2010-09-24

久々の爆釣

ここのところ数釣りをしていない…。
数釣りとなる筈のスルメでも撃沈…。。
フラストレーションが溜まる…。。。

そこで決心「次は外房のフグに行こう!」っと。

私の思考はこうだ。
1.「食べる=味覚」という点でフグは美味い
2.湾フグは面白いが、数は獲れない
3.美味しいものを数釣りたい。マルイカはシーズンOFFなのでやはりフグ
  内湾は× → 外房フグ○
4.大漁(幸せ)。干物、唐揚、醤油漬、ひっひっひ

お彼岸(秋分)だというのに、こんな味覚と引味の煩悩だらけとなった私は、名月を楽しみながら「州崎」に向ったのである。


州崎と聞いて皆さん???と思われるでしょうが、茨城でも九十九里でもなく州崎(南総)で釣れてるんですよ。ショウサイフグ。
以前からイサキの外道でフグが掛かることがあったので、いるんだろぅなぁ~と思っていましたが、何せ豊饒な海。
マダイだぁ、鬼カサゴだぁ、と騒いでいる港でショウサイフグをやる船宿がないんです。
言い換えれば出船すれば爆釣なんですね…。

向ったのは、以前ヤリイカでお世話になっている早川丸さんです。
早川丸さんの釣果ブログに私の写真が載っていたので、これも拝借っと。


南総の海は実に気持ちがいい。
亡き父も兄もこの海を愛し、足繁く通っていました。


湾フグの難しさは他でも記してありますので割愛しますが、群れが濃く、喰いも良いときの外房のショウサイフグは余っぽど飢えているのでしょうね、イサキよりも簡単に釣れるのです。
きっと東京湾とは群れが格段に大きく、生存競争が激しいのでしょう。
容姿が同じでも、別の生命体の可能性も…(笑)。

実際、手感覚でアタリが取れますし、それでもアワセが間に合います。
そういう意味で、このブログのラベルは同じショウサイフグながら東京湾で釣る「湾フグ」と「ショウサイフグ」のカテゴリを分けたのです。



釣果は76尾。
もうこうなると「作業」ですハイ。
何しろ入れ掛かりの時間帯、私のウェスト型救命胴衣がズボンを共なってズリ落ちるんです。
投入から着底までに船底に転がっているフグを桶に入れ、ズボンを戻すのですが、直ぐに半ケツ状態に戻ります。
それでも涎を垂らしながらフグを釣る。
何しろ、食うことしか考えていませんからね!

この恐ろしい半ケツ状態で頑張ったにもかかわらず、トップの方は95尾。
私はスソから数えた方が早い釣果でした。
この要因は仕掛けにあります。

私は「がまかつF1カットウ」というカットウを使っています。
現在 ″最強″ と呼ばれるカットウなんですが、それは軽く触れただけでフグの白いお腹に刺さる「掛り」が最強であって、それ故、線径が細く繊細なんですね。
数釣りとなった今回、爆釣タイムにこのF1カットウが2回も折れてしまいました。

止む無く仕掛けを交換していた間にトップの方が20尾近く数を伸ばしたのでしょう…。
その間、私の足元に居たフグ共は命拾いしたわけですが…。

あと気になったのが、カットウを結ぶハリスです。
当日はフロロ10号を使用したのですが、何しろフグにカジられるわ、弛んで引張っても真直ぐにならないわで沖上がりした時には見るも無残な状態に。
それでもフグは乗りましたが…。

因みに同船した多くの方が外房仕様(所謂、錘25号の出来合い仕掛け)を使用していらして、そのハリスはクッションゴムのような素材が使われており、最後まで弛みなくシャッキーンとしていました。
そんな理由で、次は爆釣用にワイヤ仕様の仕掛をバッカンに忍ばせるつもりです。

あと、今回の釣行で「なるほど」をひとつ悟りました。
誌面に掲載するカットウ仕掛によく ″スリーブ止め″ がされているのですが、別に結んだっていいじゃん…と気にしていなかったのです。
実は、そこにも深~い理由があったのです。
やはり定番の仕掛っていうのは一工夫、一配慮しているものですね。

前述したようにカットウを結ぶハリスは「シャッキーン」としていることが理想です。
それ故、フグ師達の仕掛けは、両端をゴムに引っかけて真直ぐな状態でケースに収まっています。
それだけ、ラインに弛みがないように気を遣うわけですが、仕掛けを結束する時、それなりの力がハリスにも残り、弛みが残るんですね。
それを回避するためにスリーブで結束していたのです。

また、太いゲージの結束はコブが大きくなります。
このゴロツキは私には野暮ったく感じられ、好感が持てません。
そんなゴロツキ解消にもスリーブが役立つのです。
これからの仕掛け作りに役立てていこうと思います。

いざ湾フグ!(実釣編)

辛酸をなめたテスト編のリベンジとなるか、また、親父さんの釣果は如何に?
本番(実釣編)です。

今回も浦安の吉野家さんからの出船です。
当日は南風・上潮ということで、釣座は艫有利。
リベンジを狙う2人は、大艫は無理としても出来るだけよい釣座を確保しようと出船1時間前に釣宿に到着。
艫から4番5番となる右舷胴間を確保。
更にはリベンジの強力な助っ人となるかもしれない?特エサをバッカンに忍ばせ、大貫沖に向け浦安を岸払いしました。


吉野家さんの船は前回同様エンジン流しをメインにポイント移動を繰り返します。
どうやらこの操船が湾フグ界で有名な公大船長のスタイルみたいです。
エンジン流しを繰り返す…?そう、当日も日和が悪かったのです…。

スタートから実釣2時間で私は1尾。
エンジン流しは釣座の有利・不利があまり顕著になりませんが、それでも四隅はポツポツ型を見ているようで、爆釣タイムを祈りながら我慢の釣りです。

親父さんも昼前にフグの顔を見ましたが、その後、よく冷えた缶入ハイボールを飲み、弁当を喰うと、昨夜24時近くまで仕事をされていた疲れがでたのか、気持ちよく寝てしまいました。
因みに、吉野家さんで売っている弁当がシンプルながらとても美味しいんです。

フグに限らず、吉野家さんを訪れたなら是非お試しください(300円です)。


そして私が1尾を追加し、沖上りの時間を意識し始める頃、船長は大移動を決断。
船を走らせます。
私もこの渋い状況を脱するためにバッカンに忍ばせた「特エサ」を取り出します。

ルアー界でいま流行のアミノ酸ワームです。
ルアーマンが「フグによくカジられる」という噂を聞き、今回試すことにしたものです。
実際に「ほらっ」カジられているでしょ!

この大移動が功を奏します。
少し根があり、頻繁に根掛りしますが、アタリの無かった(アタリが見えなかっただけかもしれないが…)定番ポイントより明確に魚信が有ります。

当日はこのポイント移動の恩恵で、私はショウサイ1尾(計3尾)、アカメ1尾、良型カワハギ2尾を追加し沖上りとなりました。
釣果こそ前回を上回りましたが、これでリベンジとは考えられません。
そこで、湾フグの当面の目標をツ抜けとした次第です。

特エサについては、1度の試験で皆さんに断言はできませんが、エビ餌(冷凍アルゼンチン赤エビ)を凌ぐ喰いの良さという物ではありませんでした…。
但し、エビ餌と遜色ない程度にはアタリがあり、素材に弾力性がありますので、エビ餌よりもアタリが明確なのかもしれません。
更に餌持ちという点では、フグにカジられても餌を全て取られてしまうことはありません。
活性が高いときなど、手返しには有利かもしれません。

また今回の目論みとして、お隣が常連さんだった場合、一糸乱れぬゼロテンションはどうやって維持しているのか聞いてみようと考えていましたが、今回は片サイドは親父さん、片サイドは初挑戦の方でした。
船長なりに聞こうと思ったのですが、聞きそびれました…。

そうは言っても、遠目には常連さんの釣りを観察しましたが…。
傍目にはゼロテンションでなく、少し錘を切っているとしか考えられません。

エサ取りの多い釣目は、大抵、水中で静止していることが可能な魚達です。
フグ、マルイカ(エサ取りする訳では無いが)、カワハギ…。
これらの攻略はどうしても底での工夫をしなければなりません。

そして底での工夫を怠ると、こんな奴ばかりしか釣れないのです(コイツの身体は凄い粘々だった)。


何れにしても仕掛けの改良を含め、湾フグでツ抜けるには修行が必要。
こうして、またひとつ釣り物が増えていくのである…。

2010-09-17

魚の絞め方(美味しくいただく方法)について

このタイトル(魚の絞め方)は、人に聞くと諸説があり、お迷いの方も多いのでは…と思います。
私も実のところ何が正しいのか解らず、いづれ調べてみようと思っていました。

そんな疑問の扉を開けることとなったのが過日の湾フグで、厳密に言えば「フグ免許」のない人は捌いてはいけないお魚…。
じゃ~美味しくいただく為にはどう扱ったらよいのか調べ始めたのがキッカケでした。

いやぁ~、それにしても魚のことになると物調べも楽しいもんですね!

さて、本題に移る前に前置きが必要です。
今回のコメントは参考とさせていただいた記事の転載を中心に進めていきます。
これはケミカルに弱い私では詳細説明を自分の言葉で適切に表現ができないことが多かったからです。
悪しからずご容赦いただきたい。
それでも「魚を美味しくいただく」視点に立ち、私なりのコメントは織り交ぜて行きます。

それでは話を進めてみよう!


1.絞めることによる効能
あまり小さな魚では感じられないけど、きちんと絞めた魚のほうが旨味は強くなります。
悶絶死した魚はアデノシン3リン酸が減少し、旨味となるイノシン酸が生成されにくくなるのが理由です。
また、脊椎(神経)を切断する絞め方は、筋肉に対する刺激が絶たれ、魚の肉質変化が抑えられることから鮮度のよい状態が長時間続きます。

この一文だけで、絞めることの良し悪しが端的に表現されています。
全ての魚は絞めた方が美味しくいただけるわけです。
但し「絞める」ことと「血抜き」とは行為は似ていても、目的が別なので注意して下さい。


2.血抜きについて
魚を絞めることにより血管も切断すると、血が抜けて魚の生臭さを緩和します。
特にカワハギ等の肝を食べる魚の場合、絶対に必要な作業となります。
また、内臓や血液の中にはタンパク質分解酵素が多く含まれており、血抜きをしないと傷むのが早くなります。
微生物の繁殖も早く進みます。

これは読んだとおりですね…。
但し、1.の話にもありますが、その絞め方(血の抜き方)によっては効果が薄れてしまう場合があります。
それは次の3.で説明しますが、とにかく現場では血抜きを必ずおこない、余裕があれば内臓やエラブタも取り除くというのがベストですね。


3.悶絶死について
釣った魚を桶で泳がせておくとそのうちに口を開けて死んでしまいます。
これは酸欠とショックおよびストレスによるものです。
1.でも説明したとおり、悶絶死は旨味となるイノシン酸の生成を阻害するだけでなく、魚の体内に乳酸がたまり、鮮度も極端に低下して味が悪くなります。
更に、悶絶死した場合、その直後から死後硬直が始まってしまうのです。

悶絶死が悪いのであれば、血を抜くためにエラブタを切って桶で泳がせて殺すのは、この上ない最悪行為と言えます。
美味しくいただくためには、釣り上げたらすぐに魚を絞めることです。
同時に血抜きする事でより美味しい状態で持ち帰れる訳です。

私も今まで「エラブタ」派でした…。
なるほど、なるほど…。


4.氷絞め(小魚に推奨されるわけ)
前述、悶絶死で説明のとおり、桶で泳がせておくのは最悪…、でも沢山釣れてしまう小型の魚はどうしたら?
こんな時に「氷絞め」となるわけです。
小さな魚であれば、血抜きしたものと、氷絞め(血は抜かない)したものは、極端に味に違いはありません。
釣れたらすぐに氷絞め(即死)することで、最も簡単かつ質的にも良い状態が保たれるのです。

ふむふむ。


5.水氷は「海水」で作らなければいけないわけ
これは浸透圧の問題で、海水に真水を混ぜると塩分濃度の違いから真水が海水側に流入していきます。
同じように海水に棲む多くの魚は体内にある程度の塩分を保持しており、真水に入れると浸透圧を受け、塩分不足から身が水っぽくなるわけです。

沖釣りの場合、問題となるのが船宿で支給される氷ブロックです。
殆んどの船宿は真水から作った氷ブロックを支給するので、この氷で水氷を作っても氷が溶ければ塩分濃度が低くなってしまいます。
ペットボトルを凍らせたものでクーラーの中を冷やしている人や、ビニール袋に海水を入れて溶けた氷水と分離している人はこの点に注意しているわけです。
但し、海水の塩分濃度は魚体が持つ塩分濃度より高いので、少しくらい氷が溶けても気にする必要はありません。
したがって、水氷は少なくとも海水で作らなければならない訳です。


6.活魚と鮮魚の違い(食べ頃)
我々が釣ったお魚は「生」→「死」→「硬直開始」→「完全硬直」→「解硬(死後硬直の解除)」→「軟化」→「腐敗」という段階を踏んでいきます。
私も余り気にしていなかったことなんですが、生~完全硬直までを「活魚」と称し、解硬中のものを「鮮魚」といいます。
そしてお魚をが一番美味しくいただけるのは、2つの意見があります。
解硬以降(鮮魚)と完全硬直時(後期の活魚)。
この問題については魚種にもよりますし、好みにも左右されます。
例えば、死後硬直は平均5時間~22時間とされているので、釣ってから1~2日寝かしたものが美味しい(イノシン酸たっぷり)と言われる所以でしょう。
一方、釣りたての魚のコリコリとした食感(歯触り)が美味しいという方も多いと思います。
ついては、ここで結論は出しません。
尚、Link情報はとても参考になると思います。

2011.07.02追記
過日、「ためしてガッテン」を見ていたら、五島列島の漁師は、釣った魚は(番組は鯛の特集だったが…)湯引きするのが美味しいという一場面があった。
その後、理由を番組で説明する訳だが、湯引きすることでイノシン酸の生成を促し、更に表皮と身の間に詰まっている旨味も閉じ込めるというものだった。
また、解硬が進んだ魚は旨味は増しているが、歯触りが緩くなるのだけれど、隠し包丁を入れてから湯引きすると驚くほど食感が復活するそうな…。
これは、体液による脂などを洗い流す、所謂臭み抜きも兼ねるようだ。
何れにせよ、自宅では三枚に下ろして皮は引かずに保管することが求められますね。追記以上


7.魚の絞め方
絞め方については、沢山の情報がWEB上に開示されいるので、ごく簡単な説明にとどめます。
魚を締める道具としては、手カギ、ナイフ、神経抜き(ワイヤ、針金)があります。
小型魚は氷絞め、大きな魚はエラの付け根と尾びれの付け根(急所)にナイフを入れ中骨を断ち切って下さい。
更に魚を桶の中で「くの字」に曲げると血が抜けやすくなり、船釣りであれば循環水が回っているので、桶から血の色が消えたらクーラーに移しましょう。

手鉤は使えるのであれば、魚の暴れが少なくなるので便利です。
目の後上あたりに手鉤で刺すと魚は脳死します。
但し、魚は頭を落としても暫く身は生きていますので、全く暴れないという訳ではありません。
また、あまり暴れさせると身に血がまわり、味を損ねますので、手早く処理することが肝要です。

神経抜きは、専用の道具が売られています。
手鉤でも述べたように脳からの信号が止まっても身の方はまだ生きていますので、神経抜きしてあげることで死後硬直の開始を遅らせられます(鮮度維持)。


8.魚の保存温度
このセクションは魚種により対応が異なるのと、クーラーの温度管理は難しいのであくまで参考として下さい。
水産業界(学会)で魚の旨味指標は「K値」として表現されます。
このK値と初期腐敗までの時間との相関関係を保存温度でテストすることによって、どの温度で保管するのが適しているのかLink情報ではテストしています。
結果からすると概ね「5℃」位がベストのようです。

私もこれからはお風呂用の温度計でもクーラーに忍ばせておいて、5℃位となる氷と水の量を管理(経験則)していこうと思います。


9.クーラーについて
釣場からの帰路、クーラーは魚がヒタヒタに浸かる程度に水を抜きましょう。
出来れば5.で説明しているとおり、ペット氷か海水袋に魚を入れ、浸透圧を回避することが好ましい。
もし水氷に直接魚を保存している場合、魚が直接氷にあてると変色や硬直の原因となるので、氷をタオルか新聞紙で包むか、逆に魚をタオルか新聞紙に包むかしましょう。
尚、氷の上に魚を置く方をよく見かけますが、冷気は上には行きません。
出来るだけ魚の上に氷を置くようにして下さい。

現在、クーラーの構造は大きく3タイプに分かれます。
・真空パネル(高級)
・ウレタン(汎用)
・発砲スチロール(廉価)

その他にも消臭機能が付いているものや、真空パネルとウレタンが合体しているものなど様々です。
最高級とされる6面真空パネルのクーラーは、凄い保冷力だと耳にしますが、価格も凄く5万円はします。
高価なものですし、消耗品ではありませんので、購入についてはご自分のスタイル(釣目、釣場から自宅までの移動時間、車移動か電車移動か)を明確にする必要がありますね。
これから釣りを始める(分からない)という場合には、20リットル前後のウレタン製が無難でしょう。

私はLTでは荷物を軽くするために、クーラーはホームセンターで700円位で売っている発砲スチロール剥き出しの安価なもの(通称、トロ箱)を愛用しています。
何しろ、駄目になっても経済的に痛くありませんし、実は発砲スチロール剥き出しがそこそこ保冷力が高いのです。
良いクーラーは耐久性が求められるので、真空パネル等の保冷材をプラスチックで覆う必要がありますが、700円は保冷材が剥き出しなので効果が高いんですね。
河岸やお魚屋さんもみ~んな持ち運びは剥き出しじゃないですか!


10.魚を家に持ち帰ってから
一番大切な事は血を残しておかない事です。
理由は簡単、雑菌が最も好む(つまり繁殖しやすい)のが魚の血液だからです。
ハラワタを抜いておくのは誰でも知っているのですが、この血に関しては意外と盲点なんですよ。
とにかく完全に血合いを落としておきましょう。
次に魚を傷める原因は脂と体液の排出作用です。
脂は表面があぶら焼けし、内部はユルユルになります。
「臭みの元」になる体液が排出されると、次いで「旨味の成分」が排出されていきます
血液・脂・肉汁、この三者に配慮すれば魚の保存は上手くいきます。

他日、魚包丁についてコメントしましたので、興味のある方はこちらをご覧ください。


11.最後に
まぁ~色々と書きましたが、ここに書いたことがすべてではありません。
例えば、私が好きなイカはお魚さんではありませんので、絞め方も異なります。
魚であっても、有名な「松輪サバ」は氷絞めで出荷されており、血抜きしない方が美味しいとされる代表的な例です(どうやら身割れを嫌っているようです)。
また、このコメントで私の理解が間違っていることも多々あると思いますので、気付いたら随時更新するつもりです。
どうかご容赦を。


12.イカについて 【追記2012.12.25】
イカ類の鮮度維持について我々アングラーの認識は「イカは水に浸けない」が原則で、イカ親父の間ではクーラーの底にPET氷を2本置き、その上にスノコを敷いてイカを並べて持ち帰るのが最上とされている。
また、締める・締めないの認識もあやふやで、「締めれば墨を吐かないので、綺麗に持ち帰れる…」程度のもので、締めれば美味いということの確証が得られていなかった。
ところが、ひょんなことからイカの鮮度維持について情報を得たので(Link参照)コメントを追記する。

Link論文は、対象がスルメイカとなるがイカ類全般にも同じことが言えるだろうと小生が勝手に推測したことを前提として要約すると、イカ類は釣れたら即締め、5℃の海水(氷には触れない方がいい。イカとイカの接触も避ける)に酸素を供給して持ち帰るのがベストだという。
そうして持ち帰ったものは24時間経過しても身の透明度が保たれ、更に吸盤も吸い付くような鮮度が保たれるということだ!

この条件をアングラーが満たすのは難しいが、即締めしたイカを海水氷にブクで酸素供給しながら持ち帰ること位だったら可能だろう(東京圏のアングラーであれば、朝一で釣ったイカも12時間後には帰宅・調理できるだろうし…)。
また、イカ類についても前述した魚の鮮度維持(保存温度まで)の結論と重なっていることが興味深い(逆に調べてきたことが正しいと確信を得た)。


イカの鮮度維持についての検証を3/3マルイカでおこなった(実際はこれからおこなう)。
詳しくはこちらをご覧ください。

2010-09-11

いざ湾フグ!(テスト編)

先日、馴染みの小料理屋の席につき、ビールを頼んだらお通しにフグの干物が運ばれてきた。
軽~く七味が降られたその身の旨いこと…。
「ショウサイ?」と親父さんに聞くと、大貫沖で前日に釣ったものだと言う。

親父さんの仕事を常々拝見させていただいている私の想像ではあるが、釣ったその晩に一夜干して、翌朝、ピチットシートで冷蔵庫で夕方まで乾燥させて仕上げたのだろう。

ところが、釣果の話になると親父さん「恥ずかしくて言えない。もうフグ無くなっちゃったよ」と白をきる。
あとから聞いたところ、実釣は2尾で、それを見かねた船長さんか常連さんだかがお裾分けをしてくれたそうだ。

マルイカから始まった私のLTも、タチウオを除き、メインターゲット不在なシーズンに突入し、究極のLTと称される湾フグは私も興味があったところなので、親父さんにリベンジを誘ってみると、二つ返事で了解を得た。
とにかく、アタリが判らなかったことが本当に悔しかったらしい…。

そうなると、そこからは準備で大忙しだ。
いざ湾フグ!なのである。

まず私が手掛けたのは情報収集。
すこし古いが、平成20年7月15日発行の「釣り情報」はどういう訳か、私の好みのターゲットばかり特集されており、御多分に洩れず、湾フグの特集もされている。
ボロボロの雑誌を見ながら、あれこれと仕掛けを考える(これが実に楽しい)。

そして宮本プロの仕掛けを参考に完成したのが画像の仕掛けである。


この仕掛けで拘ったのは感度で、できるだけ金具を排除してある。
特に錘の接続部(脱着式=交換可)には一工夫してある。
興味のある方の参考になれば幸いです。

親父さんは飲食業ということで私とは休日が異なるため、釣行は9月20日(祭日)予定で、実釣まで2週間あるが、仕掛けが出来上がると何となくウズウズと気持ちが落ち着かない。
タックルもマルイカ用で代用可能か心配でもあるので…と相当なこじつけをして単独釣行に踏み切った。

船宿はいつもの吉久さんで構わなかったが、今回は同じ浦安(お隣り)の吉野家さんにした。
吉野家さんはオリジナルのフグ竿まで販売している老舗宿で、私の周りのフグ師達も足繁く通う湾フグの代名詞。
一度、試してみて損はない筈である。

あと、吉野家さんにしても吉久さんにしても、予約が要らないというのも魅力のひとつ。
前の日にお酒の予定が入っていて、朝、起きられたら釣行したいという身勝手なスケジュールにも対応できる(特に吉野家さんは満員となっても空船があれば2艘体制が可能)。

そんな吉野家さんへの所感は★★★★★五ツ星である(非常に悪い・悪い・普通・良い・非常に良い)。
まず、最高点を取るのだから接客態度が良いことは言うまでもなく、特に私が感銘したのが船室にエアコンが入っていたことだ…。

何度も同じ話となってしまうが、湾奥の船は湾口まで1時間以上の移動が必要となる。
その間、釣座で風に当たっているのも気持ちが良いが、ここのところの猛暑や寝不足だったりすると船室で休みたいものだが、エアコンが入っているとは恐れいった。
銭州や御蔵島への遠征船の話でしか冷暖房完備の船は聞いたことがない。
当然のことながら、冷暖房完備の船は大型船なので、釣座も広く快適な釣りができます。

そんな快適船での実釣となったが、毎度のことながら渋かった…。
何しろ潮下が有利な湾フグでは、釣座は大事なファクター。
前日に予報チェック(南西の風)、タイドグラフもチェック(下げ潮)、少し早めに起床して確保した左舷舳3番だったのだが、沖に出ると風が真逆に吹いている(北北東)!
最初っからズッコケなのである。

余談だが、ここのところ幾分涼しくなったのも高気圧の衰えなんだなぁ~と実感される。
何れにせよこれからは北風=低気圧とのお付き合いが始まるのである。

次の難関はゼロテンだ…。
今期のマルイカ修行で錘を切った釣りに拘ったがため、ゼロテンでの釣りは自信がなかったが、やはり下手っぴだった。
当日は潮が速かったこともあるが、どうしても船の上下で錘がコツッ~ンしてしまうし、テンションが完全に抜けてしまうのも頻繁で、常連さんのように抜かず張らずの微動だにしない竿先とはいかない…。

それでもゼロテンについても幾らかの情報をマルイカで得ていたので、竿を持つ手(左手)は添えるだけにしてリールハンドル(右手)を支点に竿をシーソーのようにしてみると幾分落ち着く。
または、竿の断面の○を時計に見立て、リールを3時の方向に向け、左手は9時の方向から添えると、手首を振って船の揺れを吸収できる。

結果として、竿はマルイカ用でも流用可能だったが、本気で湾フグに取り組むのなら専用竿に分がある。
キス竿、軟目のマルイカ竿はシャクリ=アワセに一瞬溜めが入ってしまうし、逆にカワハギ竿では硬すぎてアタリが拾えないだろう。

そんな悪戦苦闘の末、やっと穂先に集中できるようになるも、当日はアタリが"ない"。
気づいたら餌が無くなっていたというのが1日とおして3回。
イイダコとヒトデを釣ったのが数回。
喰わせ針にアジが掛かったのが1尾。
本命のショウサイが2尾。

結果として親父さんの前回と同じ釣果に終わったわけだが、親父さんは竿頭45尾に対し2尾だったが、私は竿頭6尾に対し2尾なのがせめてもの慰めだ。
本当のところ、ボウズをひかずにホッとしているのだが…。

なるほど、湾フグは難しい。
それでも数少ない本命はアタリを視認しての釣果だったので、徹底的に馬鹿にされたマルイカよりはダメージは少ないゾ!
何とかしてもう一度ショウサイの干物を食うために、来週こそが本番なのである。

P.S. 吉野家さんで自作仕掛けを使って湾フグに挑戦しようという方にアドバイスをひとつ(恐らくお隣りの吉久さんでも同じだと思うが…)。
餌となるアルゼンチンエビのサイズがデカイです。
一般にテンヤ針からカットウまでのハリス長は10cmが標準ですが、2~3cm長くした方がよいでしょう。

2010-09-10

今年はスルメが不漁です

8月29日(日)に師匠とフラッシャーアジ&スルメのリレー釣りに勝浦(川津港)鈴丸さんに出掛けてきました。
釣行2日前に鈴丸さんのブログで70台の釣果がUPされていたので、期待の遠征となったわけですが、この情報社会、我々と同じ期待をもった方も大勢いらっしゃり、12~13名の乗船となりました。

そうなると、我々以外の方はイカしか眼中ありません。
3週間も前からお願いしていたリレーは敢無く中止、最初からスルメ狙いとなりました(悲)。

ところが1投目のラインを見ると、スルスルスルと横に吹けていくじゃありませんか…。
ありゃりゃんと仕掛の回収してみれば、投入とは逆側から仕掛が上がってきます。
見事な二枚潮。

こうなるとイカ専門船じゃない鈴丸さんで12~13名は厳しく、沖上がりまでフルタイムで「オマツリショー」となってしまいました。(フラッシャーしておけば、皆さんお土産だけは確保できたのにね…)

更に、乗船された方々を見渡すと、失礼ながら毎週船に乗られているようにもお見受けできずで、オマツリを解くどころか、オマツリしていることすら判らず仕舞いです。
きっとPEも号数がバラバラなんでしょう。
結果、オマツリが増殖してしまいます。

仲乗りのいない鈴丸さんでは、そうなると船長自らが出動するしかありません。
いつもは優しい船長さんなんですが、当日はブチ切れて、スルメの釣り方をマイクで説明する始末。

それにしても当日は渋かった…。
落しこみでは全くアタリが無く?捕れず?、着底でアタリを捕らえても電動入れると重さがない…。
棚を広く探ると乗るのだが、多点掛けしない…できない?
海面付近で必ず誰かのラインとオマツリする(バレる)わで、3点掛けが最高、9杯次頭終了。

あまりに悲惨な釣行でしたので、このレポートはこれにて終了。
それにしても今年はスルメはどこに消えたのでしょうね…。