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